延べ床面積20坪はどんな間取りが快適?特徴や平屋/2階建てなどの間取り例を解説
延べ床面積20坪の間取りと聞いて、あなたはどのように感じるでしょうか?コンパクトな家がトレンドになっている現在、「狭い」と感じる人がいる一方でメリットに感じる方も多いのではないでしょうか。延べ床面積20坪の家は、間取りの工夫次第で住み心地の良い家に仕上がります。この記事では、20坪の間取りの住宅で建てるポイントや間取り例についてご紹介します。
20坪の間取りとは
20坪は約40畳の広さ
20坪は約40畳の広さです。40畳は約66㎡なので、20坪は正方形だとおおよそ8m×8mの広さになります。 平屋の間取りでは、1~2LDK(リビング・ダイニング・キッチン)が目安になります。2階建ての間取りになると2階に各居室を設けた3LDKの間取りも可能です。また延べ床面積20坪の場合、住む人数は大人2人ほどがベストといわれています。両親に子ども1人の核家族や、大人2人に最適なため子育てを終えたシニア世代におすすめの広さといえるでしょう。
20坪の間取りの住宅は少なくない
20坪と聞くと狭いと感じる人もいるかもしれませんが、実際には20坪間取りの住宅は少なくありません。特に都心部においては広い土地の確保が困難な側面もあるため、20坪前後の間取りも珍しくはないのです。また必要最低限の間取りで暮らすほうが、掃除などの管理的にも負担は軽くなります。また税金面が安くなるなど、メリットは多くあります。
20坪間取りの住宅の費用相場
延べ床面積20坪で平屋の場合、本体にかかる工事価格は約2000万円前後といわれています。ただし延床面積や建物の構造、使用する材料費などによって大きく変わるため、各ハウスメーカーごとに異なります。また土地の購入から行う場合は本体にかかる工事価格とは別に、土地代などもかかります。都市部と地方では坪単価も変わってくるため、建物にいくらかけられるか十分注意をして間取りを決める必要があります。
20坪の間取りで居住空間を広くする工夫7選
間仕切りを減らす
延べ床面積20坪の間取りをできる限り快適な空間にするには、無駄なスペースを極力なくし広さを感じられるようにすることが大切です。そのためには、まず間仕切りを減らす方法があります。部屋と部屋を仕切る間仕切りを減らすことで空間に広がりが生まれます。 最近では子ども部屋をゆるやかに仕切る「将来間仕切り」も流行しています。子どもがいないうちは夫婦の趣味部屋やランドリールームとして活用し、子どもができると子ども部屋としてかっつ要するという効率的な無駄のない間取りが再注目されているのです。 間仕切りをなくすぶんリビングを大きくするなどほかの居住スペースを広くすることで、満足度も高くなります。
廊下部分をできるだけ減らす
廊下部分をできるだけ減らすのも効果的です。2階建てでは階段などを設置するためなかなか廊下を省くのは難しい一方、平屋であれば廊下部分をできるだけ減らすことができます。廊下はリビングと各居室のプライバシーを保ったり一定の距離感を確保するためにも必要な部分ではありますが、廊下以外の方法でも距離感を保つことは可能です。 平屋が2階建てよりも広く感じるという所以も、廊下部分を削減できる点にあります。もちろん平屋のほうが設置できる部屋数は少なくなりますが、その分空間をゆったりと使うことが可能です。
スキップフロアを取り入れる
スキップフロアとは、1つの階層の中で複数の高さのフロアがある空間を指します。段差によって視線が切り替わるため、実際の広さは同じでもより広い空間に感じられます。スキップフロアを設ける場合間仕切りは不要なため、空間の広がりは確保しつつスペースを分けることができます。狭い坪数において、空間の広がりとスペースを分けることを両立できる有効な方法です。
ヌックを取り入れる
近年注目されている「ヌックスペース」も、20坪と限られた敷地の中で趣味部屋や書斎などを設けたい方に大変有効です。ヌックスペースとは「おこもり空間」を指し、大人1人がすっぽり収まるほどの空間。このヌックスペースを取り入れることで空間が緩やかに区切られるだけでなく、自分だけのちょっとしたプライベートな空間もつくり出せます。 20坪の平屋の場合、なかなか自分1人の空間をつくるのが難しいケースもあるでしょう。無理に1部屋つくるのではなく、リビングなどと一体になったヌックスペースをつくることで効率よく空間を活用できます。
引き戸を用いる
引き戸を用いるのも、20坪の間取りでおすすめしたい工夫のひとつです。引き戸は開き戸に比べてスペースを必要としません。開き戸の場合、開く分の空間として廊下や室内側の一部を使用するため、その空間がデッドスペースになります。一方の引き戸であれば壁の中に収納できるため、空間を有効活用できます。ひとつ注意したいのは、引き戸は開き戸に比べて断熱効果が低い点です。この点については、外壁の断熱材でカバーするなどの検討が必要です。
らせん階段を取り入れる
