『動物病院嫌いな猫』にしてあげられる対策は?6つのアイデア
『動物病院嫌いな猫』にしてあげられる対策は?6つのアイデア
動物病院が嫌いな猫を、完全に慣れされることは難しいかもしれません。しかし次のような対策を行えば、少なからず猫の恐怖心も和らぐでしょう。
1.キャリーケースに慣れさせる
動物病院に行く際、キャリーケースに入れること自体が猫にとってストレスとなる場合があります。
そのため普段からキャリーケースを猫の生活空間に置き、快適な場所として認識させることが重要です。
ケースの中におやつやおもちゃを置いたり、寝床として使用させたりすることで、キャリーに対する恐怖心を取り除きます。
2.猫のにおいがついたアイテムの使用
猫のストレスを軽減するために、キャリーケース内や診察室で猫のにおいがついたアイテムを使用するのも効果的です。
「自分のにおい」があると猫が安心しやすくなるため、外出や診察時に緊張しやすい猫にはうってつけといえます。
3.診察時間の工夫
通院の際は、なるべく病院が空いている時間を狙いましょう。
具体的には動物病院の混雑する時間帯(土日・平日夕方など)を避け、平日(とくに午前中)通院や予約制の病院を選びます。
病院が空いていれば、診察前に待合室で長時間待たされる事態を避けられるため、猫のストレスもある程度軽減させることができます。
4.事前に猫の好物を与える
病院に行く前に猫の大好物を与えることで、ポジティブな気分をうながします。もしくは動物病院を頑張った後に与えてもいいでしょう。
ただし病院側から食事の制限がある場合は、その指示に従ってください。
5.獣医師とコミュニケーションをとる
病院嫌いの猫には、診察の際に特別な配慮が必要です(互いにケガのリスクがあるため)。
そのため獣医師にその旨を伝え、できるだけストレスを感じさせないように診察を進めてもらうようお願いしましょう。
動物病院にもよりますが、怖がりの猫の場合は大人数で対応しないようにしたり、音にも気を払ってくれたりする病院もあります。
6.猫専用の動物病院を選ぶ
可能であれば猫専用の動物病院や、猫に慣れている病院を選ぶのもひとつの方法です。
一般的な動物病院は犬やそのほかの動物が多く集まり、大きな鳴き声とさまざまなにおいが漂い、猫の恐怖心を助長させます。
一方、猫専門の病院では、猫がリラックスできる環境や対応が整っていることが多く、また患者も猫しかいないので、一般的な病院と比較しても診察時のストレスを軽減できます。
猫専門病院でなくても、待合室が犬と猫で分かれている病院もあるので、病院が苦手の猫は一度検討してみてもいいかもしれません。
猫は『動物病院嫌い』が一般的
猫は一般的に動物病院が嫌いです。もちろん犬も病院が苦手な子はいますが、それと比較しても猫の病院嫌いは目立ちます。
わたしが勤めていた病院でも、病院でゴロにゃんする子のほうが少数派でした。
猫は自分のテリトリーを重視する生き物なので、自宅という安心できる場所(テリトリー)から連れ出され、見知らぬ場所に連れて行かれることが大きなストレスです。
先にも述べましたが動物病院には他の動物の匂いや鳴き声が漂い、これが猫の不安感をさらに増幅させます。
加えて、動物病院では普段経験しないような状況、例えばキャリーケースに閉じ込められることや、見知らぬ人間に触れられること、さらには注射や採血などの痛みを伴う処置が行われます。
これらの要因が複合的に作用し、猫が病院を嫌がるようになるのです。
また猫は記憶力が良く、一度嫌な経験をすると、その記憶が強く残ります。そのため動物病院での経験が猫にとって恐怖や不快なものであった場合、次回以降の通院に対する抵抗感が増すのですね。
もともと見知らぬ人や動物との関りが苦手な生き物であり、かつ犬のようにワクチンなどで定期的に通院しないので、動物病院は猫にとって恐怖の対象ににしかならないのです。
つまり猫という動物である以上「動物病院嫌い」を、完全解決させるのは難しいということ。
病院慣れしてくれた方が飼い主的にも病院的にもメリットはありますが、猫のペースをできるだけ尊重してあげるのも大切です。
まとめ
猫の『動物病院嫌い』は個体差がありますが、よく見られるパターンで、多くの飼い主が直面する問題といえます。
そのため今回紹介したような工夫を講じて、猫が少しでも病院を嫌がらなくなるよう工夫していくことが大切です。
猫の動物病院嫌いを低減させるには、飼い主の工夫と配慮が必要とされます。
(獣医師監修:加藤桂子)