Yahoo! JAPAN

「ハタチのお祝いができて幸せ」Mr.Children、GOING UNDER GROUND、真心ブラザーズ、ズーカラデル、岡崎体育が躍動した『グランドチャウデーション』2日目

SPICE

『PLUMCHOWDER 20th ANNIVERSARY SPECIAL 20/25 グランドチャウデーション』

『PLUMCHOWDER 20th ANNIVERSARY SPECIAL 20/25グランドチャウデーション』2024.12.18(WED)大阪・大阪城ホール

ライブイベント『PLUMCHOWDER 20th ANNIVERSARY SPECIAL 20/25グランドチャウデーション』の2日目「グランデーションDAY」が、12月18日(水)に大阪城ホールにて開催された。

『PLUMCHOWDER 20th ANNIVERSARY SPECIAL 20/25 グランドチャウデーション』

『グランドチャウデーション』は、大阪を拠点にコンサートプロモーションや『ロックロックこんにちは!』等のライブイベントを企画制作してきたプラムチャウダーの誕生25周年、会社設立20周年を記念し12月17日(火)、18日(水)の2日間にわたって行われた。2日目の18日(水)には岡崎体育、GOING UNDER GROUND、ズーカラデル、真心ブラザーズ、又吉直樹(ピース)、Mr.Childrenが出演した。

会場外には、プラムチャウダーの梅木康利代表が、JUN SKY WALKER(S)の宮田和弥(Vo)から購入したミニクーパー(現在は再び宮田家へ)をモチーフにしたフォトスポットや、貴重な過去イベントのアイテムも販売。場内ではドミノ・ピザがクラムチャウダーを販売していることもネタの一つのようだ。

『PLUMCHOWDER 20th ANNIVERSARY SPECIAL 20/25 グランドチャウデーション』

徐々に開演時刻が近づく中、「たくさんの楽しかったことや音楽を愛する気持ちが皆さんとつながって20年。今日も大阪城ホールで奏でられる生の音が、皆さんの心に響きわたりますように」という、FM802 DJの加藤真樹子による思いのこもった影ナレにも耳を奪われた人も多いだろう。今か今かと待ち構える大観衆を前に、スクリーンには1分前のカウントダウンが鳴り響き、DAY1に続いて今宵も笑福亭鶴瓶が開幕を告げる! 「何で今日も又吉がおるねん?」なんて、らしさ全開のオープニングを経て、2日目の先陣を岡崎体育が切る。

岡崎体育

岡崎体育

「岡崎体育のことは準備運動だと思ってもらって結構です!」なんてのたまうも、ド頭「Open」から隅々まであおりにあおり、一気に大阪城ホールを一体化させていく岡崎体育。

岡崎体育

「最高やん! まだ一発目やぞ。ありがとうね。今日がライブ納めでございます。12月31日の予定を空けてたんですけどね、NHKの方で。でも、こんな素敵な会場で終われてうれしい。一緒に盛り上がれますかね? (大歓声が返ってくると)良かった! ただ、盛り上げるのはごめんなさい、こっちの仕事なので。プロのミュージシャンなんでね。岡崎体育の力で盛り上げてみせますので、よろしくお願いします!」

ほめたり引いたり、気付けば岡崎体育ワールドにズブズブ引きずり込まれ、続いては「Call on」へ。コール&レスポンスにしてはかなり長めの英語や、高速なクラップが飛び出し、笑うしかないオーディエンスに「全然違う! あー雰囲気だけ。できてない全然!」とスパルタぶりを発揮。高く腕を上げるポーズはきれいにそろい「それだけはできてるわ!」と、何とか丸く収まったよう(笑)。

岡崎体育

「みんなどういうつもりなん? 誰目当てで来てんの? どうせバンド目当て。率直に言いますけど、岡崎体育はバンドが嫌いです。今日もみんなバンドの人たち。楽屋も僕だけ通路の奥、男子トイレの隣。そうやって虐げられてきました。でもバンドってうらやましいなと思う気持ちもあるんですよ。ステージ上に喜びも悲しみも分かち合える仲間がいるって素晴らしいなと。その大切さを歌った曲をやりたいな」

と、舞台上での唯一の友達・ペンギンのてっくんを召喚し「FRIENDS」へ。朗らかな曲調、大画面にはキュートなフォントの字幕……。かと思えば、<バンドざまぁみろ!>と、悪態をつく転調パートでは笑いの間欠泉状態!

