寡黙な態度で任務に就く近衛兵、群衆の中に両親を見つけて涙(英)
イギリスのバッキンガム宮殿やウィンザー城などで警護にあたる近衛兵は、マナーに反する市民や旅行者に対して大声で警告することが許可されているものの、任務中に笑顔を見せるなど感情を表に出してはならないと言われている。ところがある女性近衛兵の動画には、群衆の中に両親を見つけた彼女が感極まって泣き崩れる様子が捉えられていた。英ニュースメディア『LADbible』などが伝えた。
英王室の警護にあたる近衛兵は、馬に触れようとしたり、彼らの進行を妨げるような行為をする市民や旅行者に対して手厳しい態度を取ることで知られる。しかし彼らも感情を持つ人であることに変わりはないようだ。YouTubeなどで拡散された、若い女性近衛兵の感情的な表情が多くの人の心を温かくしている。
動画には、バッキンガム宮殿の前で警護にあたる女性近衛兵の姿が映っており、彼女は馬に乗ったまま表情一つ変えずにいた。宮殿の前は雨にもかかわらず多くの観光客がおり、彼女はその中に両親の姿を見つけて感極まった。
両親が近くまで来ると、近衛兵は口を一文字に結んで感情を表に出さないようにしていたが、父親が馬を撫でながら声をかけてきた時は泣きそうになっていた。続けて彼女は、母親から声をかけられて小さく頷くと、感情を抑えることができなくなったようで、白い手袋で涙を拭いた。
その後、近くにいた観光客から「3人一緒の写真を撮りたいですか?」と聞かれ、両親は娘である近衛兵を中心に記念写真を撮った。また、そばには観光客に向けて「馬が蹴ったり、噛んだりする場合があります」と注意を促す看板があるものの、馬は近衛兵の心情を察しているかのようにとても穏やかにしている。そんな近衛兵の動画には、人々からこのような声が寄せられた。
「彼女は近衛兵であろうとなかろうと、他の人と同様に感情を持っているのよ。」
「私はこの動画が気に入っているけど、彼女が近衛兵としての仕事を失わないかが心配。」
「なんて美しい…。謙虚な瞬間の中に真の強さがある。彼女はプロ意識で警備にあたっていた。ただこの時は、感動の涙を流しただけだ。彼女は美しくて勇敢な人だと思う。」
ちなみに、イギリスの格闘技とフィットネスに関する情報ウェブサイト『Blitz Sport』では、正規兵で10パーセント、予備兵では15パーセントの女性が活躍していることを伝えている。そんな中で今回話題となった女性近衛兵の両親は、心から娘を誇りに思っていることだろう。
画像は『LADbible 「Emotional moment King’s Guard breaks protocol and bursts into tears despite being on duty」(YouTube/ BUSKA IN THE PARK)』より
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)