ベネッセと四日市市教委が包括連携、データ分析などで教育の充実めざす
三重県の四日市市教育委員会と株式会社ベネッセコーポレーションは5月1日、教育データの分析などで学校教育を充実させることをめざし、包括連携協定を結んだ。同社との包括連携は同県内の自治体では初めてという。
協定締結式が同日あり、ベネッセ側から執行役員兼学校カンパニー副カンパニー長の大山敦史さん、小中学校営業部義務教育支援2課長の江田幸司さん、教育DX推進課の鈴木陽憲さんら、市教委から廣瀬琢也教育長、磯村寿子副教育長、稲毛弥生教育監らが出席した。
執行役員の大山さんと廣瀬教育長が協定書に署名した。廣瀬教育長は、経済的な問題、十分でない日本語の理解、不登校など、教室の中の多様化が進んでいる状況に触れ、基本的な学力を身に着け、回答がひとつとはいえない現実にも対応できる子を育てるために、ベネッセの知見を借り、子どもたちが未来を切り開いて行ける教育を実現させたいとの気持ちを述べた。
執行委員の大山さんは、義務教育をめぐる環境が変化し、子どもたちの多様化が進んでいる一方、教師の仕事は手一杯になっているとし、数々の課題を解決するためにデジタルをどう取り入れるかがテーマだと語り、四日市市とともに子どものやる気を高められるような取り組みをしたいと抱負を述べた。
今後、両者は、教育のICT化や教育データの利活用など学校教育を充実させること、教育上の諸課題に対応した研究、その他、両者が必要と認める分野での連携を進めるという。
四日市市では、コロナ禍で進んだ子どもたちのタブレット利用に合わせ、ベネッセが提供するデジタルのドリルも導入してきたという。今後、そのデータをベネッセと協力して分析することで子どもたちの学力との関連などを調べ、教師を支援し、子どもの学力向上につながるようにしたいという。ベネッセによると、包括連携は全国で約15の自治体と結んでいるが、四日市市とのように、検証的な形で進めようとする例はあまりないという。