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マーベル・ドラマ、削減へ「あまりにも多すぎた」 ─ 『サンダーボルツ*』でも反省「ドラマを観てなきゃいけないと思われた」

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(MCU)のテレビシリーズは、今後そのボリュームを減らしていくことになるようだ。作品の過剰供給が『マーベルズ』(2023)や『サンダーボルツ*』(2025)に与えた悪影響を、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長が認めた。

現地メディア向けの記者会見に登壇したファイギ社長は、(2008)から『/エンドゲーム』(2019)までの“インフィニティ・サーガ”で製作したのが約50時間だったのに対し、その後のマルチバース・サーガでは「半分の期間で100時間以上の物語を製作しました。あまりにも多すぎた」と告白。アニメーション作品まで含めると、そのボリュームは現時点で127時間に及ぶという。

「史上初めて、量が質を上回ってしまいました。インフィニティ・サーガの12年間は、“そんなことは絶対に起こらない”と言っていたのです。月に1本のペースで映画を作る気はなかったので、常に製作できる本数よりもキャラクターの数のほうが多かった。ところが突然、もっとたくさん作るようにという命令が下され、私たちは“えっ、もっと作るのか”と。」

ディズニーとマーベル・スタジオは最近、のために作品数を増やしていた数年間を率直に反省している。事実として、マルチバース・サーガでは映画の興行収入がふるわない傾向にあり、ストリーミング作品も視聴者数が減少しているというデータがあるためだ。

ファイギ社長いわく、『アベンジャーズ/エンドゲーム』以降は「実験」と「進化」がキーワード。そのことが『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021)や『エターナルズ』、ドラマシリーズの成功作「ワンダヴィジョン」(2021)「ロキ」(2021-2023)につながったことは評価しているという。

「私は“実験”と“進化”を誇りに思っており、今後も変えるつもりはありません。たとえ成功しても、実験とリスクなくして価値はないからです。一方で、ディズニープラスのために注力したのは“拡大”でした。この拡大こそが価値を損なってしまった。みなさんに、“前は楽しかったのに、今は全部知っていなきゃいけないの?”と思わせてしまったのだと思います。」

特に大きな影響を感じたのが、『マーベルズ』だった。ドラマシリーズからミズ・マーベルとモニカ・ランボーが登場したが、ファイギ社長は「“この2人は誰なんだろう? テレビに出ていたのかな、じゃあ見なくてもいいや”という感じになったのだと思う」と分析する。

『サンダーボルツ*』についても同様だ。「とても良い映画だと思います」と完成度には満足しているものの、「知名度の低いタイトルだし、テレビからの登場人物も多かった」と振り返った。

「観客のなかには、“この人物を理解するには別の番組を見ていなければいけないんだ”と感じた人もいるはずです。実際に映画を観ると、必ずしもそうではないし、私たちもそうならないように映画を作っています。けれども、そのことを観客に理解してもらわなければならないのです。」

現在、マーベル・スタジオは解決策として映画・テレビの製作本数を減らしている。映画は年平均2~3本のペースで、「1本しかない年もあれば、3本ある年もある」が、テレビシリーズは「実写作品は年間1作品まで減らす」と宣言。実際にただいま進行中のドラマシリーズは「デアデビル:ボーン・アゲイン」とヴィジョンの単独ドラマ「ヴィジョン・クエスト(原題)」のみだ。

また、ドラマシリーズと映画の関係も希薄で、『サンダーボルツ*』のクライマックスで描かれた展開も「デアデビル:ボーン・アゲイン」シーズン2にはまったく影響しないという。『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』にジョン・バーンサル演じるパニッシャーが登場することが稀有な例外だ。

「テレビシリーズはテレビシリーズとして、というところに戻していいと思います」とファイギ社長。これはで「デアデビル」や「ジェシカ・ジョーンズ」などの“ディフェンダーズ・サーガ”が展開されていた時代(当時はマーベル・スタジオではなく、すでに廃止されたマーベル・テレビジョンが製作を担っていた)への回帰宣言だ。

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