来春から1年間 戸別収集8地区で実験
茅ヶ崎市はこのほど、2025年4月1日から1年間、ごみの戸別収集に関する実験事業を市内8エリアで開催すると発表した。市は「排出量やごみの中身、収集体制など影響や効果を検証したい」としている。
実験事業は来年4月1日から26年3月31日まで8エリア=左表=約6600世帯(集合住宅も含む)で実施される。品目は燃やせるごみ。
戸別収集は各家庭の敷地の公道に面した場所に出されたごみを回収する方式。従来のステーション方式と比べ、ごみを出した人が明確になり分別が進むなどのメリットがある一方でプライバシーや防犯上の不安、コストの増加といった課題がある。
茅ヶ崎市では18年度から検討がスタート。背景には、他地域からの持ち込みやカラス等がごみを散乱させることによる周辺環境の悪化、ごみステーションを維持・管理する自治会員や個人の負担が多いことなどがある。
さらに22年4月からごみの有料化が始まったことで、事業者のなりすまし(家庭用の指定ごみ袋を使用して排出する)や産業廃棄物の投棄などが増加。昨年度、市が行ったごみ質組成分析調査によると、燃やせるごみの中に含まれる不適正排出分は23・68%に上ることが分かったという。
市は23年5月に市民アンケートを実施し、高齢者や子育て世代から「負担が軽くなる」と賛成の声がある一方で、市内全域で戸別収集を行った場合、燃やせるごみだけで約4億円、燃やせないごみを加えると約5億円の追加費用(現状の処理費は約15億円)がかかることから「変える必要はない」という意見もあったという。
市はこうした結果を受けて今年6月に「ごみ収集方式のあり方」をまとめ、ステーション方式を維持しながら、戸別収集の検討を継続する方針を盛り込んでいた。実施エリアについては、事業者によるなりすましが多く見受けられる商業地域などが選ばれたという。市は「今後の検討につなげたい」としている。
問い合わせは資源循環課【電話】0467・81・7178へ。