「各バンドには、この後しっかりあいさつしておきます(笑)。申し遅れましたけど、プラムチャウダー20周年おめでとうございます! デビュー後からずっと面倒見てもらってて。さらに高みへいく会社になるよう祈っています。ふざけ過ぎたのでまじめに歌ってもいいですか?」

岡崎体育

そう続けては、センチメンタルなバラード「エクレア」を。音楽愛たっぷりに絶唱する、これぞ正真正銘の<いい歌>に他ならない。先ほどまでたくさんの笑顔にあふれていた客席が、一転して吸い込まれるように肩を揺らしているさまが実に印象的だ。曲が終わるやスタッフがステージ上へ集まり始め、「まだライブ中やのに転換が始まりました。どういうこと?」と、撤収の準備と思いきや、「さっきあれだけバンドのことをディスったわけですが、バンドと演奏してみたいなと思って」と、ラストは、ズーカラデルの3人と、フラワーカンパニーズの「深夜高速」をカバー! 「特にうまいわけではないけど、一生懸命歌います。皆さんの気持ちを動かせるように」、そう告げた言葉からは、彼の歌心をひしひしと感じずにはいられない。ラスト「俺はいい夜にするぞ! みんなはどうする!?」と熱量いっぱいに投げ掛け、トップバッターを務め上げた岡崎体育だった。

岡崎体育

ズーカラデル

ズーカラデル

準備運動との形容とは裏腹にアツアツ状態に仕上げた岡崎体育を送り出し、ズーカラデルの時間へと突入! オープニングを飾る牧歌的な「漂流劇団」では、ラララのハーモニーが温まりまくったフロアをやさしく包んでいく。鷲見こうた(Ba)はぴょんぴょんと跳ね、初っぱなから躍動。吉田崇展(Vo.Gt)は、「続きまして新しく作った曲を演奏します、その名も「バードマン」!」とエレキギターをかき鳴らし、陽気なムードで満タンに。アリーナ会場すらライブハウス化させる親近感が、彼らのステージにはあるのだ。

ズーカラデル

「本日はお集まりいただきありがとうございます、とプラムチャウダーの代わりに申し上げておきます。先日、代表の梅木さんとお話する機会がありまして。このイベントがどれだけ大切かということを伺ったんです。話が長くてほとんど忘れてしまったけど(笑)、一つ肝に銘じたことがあって。「僕たちは一生懸命最善のお膳立てをするけれど、最後のピースをはめるのはお客さんの手によるんだ」と。最後のピース以外のものは我々に任せて、皆さんは楽しんで最高の夜にしてください!」(吉田、以下同)

ズーカラデル

継承されていくプラムチャウダーイズムにシビれつつ、12月にぴったりの「ノエル」をしっとりとプレイ。山岸りょう(Dr)は堅実にリズムを重ねていき、ふつふつとしたエモーションを湧き上がらせていく。ライブでのお楽しみである未発表曲「友達のうた」では独白にも似た導入を経て、哀愁モードを提示。それにしても、彼らにとっては広大な大阪城ホールでもただ音を鳴らす一つの場所に過ぎないような……アリーナをものともしない自然体の姿は、何とも頼もしい。そんなことを考えていたら、あっという間に最後の曲。

ズーカラデル

真心ブラザーズの桜井秀俊(Gt)を呼び込み、またもやうれしいコラボが実現に! 笑顔が伝播していく「アニー」では、ほほえみをたたえつつソロを弾く桜井。その姿はまるでギターと遊んでいるかのようで、全員が音楽少年に返ったハピネスいっぱいの光景に、こちらも胸の奥が熱くなるばかりだ。2025年は結成10周年の節目となるズーカラデル。さらなるステップアップを予感する一幕に、万雷の拍手が送られていた。

ズーカラデル

又吉直樹(ピース)

転換中のモニターには、プラムチャウダーが20年の間で生み出してきたさまざまなイベントの模様が映し出されていく。『ロックロックこんにちは!』『仮面チャウダー』『そこから奏でまSHOW!』……。どれもこれもバラエティ豊かなシーンと出演者の貴重な表情ばかり。終始退屈させない仕掛けに見入っていると、お次はこの2日間唯一の皆勤賞・又吉直樹のお出ましだ。

又吉直樹、YO-KING(真心ブラザーズ)

