「これぞカルマ」理容室に放火した男、服に引火して逃走(豪)
オーストラリア首都特別地域(ACT)の都市ガンガーリンで先月上旬、理容室が男2人組に放火された。犯人は逃走中で、そのうちの1人は服に火が燃え移ったまま店を飛び出しており、ACT警察は12日に監視カメラの映像を公開し、情報提供を呼びかけた。豪ニュースメディア『7NEWS』などが伝えた。
【動画】店内で火が上がり、慌てて逃げ出す放火犯。衝撃の瞬間はこちら
7月6日午後11時40分頃、理容室「ゴールド・ブレイド・バーバーズ(Gold Blade Barbers)」が放火される事件が発生した。
ACT警察が公開した動画では、バイク用の大きなヘルメットを被り、マスクをつけた2人の男が自転車でやって来るのが見て取れる。そのうちの1人が理容室のガラス戸をハンマーで叩き割り、大人が通れるほどの穴が開くと、もう1人の男が店内に侵入した。
男は手に赤い容器を持っており、鏡が並ぶ長いカウンターと床に引火性液体を注ぐように撒き、一度容器を投げ捨てている。その後、再び容器を手に取ると、注ぎ口から下がっていたボロ布にライターで火をつけた。
ところが着火した瞬間、大きな火柱が上がり床が炎に包まれてしまい、服に火が燃え移った男は容器を放り投げて逃げ出した。そしてガラス戸の穴から這うようにして脱出し、歩道に転がりながら火を消していた。
一方、店の外で待っていた男は、仲間が中で液体を撒いている間、ガラス戸を足で蹴って穴を大きくしていたようで、背後ではガラスが崩れ落ちる大きな音が響いていた。また、「急げ。レッツゴー、レッツゴー」と声をかけていたことも分かっており、火に包まれて穴から出てきた仲間を助け、一緒に自転車で逃げ去った。
幸いなことに、火災は大事に至らずに鎮火したそうで、ACTのマシュー・スプレーグ(Matthew Sprague)警部は8月12日、次のように述べた。
「放火犯が生きていたのは強運だった。理容室の真上には24時間営業のジムがあり、放火当時は人がいた。今回起きたことは危険極まりなく、もし火災が広がっていたら重傷者や死者が出ていた可能性もある。」
そして公開された動画には、次のようなコメントが寄せられた。
「犯人は自分の身体にかかった引火性液体に気付かなかったのだろうか?」
「ヘルメットが邪魔だったのでは?」
「彼は火をつける前に外に出るべきだった。」
「愚かな犯人だ。」
「これぞカルマだね。」
「きっとこの店の理容師が下手だったんだよ。それで根にもって放火した。だから犯人はヘルメットを被っているのさ。」
「店のオーナーが保険金欲しさに放火したのでは? 以前、そんな事件があったよ。」
「放火から6週間経過しているからね。犯人が捕まっていないということは、店のオーナーの犯行ではないだろうね。」
なお理容室のオーナーの男性は、今回の放火について「全く冗談のようだ」と述べ、事件から1週間後にはFacebookで「どんなことをされようと私たちは店を閉めることはしない。商売に全く影響は出ていないよ」と綴っていた。
当局は「この事件は特定の人物を標的にしたもの」と考えており、ビルの事業主らと考えられる動機について協議し、一刻も早い犯人逮捕を目指している。
ちなみに2022年には、バングラデシュの理容店でヘアドライヤーが火を吹いて爆発し、理容師と男性客が死亡していた。
画像は『New York Post 「Wild video shows arsonist set themself on fire trying to burn down barber shop」(ACT Policing)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)