韓国大統領選挙で当選確実となった李在明(イ・ジェミョン)氏と、日本政府はどう付き合うべきか?
6月4日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター・経済アナリストの森永康平氏が、3日に投開票が行われた韓国大統領選挙で当選確実となった、『共に民主党』の李在明氏の付き合い方などについて解説した。
寺島尚正アナ「韓国大統領選挙で革新系最大野党『共に民主党』の李在明(イ・ジェミョン)候補の当選が確実になりました。韓国メディアが一斉に報じ、保守系から革新(進歩)系への政権誕生は3年ぶりです。
投開票が行われたのは3日。選挙管理委員会によりますと開票率が7割を超えた時点で李氏の得票率はおよそ48%、与党『国民の力』の金文洙(キム・ムンス)候補を5ポイント以上引き離し、首位を走っている状況でした。韓国大統領選、『共に民主党』の李在明氏が当選確実ということですが、これを森永さん、どうご覧になりますか?」
森永康平「これはしばらくは多分その発言に対して、結構右往左往させられそうだなという印象を持ってまして。この外交のスタンスとして何を言っているかというと、いわゆる『韓国の国益を最優先させる実用主義を採用する』という言い方をしてまして、これどういうことかというとですね、基本的に韓国のためになるんだったらどの国ともいいように付き合っていきましょうっていうスタンスなんですね。なので韓国にメリットがあると思えば
日本に対しても紳士的な発言をするだろうし、逆に北朝鮮との関係に対しても、どちらかというと前政権は北朝鮮に対して強硬的な部分もありましたけれども、『同じ朝鮮半島の民族として融和的な態度を取りましょう』みたいな、要は言い方をちょっと悪くすると八方美人。
いまいちポジションとか状況によって発言がコロコロ変わるんじゃないかなと思うんですよね。日本に対して強い発言をした方が国内の支持を得られて、かつ自分が進めたい政策が前に行くと判断すれば、日本に対して、例えば過去の歴史とかをまた持ち出してすごく反日的な発言をするかも知れないし、逆にこれはちょっと待てと。このタイミングはアメリカとか日本と仲良くして『アメリカ韓国日本で防衛力を高めて他の国に対して牽制した方がいい』と思えば日本に対して『過去は過去。これからは仲良くしましょう』って言ったりっていう、発言1個1個に対してすぐに反応しない方がいいし、反日なことを言われたから『この野郎!』ってなるわけでもないし、変に融和的な態度で来たから『よし!じゃあ仲良くしましょう』ってわけでもなく、ちょっと距離を置いた方がいいんじゃないかな、というのは過去の発言を見てもタイミングによって全然逆のことを言ってたりするんで、冷静に付き合うべき相手だろうなっていう印象があります」
寺島「今回の選挙は前の大統領尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏が、非常戒厳を宣言して今年4月に罷免されたことを受けての実施です。異例の政権交代となった背景には改憲宣言をめぐる国民の強い反発がありました。韓国ギャラップの調査によると、中道層の7割がこの弾劾に賛成していたといいます。選挙戦で李在明氏は分断された社会の修復と政治改革を強調しています。また、経済の再建、雇用創出にも力を注ぐと訴えてきました。経済立て直しと雇用創出を訴えてきた李在明氏ですが、これはどうお感じですか?」
森永「そうですね、やっぱりああいう形で今回政権も変わり、大統領も変わったわけですから、国民からすると若干政治不信というか『今どうなってんの?』っていうのがあるはずで、そこに一番支持率を上げるっていうんで効果があるのが経済の対策になりますよね。なので第一位に経済の立て直しを持ってきたのは、非常に合理的かなと思いますけどね」