「プラムチャウダーさん、20周年おめでとうございます。ちょっと今ヒゲを生やしてまして。この姿で初めて行ったお店では英語で接客されています」と、さすがのツカミ。ピースとして舞台へ臨む際、真心ブラザーズの「サティスファクション」を出囃子に使っていたという経緯から、「ずっと尊敬しているんです。今日は一緒に考えてもらいたいことがあって……」と、真心ブラザーズのYO-KING(Vo.Gt)を迎えて共に又吉の新しい芸名を考えることに。本来なら、又吉と直樹の間に、真心の曲名を入れるという流れだったところ、YO-KINGは早速「「また」又吉直樹はどう?」とノリノリ。「望まれてない感じがしますけど(笑)」と又吉は気の進まなそうな一方、「又吉「大崎の次は五反田だよ」直樹」「又吉「真夏といえども」直樹」「又吉「素晴らしきこの世界」直樹」など次々と提案するYO-KING。さらに、先だってズーカラデルと共演した桜井秀俊が、くれぐれも「真心ブラザーズの桜井」だということを強調して紹介してね、とリクエストしていたという話に。

「桜井「和寿」秀俊ってどう? うちの桜井さんもなかなかいいんですよ。才能ありますよ」(YO-KING)

「いや、むちゃくちゃありますよ! ではそろそろ(笑)。この時間はリラックスしてもらうために設けられたので」(又吉)

大の大人がわちゃわちゃする、これぞ『グランドチャウデーション』! なひとときとなった。

真心ブラザーズ

真心ブラザーズ

初手「スピード」から、貫禄たっぷりに放ったのは真心ブラザーズだ。桜井秀俊の冴えわたるギターソロをトリガーに、BPMを上げてまくしたてるYO-KINGのボーカルが、大阪城ホール全体を大きな渦の中にトリップさせていく。

「真心ブラザーズです! プラムチャウダー、20周年おめでとうございます。そして真心は35周年ということで。お世話になりました!」(YO-KING)

真心ブラザーズ

そう続けては、アニバーサリーを祝す最新作『SQUEEZE and RELEASE』から「オレは音楽」をブチかます! サポートの鹿島達也(Ba)の重厚なベースラインにオヤイヅカナル(Key)の絢爛な音階が絡み合い、サイケデリックな様相を極めていく。「人間はもう終わりだ!」でもさらにブ厚いアンサンブルで場を牽引し、そのインパクトはベテランならではの余裕……というよりも、音を鳴らすことをピュアネスに追求する初期衝動でまばゆいほど! これでもかと超豪速球ストレートを投げてくるYO-KINGの声のパワーにも、全身を揺さぶられる感覚だ。

「岡崎体育くんとズーカラデルがコラボしたり、ズーカラデルと僕が一緒にやらせてもらったり。今日はそんなふうにいろんなセッションを楽しもうと思っております。真心ブラザーズには、GOING UNDER GROUNDの松本素生(Vo.Gt)くんを!」(桜井)

真心ブラザーズ

そうコールし、さっそうと現れた松本と「拝啓、ジョン・レノン」を絶唱! にこやかにグルーヴィーなリフを弾き倒す桜井、アカペラで朗々とした声を天高く発するYO-KING。いつもとカラーを変えてクリアな歌声をやんちゃに響かせる松本のとびきり楽しそうな表情は、まさにコラボならではのものだ。

「後ほど(GOING UNDER GROUNDの)ライブを楽しみにしています!」(桜井)と松本を送り出し、さらに勢いを増してのショートチューン「どか~ん」を投下! 前日にウルフルズとして出演したサンコンJr.(Dr)が放つどっしりしたリズムに興奮度は右肩上がりの中、YO-KINGはステージを駆けつつ、「最後にもう1曲! 季節にぴったり〜!」とボケながら、「ENDLESS SUMMER NUDE」でシメる! たくさんの手が伸びる客席に応え、端々にまで手を振るYO-KING。ジャジーな鍵盤に絡み合う桜井のプレイが切なさを増幅させ、胸の奥底までわしづかみにするYO-KINGの歌力にも改めて唯一無二と痛感。見れば見るほど、聴けば聴くほど渇望してしまう中毒性にあふれた真心ブラザーズで、イベントは折り返し地点に!

