【茅ヶ崎 イベントレポ】茅ヶ崎みんなのアートフェス「工芸造形展2025」- 海辺のまちで育まれる、工芸のかたち
JR茅ヶ崎駅北口より徒歩8分。
茅ヶ崎市民文化会館で開催された「茅ヶ崎みんなのアートフェス 工芸造形展2025」に行ってきました。
この展示は、茅ヶ崎にゆかりのあるアーティストたちによる作品展で、茅ヶ崎市文化団体協議会の創立85周年記念事業のひとつ。
伝統工芸の技法や新しい表現方法を使って、メンバーそれぞれがまったく違うジャンルの作品を発表しています。
個性的な手しごとがたくさん!
茅ヶ崎市民文化会館につきました。
早速入っていきます。
会場に入った瞬間、目に飛び込んでくる色や形の多さにワクワク!
木工、陶芸、染織、ガラス、編み物、古布アートなど、本当にいろんな素材が集まっていて、「手しごと」ってこんなにも自由なんだ、と感じました。どの作品も、手の跡が残っていて、そこに作り手のあたたかさが感じられるのが魅力です。
寄せ木・象嵌作品
まず惹かれたのは、小山明久さんの寄せ木・象嵌作品。
木のぬくもりがじんわり伝わる作品で、繊細な木の模様を組み合わせてできたパンダの姿がとっても可愛い。
丸いフォルムや表情も優しくて、思わずにっこりしてしまいました。寄せ木の美しさと遊び心が同居していて、見ているだけで癒やされるような作品です。
古布の花
次に印象に残ったのが、長阪京子さんの「古布の花」。
色とりどりのお花がずらっと並んでいて、最初は「生花かな?」と思うほどリアル。
でも近づいて見てびっくり、すべて古布でできているんです。質感も色味もやさしくて、布だからこその柔らかさが感じられました。
一つひとつ丁寧に作られた花びらの重なりに、時間の積み重ねを感じます。季節を問わず飾れて、枯れない花って素敵ですよね。
歩くペンギンたち
そして、Kaori. Ceramics さん(雑貨屋ペパロニ)の作品は、ユーモアたっぷり。
ペンギンのイラストの上を、陶のペンギンたちがちょこちょこお散歩しているようなデザイン!
見た瞬間に「かわいい〜!」と声が出ました。
陶器の質感とイラストの世界観がぴったり合っていて、遊び心のある作品づくりが印象的。
見る人を自然と笑顔にしてくれるような、あたたかさを感じました。
創作手編み作品
さらに、中馬悦子さんの創作手編み作品もとても印象的でした。
展示スペースには、クリスマスをテーマにした作品がずらり。
ツリー型のクッションにはビーズがキラキラと輝き、まるで夜空に星が散りばめられたみたい。
お部屋に置くだけで一気にクリスマス気分が高まりそうです。
周りにはかわいい人形たちもいて、見ているだけで楽しい空間になっていました。
そして驚いたのが、その周りに展示されていたお洋服の数々。
なんとこれは中馬さんの生徒さんたちの作品なんだそう。
編み物で作った洋服たちはどれも完成度が高くて、糸一本一本から形になっていく過程を想像すると、ものづくりって本当に奥が深いなあと感じます。
「教える人」と「学ぶ人」、それぞれの手のぬくもりが会場全体に広がっていて、とても温かい雰囲気でした。
人と人のつながり
全体を通して感じたのは、「茅ヶ崎のアートは、人と人のつながりの中で育っている」ということ。
伝統的な技法を受け継ぎながらも、それを自分の感性で再解釈して作品にしている方が多く、どの作品も素敵な手しごとでした。
たとえば、自然の素材を大切にした作品や、身近なものを再利用して新しい形に生まれ変わらせる作品など。
どれも“暮らしとアートが近い”という、茅ヶ崎らしいあたたかさを感じました。
工芸造形展というと、少し堅い印象を持つ人もいるかもしれませんが、実際の会場はとても親しみやすく、ふらっと立ち寄っても楽しめる雰囲気です。
作家さんたちも気さくにお話してくださるので、作品への想いや素材の話を聞くと、見え方がぐっと変わります。
帰る頃には、手で作ることの楽しさ、そして茅ヶ崎という街が持つ“人とものづくりのあたたかい関係”を改めて感じました。
地域に根ざしたアートの力を感じる素敵な展示でした。
茅ヶ崎みんなのアートフェス「工芸造形展2025」
開催期間
2025年11月1日(土)~11月3日(月)
11:00-17:00
開催場所
茅ヶ崎市民文化会館〒253-0041 神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎1丁目11-1