瀬谷中出身伊藤吉治さん 母校に柔道畳50枚寄贈 「けが無く安全に」
瀬谷区で柔道場「善道館」を営む伊藤吉治さん(84)がこのほど、母校の瀬谷中学校に畳50枚を寄贈した。伊藤さんは「けが無く安全に、柔道に取り組んでほしい」と願っている。
寄贈された畳は厚さ6cmほどで、衝撃吸収性に優れ、受け身をした時の身体への負担も少ないという。伊藤さんは4月22日、知人の運転するトラックで山梨県の製作所まで50枚を取りに行き、その足で学校に届けた。武道場までの運搬には生徒も協力してくれたそうで、「お礼を言われたり、喜んでくれた様子だった」と笑顔で話す。
交流、今でも
伊藤さんは川崎市の出身で、戦時疎開で戸塚区へ。分区前の現・瀬谷区に中学生の頃に移り住み、同校には2年の半ばから通っていた。柔道は8歳から取り組んでおり、神奈川県警退職後の2001年、善道館を瀬谷銀座通り沿いで立ち上げた。
柔道の指導で2年ほど前に武道場に足を運び、畳の傷みが気になっていたという。また、善道館の教え子たちが通学していることや、柔道部の部員が道場で稽古する機会などもあることから、母校のためにと寄贈することを決めたという。
同校では、柔道の授業の際に今回の畳を敷くなど活用する方針だ。また、安全に注意しながら授業を行っているとして、「けがの予防にもなるような畳を寄贈していただき、大変感謝しています」とコメントした。