真心ブラザーズ

GOING UNDER GROUND

GOING UNDER GROUND

青いライティングが幻想的なムードを醸し出す中、松本素生が右手を大きく掲げて開幕ののろしを上げたはGOING UNDER GROUND! 1曲目に強力アンセム「トワイライト」を据えたところからも、この日への気合を感じさせる。スポットライトを浴び、ひときわイノセントな歌声を放つ松本。キャリアを重ねてもなお増すGOINGならではの叙情性を、冒頭から存分に知らしめてくれる。「火星」では中澤寛規(Gt)のリリカルなコーラスにも心拍数が上昇し、すっかりホーム化させていくのはさすがの手腕だ。

「楽しいお祭りになった? 今日初めて出会えた人もいると思うんですが仲良くなりたいなと思って、今日は得意技しか持ってきていないから。コレでダメならもうダメよ(笑)!? そういうつもりで一生懸命楽しもうと思っているので最後までよろしくお願いします! 言葉でプラムチャウダーへの「ありがとう」を伝えるのはミュージシャンとしては粋じゃないなと思うので、曲で伝えようと」(松本、以下同)

GOING UNDER GROUND

そう続けたのは「サンキュー」。GOINGからの特大の愛を豊潤なメロディに託し、きらめく光も音に力を与えるよう。<どんな雨も虹にかえるよ>という歌詞が何とも印象的で、いつまでも失われないみずみずしさを会場の最後方まで届けていく。さらに「爆音ノ四半世紀」では自然発生的なクラップに体感温度も上がり続け、不滅のフレッシュさをまざまざと叩きつけていく。メジャーデビュー前から『ロックロックこんにちは!』に出演してきたGOING。MCでは2001年に、『ロックロックこんにちは!』の兵庫・メガKobe公演に出演したときを回想する松本。

GOING UNDER GROUND

「誰にも知られてない状態で、25分だけ時間をもらって初めて出た野外イベント。しかも出演した時間帯がGRAPEVINEと奥田民生さんに挟まれて、出る直前に(梅木代表から)「お前これで外したら終わりやで」って言われたのを覚えています(笑)。今日は、その日感じた緊張とまさに一緒。だからあえて2001年の自分たちのステージを引用して最後にもう1曲やりたいと思います」

そう告げると、当時のお約束、ライブ前の宣誓へ!

「我々GOING UNDER GROUNDは、真心ブラザーズとMr.Childrenに挟まれたこの30分間を、いつもどおり一生懸命楽しみ、そして今日集まってくれた全ての人々の思い出の1ページに加わることを誓います!」

GOING UNDER GROUND

高らかに宣言し、ラスト「LISTEN TO THE STEREO!!」へなだれ込む! 「音楽好きなヤツ、手を上げてくれ! 歌詞なんて適当だから。歌が下手だろうかうまかろうが一緒に」と最後には音すら鳴らさず、客席のクラップだけで大阪城ホールを一つにしてしまう。最後の最後は、3人が最前にそろって声を合わせるカタルシスたるや!

「お集まりの皆様、この時間は俺たち全員でGOING UNDER GROUND。また一緒にバンドやろうぜ!」

周囲からは口々に称賛の声があがる、誇らしきGOING UNDER GROUNDのステージとなった。

GOING UNDER GROUND

又吉直樹(ピース)

コンビでの登場同様に、真心ブラザーズの「サティスファクション」をバックに再び姿を見せたのは又吉直樹だ。

「……皆さん、リアクションが正直過ぎますね。僕に贈られる拍手ではなかった。改めまして、僕が「また」又吉直樹です」

と大トリへの期待感満載だったところに、まさかの伏線回収(笑)。先ほどが芸人・又吉モードだったとするなら、ここからは作家としての顔で舞台に立つ。

「僕は歌も歌えませんし、楽器もできないんですけど、言葉と音楽がすごく大好きで。そういう縁もあって今回出演させてもらってるんですけど。ここからは作文を読ませてもらっていいですか?」

又吉直樹

そう続けると、ピースというコンビ名の由来を語りながら、又吉の好きな言葉を紹介する流れに。芥川龍之介や夏目漱石に続き、Mr.Childrenのメンバーの金言や迷言、果ては相方の綾部祐二の名言を織り交ぜながら、「終わりなき旅」の歌詞で締めくくり、この日のラストアクト・Mr.Childrenへと美しくつなげてくれた。

