あざみ野オレンジバル 参加者に笑顔で「大賞」報告 共生社会推進に貢献
認知症の人もそうでない人も一緒になって楽しめる飲み会「あざみ野オレンジバル」が昨年12月、NHKなどが主催する「認知症とともに生きるまち大賞」を受賞。その報告会が2月19日、そば居酒屋「そばくろ」で開かれた。
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認知症になっても安心して暮らせるまちづくりに取り組む団体を表彰する同大賞。今年は全国から20団体が応募し、5つの「まち」が大賞に選ばれた。
オレンジバルは、横浜市認知症疾患医療センター(横浜総合病院)の長田乾センター長が発起人。そばくろの店長で、あざみ野商店会協同組合の代表理事・黒沼勤さんが地元貢献の思いから会場を提供し、2019年に始まった。毎月第3水曜の夕方に開催。予約不要で、会費3000円を払えば誰でも参加できる。認知症の人や家族、医療・介護・福祉職などが毎回40人ほど参加しているが、自己紹介をしないので参加者同士は誰が認知症なのかわからないのが特徴だ。
長田さんは「誰もが気兼ねなく、一緒になってお酒やおしゃべりを楽しめる。その点が評価されたのだと思う」と話す。
県外にも広がり
報告会の当日は50人以上が参加し、店内は立つ隙間も無いほどの大盛況。長田さんと黒沼さんが賞状を掲げると拍手が湧いた。
参加者には、この取り組みに影響を受けて東京都の下北沢でオレンジバルを始めた人も。黒沼さんは「大賞に応募をしたのもこの活動をもっと知ってもらいたいという思いから。こんな居場所が全国に広がっていけば」と期待を寄せた。