予定帝王切開が緊急帝王切開に!私のバースプランが…!
6歳の娘・3歳の息子の子育てに奮闘中のママライター、Tomomiです。現在は、フリーランスのライターとして在宅ワークをする傍ら、週に数回ホテリエとしてホテルのフロント業務をかけ持ちしています。私が第二子である息子を出産したのは3年半前の33歳の時。2人目だから大丈夫と無理をしすぎた私を待っていたのは、想定外の“緊急帝王切開”でした。妊娠出産は何が起こるか分からない、2回目だから大丈夫なんてないのだと、身をもって体験することとなった2度目の「帝王切開」体験をご紹介します。
第二子の帝王切開。予定帝王切開? VBAC?
第一子を帝王切開で出産した私が、第二子妊娠と同時に頭を悩ませたのは出産方法でした。病院によって見解は異なりますが、第一子を帝王切開で出産した場合、第二子も帝王切開となるのが一般的のようです。
ですが、病院によっては、前回が帝王切開であっても経腟分娩を試みること(VBAC:Vaginal Birth After Caesarean)があると聞き、ネットで情報収集をしたり、近隣の病院へ問い合せをしたりと、出産方法を決めるまで夫婦で何度も話し合いました。
2度目の帝王切開は、他病院で手術をした経産婦を受け付けてくれない病院もあるので、病院探しには苦労しました。VBACでの出産となるとさらにハードルは上がり、ようやく見つけた病院は自宅から1時間以上も離れた場所にありました。
我が家の場合、2歳の娘を連れて毎回1時間以上離れた病院に通うのは現実的ではないこと、VBACでの出産のリスク、VBACを予定していても状況により緊急帝王切開に切り替わってしまう確率の高さなどを考慮し、結局リスクの少ない2度目の「予定帝王切開」を選択しました。
もうひとつ決め手となったのは、娘と病室で面会できる病院を選びたいということでした。第一子では里帰り出産をしましたが、今回は娘の生活リズムや夫と子どもの関わりなどを考え、里帰りをしないことにしたため、入院中に娘も入室できる近所の個人病院を選びました。さらに予定帝王切開は、出産日が確定できるので、夫が仕事の都合をつけやすく、核家族でサポートの手が少ない我が家にはベストの選択だと思ったのです。
予定帝王切開でも想定外は起こる!まさかの…
出産方法や病院も決まり、娘と慌ただしくも順調なマタニティライフを送っていましたが、生活が一変したのは妊娠29週目でした。上の子との生活で無理をしすぎたためか、ついに体が悲鳴を上げたのです。約3週間の絶対安静、さらに出産までの8週間は張り止め薬を飲み続けることとなってしまいました。
そんな妊娠期間もあと少し、「ようやく息子に会える!」と意気込んでいたときに新たなトラブルが起こりました。風邪をこじらせて咳喘息を発症。予定していた出産日は咳が酷く、手術は延期に!仕事の都合をつけていた夫も突然の変更に大慌てでした。
さらに悲劇は続き、咳も完治しないうちに私の血圧が急上昇!「妊娠高血圧症候群」を発症したのです。再設定した手術予定日も虚しく、診断と同時に大きな総合病院へ搬送となり、その日の午後に緊急帝王切開で、息子を出産しました。
緊急の場合、お腹の切開は縦にされることが多いようですが、1度目で横切開だった私の場合、2度目で縦だとお腹に十字に傷が残ってしまいます。幸いベテランの先生が担当になり、「十字は嫌だよね?」と確認を取ってくれたため、前回の横切開と同じ個所を開腹してもらうことができました。
帝王切開では、お腹に大きな傷が残ることがあります。第一子の出産後、初めて傷を見たときはショックを受けたのを覚えています。担当の医師が気を利かせてくれたことは、不幸中の幸いでした。
帝王切開の入院は長い! 総合病院は孤独との闘い
想定外が重なった2度目の帝王切開ですが、無事に元気な息子の産声を聞けて安堵したのを覚えています。しかし、1度目の帝王切開との大きな違いは、私が妊娠高血圧症候群を発症したこと。
また出産予定だった個人病院とは違い、搬送された総合病院は、娘の入室ができませんでした。ベッドから起き上がれない私は面会室にも行けず、夫と娘にも会えず、めまいと痛み、そして孤独と闘っていました。この時の産後数日間は、これまでの人生で最もつらい日々でした。
入院中の10日間、娘は初めてママと離れたとは思えないほど立派に、見たこともないほどお利口にパパの言うことを聞いていたそうです。その反動で、退院後にママへのわがままや甘えが大爆発したのは言うまでもありません。同様に、私も娘と離れた10日間のダメージは大きく、退院後は、娘優先で母子べったりと過ごしました。
帝王切開は入院期間が長いので病院選びも重要なポイントの1つだと思い、上の子のことを考慮して選びましたが、今回のように緊急帝王切開となり、病院を選べないケースもあるのだと学ぶこととなりました。
妊娠37週3日、体重2812g、身長52cmで元気に生まれた息子は現在3歳半になりました。今ではこの出産エピソードを笑い話にできるようになりましたが、当時は本当につらく苦しい時間を過ごしました。「経産婦だから大丈夫」、「2度目だから大丈夫」、「予定帝王切開だから安心」、そんな言葉をよく耳にしますが、「大丈夫」=「無理しても大丈夫」ではないと身をもって経験しました。もう少し自分自身を大切にしていたら、今回の壮絶な出産劇は回避できたのではないかと今でも思います。上の子のお世話に追われ、気が付かないうちに無理を重ねてしまう第二子の妊娠出産ですが、2人目の出産こそ体を大切にしなくてはと思いました。
[Tomomi*プロフィール]
20歳で日本を飛び出しオーストラリアで就職。現地で出会った夫を日本に連れ帰り、茶畑に囲まれたのどかな土地で一姫二太郎の育児に奮闘中!
休日は、夫と子どもたちと“旅行”“フェス”“アウトドア”を楽しみながら、語学力とホスピタリティー業界での経験を活かして、ホテリエとライターを兼業する36歳、在宅ママライター。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。