又吉直樹

Mr.Children

Mr.Children

期待の拍手がピークを迎えた頃、シルエットが現れるだけで大歓声が巻き起こる! いよいよこの2日間を締めくくるMr.Childrenのステージへ。のっけから軽やかにジャンプする桜井和寿(Vo.Gt)の姿に、メンバー自身もこの場を楽しんでいることがひしひし伝わってくる。「海にて、心は裸になりたがる」からたくさんの手が伸び、続く「HANABI」では、イントロから今日イチの喝采が湧出! 田原健一(Gt)も心地良さそうに音の波に乗り、サポートの山本拓夫(Sax.Fl)の音色も鮮やかな色を添えていく。そこから「Tomorrow never knows」へ続くものだから、会場の一体感はこれ以上ないほどに! 聴く者一人一人を初めて聴いたその日に引き戻すタイムマシンのような吸引力で、全員がシンガロングしているのが分かるほどだ。

Mr.Children

「『グランドチャウデーション』楽しんでますか? プラムチャウダー20周年おめでとうございます! そして我々Mr.Childrenにとっては2024年最後のライブです。友達のハタチのお祝いをしながら思いっ切りライブができるという、とても幸せな時間です。この出会いをつくってくださったイベントに感謝します。梅木くんとはデビュー前からの付き合いで、どういうわけかライブ以外にも僕らのレコーディングや合宿にも同行してくれました。一体、誰が梅木くんにお給料を払っていたのか……本当に分からない(笑)。というか、その当時は考えたこともなくて、とにかく僕らは梅木くんを必要としていて。いろんなところに連れ回したけど、いつもニコニコ付き合ってくれた。僕らのバンドとしての青春期を一緒に、まるでメンバーのように、時にはマネージャーのようにいつも一緒にいてくれました。そんなダメダメでハチャメチャなときを経て、まっとうな大人に成長しました」(桜井)

「なれたかな〜、自信ないな〜(笑)」(鈴木英哉(Dr))

「ハハハ(笑)。こうして自分が立ち上げた会社を20年続けるって、そりゃもう立派な大人。あの頃の梅木くんからは想像できない(笑)。おめでとうございます! まだまだこの道を続けていってください」(桜井)

Mr.Children

そんな温かな祝辞を経てここからはノンストップ! 扉を開け放つような爽快感を伴った「Brand new planet」、1999年発表というまさにバンドと梅木の大切な時期を彩ってきたであろう「ラララ」をピースフルに奏でていく。桜井がアコギをかき鳴らしながら切々と訴えかけてくる「タガタメ」では、一音一音を丁寧に絡め、壮大なサウンドスケープを編み出していく。さらにSUNNY(Key)の美しい旋律が導く「HERO」で本編は終幕するも、即座にアンコールに湧く会場。

「Mr.Children 2024年の最後はこの曲に。プラムチャウダーに、Mr.Childrenに、ここにいる全ての人に捧げたいと思います」(桜井)

Mr.Children

桜井のギターを合図に紡いだのは、特大のマスターピース「終わりなき旅」だ。20周年の場に何と粋な選曲だろう。鈴木が打ち鳴らす転がるようなリズムに、中川敬輔(Ba)の太く存在感のあるベースラインが重なる。全員が一体となって声を合わせていくじわじわとした多幸感も、何とスケールの大きいものか。エンディングは全員が鈴木を中心に向かい合ってシメへ!

ラストは渾身のビッグスマイルで「よいお年を!」と絶叫する鈴木の一本締めでステージを降りたMr.Childrenの面々だった。

Mr.Children

暗転後、笑福亭鶴瓶が改めてエンディングを宣言! 初日に加え、本日の模様までも詳細な写真レポートで綴られたエンドロールが流れ、4時間半×2日間に及ぶ濃密なイベントは幕を閉じた。

転換中のムービーやBGM、トリ前に注目株を配したタイムテーブル……etc。振り返ってみると予定調和でない仕掛けばかりで、改めて貴重な瞬間に立ち会えたのだと実感するばかり。初日のレポや、事前の代表インタビューなども併読すれば、プラムチャウダーから散りばめられたヒントが見つかるかもしれないーー。誕生26年目、会社設立21年目を歩み出すこれからのプラムチャウダーも、私たちオーディエンスへたくさんのサプライズを届けてくれることだろう。

『PLUMCHOWDER 20th ANNIVERSARY SPECIAL 20/25 グランドチャウデーション』

取材・文=後藤愛 撮影:河上良、翼、(オフィシャル提供)

【関連記事】

おすすめの記事