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スイスでサステナブルな旅をしよう! アルプスの絶景と伝統をめぐる② 憧れのマッターホルンに出会う

さんたつ

サステナブルなスイス2週間の旅の2回目。アルプスの氷河をあらゆる場所から楽しみ、旅人憧れのマッターホルンを擁する村・ツェルマットまで。絶景の連続にため息がこぼれます。眼福の旅の後半へ出発!

ベルギューン➡アレッチ地方➡ツェルマット

美食家もうなるサステナブルなレストラン

ポントレジーナから、世界遺産のレーティッシュ鉄道ベルニナ線を走るパノラマ列車「ベルニナ・エクスプレス」に乗車。この日はお隣・イタリアの町、ティラーノまで行って折り返す。

プント・ムライユ駅からケーブルカーに乗り、ムオタス・ムライユ山頂へ。眼下にはエンガディンの谷、サン・モリッツの町と奥に連なる湖、正面にはベルニナ・アルプスが広がっている。ちょうど向かいのシャーフベルクには、風景画家のセガンティーニが生涯を終えるまで絵筆をとっていた山小屋がある。

夕飯は山岳ホテル『ロマンティックホテル ムオタス ムライユ』のレストランで。このホテルは断熱性が高く、自然のエネルギー利用などで石油依存を減らす建築の基準“Minergie- Standard(ミネルギー スタンダード)”を採用している。

サステナブルの先がけホテルであり、料理が評判のレストラン・ベルグハウスが人気。レストランのみの利用もでき、地元の美食家たちにもやってくる。

レーティッシュ鉄道ベルニナ線・アルブラ線を走る「ベルニナ・エクスプレス」。
「ベルニナ・エクスプレス」は景色が流れる、大きすぎるくらいの窓が特徴。連続する橋、ループ線を走る様子などもしっかり楽しめる。この展望パノラマ列車は2023年に50周年を迎えた。
丁寧に調理された食事に合わせるのは、地元のビール。ムオタス・ムライユのベルグハウスで。

自然環境を知ることもサステナブル

翌日はサン・モリッツからベルニナ線に乗って、途中下車。ロープウェイに乗ってディアヴォレッツァ展望台からペルス氷河を、モルテラッチ駅から歩いてモルテラッチ氷河をたっぷり堪能した。

ツェレリーナを出発したら、歴史的な観光列車「グレッシャー・エクスプレス(氷河特急)」が走るアルプス横断ルートでアレッチ地方へ。アルプスの名峰、美しい森や牧草地、山間の急流や渓谷などが車窓に現れる人気の絶景ルートだ。

ロープウェイで10分ほどのディアヴォレッツァ展望台から、ペルス氷河を一望。
1878年から計測されているモルテラッチ氷河。氷河の先端がどこまであったのか、年代の案内板が立っている。ハイキングしながら、年々後退していく様子を知ることができる。
モルテラッチ駅のそばにあるチーズ工房。伝統のチーズ作りを公開している。

さまざまな場所から氷河を見る

ベッテン駅で降り、直結のロープウェイ駅からベットマーアルプへ。ローヌ谷上のテラス状の高原はアレッチ地方と呼ばれ、西側からリーダーアルプ、ベットマーアルプ、フィーシャーアルプの3つの拠点があり、そこから結ぶ展望台から世界遺産のアレッチ氷河が見られる。

リーダーアルプからアレッチの森を歩いて辿り着いたのは『ヴィラ カッセル』。今宵はカッセル卿の元別荘に泊まるのだ。

アルプス最長・最大を誇るアレッチ氷河。前半の旅でユングフラウヨッホから見た反対側になる。
山のレストランで食べた、家庭料理のコレラ。ネギ、タマネギ、リンゴ、チーズ、ポテトがたっぷりのパイ。

●コレラについてはこちら
myswiss.jp/experiences/food-and-wine/cholera/

スイスを代表する花の一つ・アルペンローゼがあちこちに。
アレッチの森も世界遺産だ。美しい森を体感するには、歩くのが一番。
ホテル ヴァルドハウスの夕食から。ラクレットが食べられるチーズデーにあたって、にんまり。ジャガイモに絡めていただく。ドライビーフもヴァレー州を代表する特産品。

●ラクレットについてはこちら
www.myswiss.jp/experiences/food-and-wine/raclette/
●ヴァレーのドライビーフについてはこちら
www.myswiss.jp/experiences/food-and-wine/valais-dried-beef/

これぞスイスの絶景と新たなルートをゆく

『アルプミュージアム』でバター作りを体験したあとは、いよいよツェルマットへ。

マッターホルン・ゴッタルド鉄道で一本の秀峰のお膝元には、世界中から旅行者が訪れる。環境保全のため、村内を走るのは電気自動車や馬車だけ。

念願のマッターホルンのご来光を見るため、ゴルナーグラート鉄道のリッフェルベルグ駅そばの『ホテル リッフェルハウス 1853』に投宿。

アルプミュージアムで、むかしながらのバター作りを体験。なかなか力が必要な作業だ。
100年以上の歴史を誇る、マッターホルン・ゴッタルド鉄道でツェルマットへ。
ツェルマットからゴルナーグラート鉄道で上るときは、右側に座ろう。車窓にマッターホルンがどんどん迫ってくる。
ゴルナーグラート駅のそばに立つ展示館『ズーム・ザ・マッターホルン』のVRで仮想飛行を。