20坪の2階建てでは、らせん階段を取り入れるのもスペースを有効活用する方法です。一般的な階段に比べて少ないスペースで設置でき、部屋スペースとの境界もなくすことができます。また、リビングの一角にあるだけでデザイン性の高い空間になります。上手く取り入れることで、空間の広がりとデザイン性の両方が得られる工夫です。
収納スペースを上手く確保する
20坪の間取りでは、収納スペースを上手に活用することも大切です。ここでは収納スペースを新たに設けなくても実践できる、収納スペースを確保する方法をご紹介します。中2階やスキップフロアの下部分に収納スペースを設ける中2階やスキップフロアの下部分に収納スペースを設けると、新たに収納空間をつくることなくスペースを活用できます。大きな収納スペースだと蔵収納とも呼ばれます。このような収納空間はスペースを有効活用できる一方で、足元に収納するため使い勝手が悪いというケースも多々見受けられます。キャスターのついたもので出し入れできるようにするなど、負担が少なくなるよう工夫が必要でしょう。階段下のスペースを活用する階段下の空間を収納スペースとして活用するのもよいでしょう。20坪の2階建てにする場合、必ず設けなければいけなくなる階段は下部分がデッドスペースになりがち。縦に長い空間が空くため、掃除機などのお掃除グッズやトイレットペーパーなどといったストック品を設けるのもよいでしょう。
断熱対策をしっかり行う
断熱対策も忘れてはいけません。20坪の間取りにおいても、特に平屋の場合は屋根が大きくなる傾向があります。その場合、断熱対策をしっかり行わなければ快適な空間とはいえないでしょう。間取りに気を取られるあまり、断熱対策がおろそかにならないように気をつける必要があります。
【プラン別】20坪の間取り例3選
①平屋プラン
20坪の間取りプランとして、まず平屋プランが挙げられます。平屋プランでは、住宅の形状はできる限りシンプルなものがよいでしょう。そして間仕切りや廊下を減らすことで、広いリビングを確保することが可能になります。シンプルな形状はデッドスペースを減らすことにつながるため、寝室などの個室も複数作ることができます。20坪の平屋間取り例
20坪の平屋間取りプランをご紹介します。先述した通り廊下を極力減らす、1LDKの間取りです。LDKと主寝室を大きなウォークインクローゼットでつなぐことで、廊下兼収納の空間にしている点がポイント。LDKと主寝室の間に空間が生まれるため、各居室の生活音が気になりません。
②2階建てプラン
次は2階建てのプランです。2階建てにすることで、リビングや水回りなどの設備空間と寝室スペースとを階層別に分ける方法です。これにより、それぞれ広さを確保することができます。階段はらせん階段を用いてリビングとの仕切りなく配置することで狭く感じにくく、デザイン性を高めることも可能です。20坪の2階建て間取り例
キッチンを壁付けにしてリビングの空間を広く確保した20坪の2階建て間取り例。2階の各居室は6帖ずつで大きく確保しています。
③3階建てプラン
3階建てプランにすると、リビングや水回りなどの設備空間と寝室スペースだけでなく、自営業やリモートワークの方の仕事場空間を別にできます。また、限られた坪数の中で駐車場スペースの確保も可能になります。3階建ては費用もかかりますが、都心部の限られたスペース内に駐車場も確保したい場合などにおすすめできるプランです。
20坪の住宅を建てる際の土地探しポイント2つ
用途地域や建ぺい率について確認する
20坪の住宅を建てるための土地を探す際にポイントが2つあります。 ひとつが、用途地域や建ぺい率についてしっかり確認することです。 土地にはその土地の用途を定めた「用途地域」があります。住居専用地域や工業地域、商業地域といったものです。用途地域によっては、そもそも住居が建てられない地域もあります。 そして、その用途地域に応じて「建ぺい率」が定められています。建ぺい率とは、その土地の敷地面積に対して建物が建てられる面積の割合です。 この2つの確認を怠ると、「20坪の建物が建てられない土地だった」といったケースが生じます。家を建てる際には必ず確認すべき項目です。
駐車場の配置も含めて考える
20坪の家を建てる土地を探す際には、駐車場の配置も考慮する必要があります。 そもそも駐車場が必要なのか、また必要な場合は平屋でも駐車スペースを確保できるかなど、駐車場の配置によってプランが固まってきます。 住居スペース・駐車スペースのいずれにも不満が生じないよう、配置は十分に検討しましょう。
まとめ:ポイントを押さえて、快適な20坪間取りの住宅を手に入れよう
20坪の住宅について、その間取り例や工夫するポイントをご紹介しました。 20坪と聞くと狭いように感じますが、さまざまな工夫を施すことで過ごしやすい快適な空間を作ることが可能です。 限られた坪数の中でも広さを感じることができる間取りを検討して、理想の住宅を手に入れましょう。