【横浜市神奈川区】六角橋北町 防災団体が市に認定 自治会の枠超えた組織
神奈川区の六角橋北町地区で、自治会の枠にとらわれず地域全体で防災に取り組む組織「北町ぼうさいアクション」が9月25日、市の「地域まちづくり組織」として認定された。同時に、同組織が策定した「六角橋北町防災まちづくりプラン」も、地域住民の理解や支持を得ながらとりまとめたとして「地域まちづくりプラン」の認定を受けた。
六角橋北町地区は、地震火災による延焼危険性の高い密集市街地である「重点対策地域」に位置づけられている。このため市は今回の認定を契機に、今年改定の「横浜市地震防災戦略」に基づき、全国初の取り組みとなるオーダーメイドの防災型公園の整備に着手するなど、地域と一体となって災害に強いまちづくりを推進していく方針だ。「地域まちづくり組織」に認定されることで、市から防災活動の助成金が出るほか、防災の専門家などに意見を聞くなどが可能となる。
「北町ぼうさいアクション」は、自治会員だけでなく、地区外の地主、学生、企業など、多様な人々が活動に参加する団体として立ち上がった。スローガンは「助け合いが命を守る日ごろのつながり北町」であり、防災を自治会員だけの課題とせず、地域全体で取り組むべき課題と捉えている。
「六角橋北町防災まちづくりプラン」では主に、子育て世代向けの「北町学ぼうさいウォーク」など多世代が参加できるイベントの実施、他団体との共催による防災訓練、手助けが必要な人への家具転倒防止具の設置支援や「防災型公園の整備」、「安全な避難路づくり」に向けた取り組み方針が書かれている。
同団体の浅井雅美代表は同プランを作成するにあたり、2度のアンケート調査を実施した。町内に住む人の半分以上は自治会に所属しておらず、チラシ配布や郵送などで意見を求めた。アンケートでは、町に求めていることや防災への興味関心に関する質問をプランの素案とともに送付。一度目のアンケート調査では素案に対して「障がい者への配慮が足りない」などの意見があり、プランを修正し配布を行った。
浅井代表は「北町は木造の建物が密集してるだけでなく、道が細いためいざというときに救急車や消防車が入れないエリアが広い。1人でも2人でも助かれば、価値があるのでは」と話した。