●『ズーム・ザ・マッターホルン』についてはこちら
www.myswiss.jp/experiences/zooom-matterhorn/

ゴルナーグラート展望台からは、ゴルナー氷河やモンテローザなどが望める。

翌朝は3時すぎに起き、暗闇のなかリッフェルゼーまで歩く。徐々に目が慣れてきて、日が昇るのをじっくり待つ。

大自然のショーを満喫したら、新しいルートをゆく。昨年夏に開通した「マッターホルン・グレッシャーライドⅡ」に乗って、イタリアとの国境を越えるのだ。世界でもまだ数カ所しか実現していない3本のケーブルを使う最新の3Sシステムで、テオドゥール氷河の上を渡る。

夜明けのマッターホルンとリッフェルゼー。このあと日が昇ると、右の山肌がオレンジ色に染まる。
2023年に開業したばかりのロープウェイ「マッターホルン・グレッシャーライドⅡ」。
特別車両「Crystal ride」は床が透明になっていて、テオドゥール氷河を見下ろすことができる。

表情を次々に変える、湖をめぐる

ツェルマットでの最終日は、スネッガ周辺の湖めぐり。シュテリゼー、グリンジーゼー、モージーゼー、ライゼーをはしごする。

高山植物をめで、小さな山岳民族の村でランチをして、顔と足が黒いモコモコのヒツジと戯れ…。気がついたら最終のケーブルカーの時間!

帰りもスーツケースは駅から空港へ送ったので、翌朝、身軽に空港へ向かった。

ホテル前の教会橋からもご来光ショーが。多くの人が集まる。
シュテリゼーへ向かう途中、野生のエーデルワイスを見つけた。感動!!
逆さマッターホルンが見えたグリンジーゼー。
モージーゼーには、顔と足が黒いヒツジがいっぱい。

スイステナブルなホテルに泊まる

「スイステナブル」とは、スイスとサステナブルを組み合わせた造語。サステナブルなプロジェクトに積極的に取り組んでいるホテルやレストラン、ミュージアムなどの施設、交通機関などをスイス政府観光局が認証している。認証ホテルではミネラルウォーターを繰り返し使えるガラス瓶で提供したり、バスルームのシャンプーやリキッドソープも詰め替えできるリターナブル瓶を使用したり。チェックしてみよう。

Cresta Palace Hotel

クレスタ パレス ホテル

ツェレリーナ駅のそば、アール・ヌーヴォー様式の宮殿のような佇まい。2022年、全90の客室のうち約半数がサステナブルに改修された。伝統的なスイス料理やイタリアン、タイ料理などのレストランがあり、冬期は特別なラクレットレストランも。

Hotel Waldhaus

ホテル ヴァルドハウス

ベットマーアルプの森に囲まれた高台に立つプチホテル。2016年にすべてのものを 100%木材で作る「ホルツ(ウッド)100 」プロジェクトを立ち上げ、2018年に6室の「ホルツ100」ルームが誕生した。地産地消にこだわるレストランでの食事も人気。

Villa Cassel

ヴィラ カッセル

アレッチ地方、リーダーフルカにあるこの瀟酒(しょうしゃ)な邸宅は、1902年に建てられたカッセル卿の夏の別荘。現在は自然保護基金「プロ・ナトゥーラ」が運営する「アレッチ自然保護センター」に。別荘時代の雰囲気のなかでお茶や食事、宿泊もできる。

Hotel Riffelhaus 1853

ホテル リッフェルハウス 1853

標高約2600m、昨年170周年を迎えた山岳ホテル。2018年に名前を変えて内部をリニューアル。アルプスの自然の素材を使った部屋は広々、山の宿とは思えない快適さで、バルコニーはプライベート展望台! マッターホルンを心ゆくまで。

Hotel la couronne

ホテル ラ クーロンヌ

マッターホルンの撮影スポットで知られる、ツェルマットの教会橋の前という贅沢なロケーション。木のぬくもりあふれるアルパイン・デザインの部屋でゆったりとくつろげる。朝食は壮大な景色を望みながら、種類豊富なビュッフェを。

スイス インターナショナル エアラインズのプレミアムエコノミー

燃料効率の高い技術への継続的な投資や「SAF(持続可能な航空燃料)」の開発と使用などでCO₂の排出を2030年までに半減、2050年までにゼロを目指しているスイス インターナショナル エアラインズ。快適な空の旅には、2022年に導入された「プレミアムエコノミー」を利用したい。プライバシーが確保される新開発の固定式バックシェルシートを採用し、陶製の食器で味わうワンランク上の機内食も魅力。

食事は3種類から選べ、スイスの地方料理もある。
歯ブラシやアイマスクなどのアメニティも付く。

取材・文・撮影=『旅の手帖』編集部 協力=スイス政府観光局、スイス インターナショナル エアラインズ、スイストラベルシステム
『旅の手帖』2024年5月号より

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