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スーパーの鮮魚コーナーで見かけた<ドジョウ>を飼育してみた 意外と丈夫で活発?

サカナト

ドジョウ(撮影:松本ミゾレ)

筆者は悩んでいました。

現在稼働している自宅の室内45センチ水槽には、体長10センチほどのドジョウ(名前はマサムネブレード)が1匹だけ暮らしています。この水槽にもうちょっと生体を足そうと思ったのですが、なかなかいい候補が見当たらず。まあ、マサムネブレードにしてみれば特に不自由はないし、のびのび暮らせるので別にいいか……と。

そう思っていたところ──10月の上旬になって事態が動きます。近所のスーパーへ閉店前に駆け込み入店を決めると、鮮魚コーナーに活きドジョウが1パックだけ残っていたのです。触ってみると、まだ動いています。

もちろん食用のドジョウなのですが、サイズはまだ小さく、体も細いものばかりでした。ドジョウは比較的酸欠に強い生き物ですが、このまま売れ残るとさすがに厳しいかな?と思い、ちょうど水槽にも余裕はあるし、自宅にはビオトープもどきもあるので購入することにしました。

鮮魚コーナーでたまに見かける生きた魚は、果たしてペットに向くのでしょうか。

鮮魚コーナーで見かける活きドジョウは<飼える?飼えない?>

結論から述べると、ドジョウは割と丈夫な生き物ということもあり、家に帰ってパッキングされた彼らをバケツに移動させると、物凄い勢いで動き始めました。

中にはちょっと体力が限界を迎えていた個体もいたのですが、30匹以上入っていたドジョウのうち、数日で星になったのは3匹。残りは元気そのものといった具合でした。

バケツを泳ぎ回る活きドジョウたちを見る飼い猫・くろべえ(撮影:松本ミゾレ)

購入時点では「20匹ぐらいかな?」と思っていたところ、想定より多いドジョウに面食らいましたが、我が家には縦90センチのトロ舟に、ヌマエビとタニシ、カワニナぐらいしか入っていない60センチ水槽。さらにメダカ鉢も2つ屋外にあるので問題なし。

前述の45センチ水槽に4匹。残りのドジョウも分配する形でそれぞれの容器に放流して今に至ります。

室内45センチ水槽はエサの時間になると、先住のドジョウが催促をするため、新入りたちもそれにつられる形で要求するようになりました。

屋外の個々の容器のドジョウは人馴れはしないものの人工飼料によく反応し、徐々に成長しています。

採集個体やペットショップで購入する個体と変わらない丈夫さ

今回のようなドジョウは食用ということで、割と長い時間をかけて絶食や泥抜きもしているだろうと思い、もう少し貧弱なのかと思いましたが、それは杞憂でした。ペットショップで販売される個体や屋外採集個体と変わらず、とても活発です。

30匹ほど入ったパックの価格は300円程度。これはペットショップでドジョウを購入するよりもかなりリーズナブルです。

仲間が増えても特に気にしない大物、マサムネブレード(撮影:松本ミゾレ)

ドジョウに限らず、鮮魚コーナーで売られている生き物の価格は、概ねどこもペットショップより安いことが多いです。たとえば唐揚げ用のサワガニなどはその代表例でしょう。

病気の個体がいる可能性に注意

余談ですが、以前汽水水槽をキープしていた頃は、鮮魚コーナーの殻付き牡蠣をよく購入していました。水質を浄化する効果があると言われますが、牡蠣を積み重ねるように入れておくと、生き物たちの良い隠れ家にもなるんですよね。

ドジョウのような丈夫な生き物なら、自宅での飼育も問題なさそうです。

ただ、可能性は低いのですが、もしかすると病気にかかっている個体が混ざっているかもしれません。ですので、購入後すぐに水槽に投入するのではなく、しばらく隔離して様子見をすると安心できますね。

活きドジョウの飼育は簡単&元気に成長

スーパーで売れ残りのドジョウを見かけるたび、その後を考えるとちょっと心配になっていました。かと言って、あまり味が好みではないドジョウを普段食べる機会がないので、積極的に購入するわけでもなく……。

でも、彼らはペットとして迎え入れてみると、愛嬌もあって生態も面白く、何より環境の変化にも強いという魅力を持っています。調理目的以外にも、鮮魚コーナーでドジョウを買うメリットはあるということですね。

屋外に設置したメダカ鉢に暮らすドジョウ(撮影:松本ミゾレ)

ところで以前、スーパーで買った活魚を、可哀想だからと野外の河川に放流したことがあるという方と話をしたことがあります。

本人としては良いことをしたつもりだったのでしょうが、これは環境にはよろしくありません。

野外への放流は厳禁

たとえ放流先の河川や湖、海に同じ種類の魚が生息していたとしても、それは地域ごとに微妙に異なる遺伝子を有した在来種。スーパーで売られている魚とは、十中八九その遺伝的な系統が異なります。

ドジョウにも色々います。オーソドックスなのはマドジョウですが、このマドジョウと縞模様が目立つ種のシマドジョウでは、名前も生態も若干異なる生き物です。

また、仮に傍目には同じマドジョウであっても、A地点のマドジョウと、B地点のマドジョウでは、やはり遺伝的な系統は100パーセント合致しません。

本来その地域にしかいない在来種は、遺伝的多様性を有する貴重な存在。なので、たとえ善意であっても放流をするのは厳禁ということになります。

一度生き物を購入したら、責任をもって持ち帰り、最後までお世話をする。これは犬や猫も、魚も虫も変わらない普遍的な心掛けですね。

(サカナトライター:松本ミゾレ)

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