ホイール塗装はタイヤをつけたままでOK|手軽に愛車をイメチェンしよう
「愛車の足元がなんだか冴えない」「ホイールを変えたいけど、高いし手間がかかりそう」そんなお悩みを抱える方におすすめなのが、タイヤをつけたままでできるホイール塗装です。ホイールは車全体の印象を左右する重要なパーツ。特に、鉄チン(シルバーのスチール)ホイールは無機質で味気なく、業務車っぽい印象を与えがちです。ところが、ホイールの色を変えるだけで車の雰囲気をガラッと変えられます。しかも、DIYなら5,000〜7,000円前後で実現可能です。この記事では、特別な工具不要・短時間でできるホイール塗装の手順とコツを、詳しく解説します。
タイヤはつけたまま!ホイール塗装で足元をスタイリッシュに
タイヤを外さずにホイールだけ塗装することで、作業工程を大幅に短縮でき、初心者でも気軽にチャレンジできます。
作業時間も1本あたり約1〜1.5時間、半日あれば塗装可能で、ホイール交換に比べてコストも労力も格段に抑えられるでしょう。
鉄チンは、見た目が地味で商用車の印象を与えがちですが、ブラックやガンメタに塗装するだけで一気に引き締まった印象に仕上がります。
塗装によって「個性」や「スポーティさ」を加えられ、愛車の存在感が高まります。
ぜひ、あなたの愛車も足元からおしゃれにイメチェンしませんか。
用意するものリスト|特別な工具は一切不要!
必要な道具はすべて市販で手軽に入手可能です。
以下に準備リストをまとめました。
中性洗剤(台所用でOK)スポンジ、古い歯ブラシマイクロファイバータオルまたは雑巾シリコンオフまたはパーツクリーナーサンドペーパーマスキングテープ新聞紙・ビニール袋・大きめのゴミ袋(養生用)トランプや厚紙(タイヤとホイールの間に差し込む)プライマーまたはミッチャクロン(下地塗装用スプレー)ラッカーまたはラバースプレー(本塗装用)ワイヤーブラシ、シール剥がしスプレー(必要に応じて)ゴム手袋、マスク、保護メガネ段ボールやブルーシート
※スプレー塗装する場合は、屋外か換気扇のあるガレージで作業しましょう。
実践!タイヤをつけたままDIY塗装の詳しいステップ
さっそくホイール塗装のやり方に移ります。
1〜4のステップ方式で解説するため、ぜひ記事を見ながら実践してみてください。
ステップ①洗浄と脱脂で下地を整える
ホイール表面の汚れや油分をしっかり落とすことがホイール塗装の基本です。
以下の手順で徹底的に洗浄・脱脂をしましょう。
ホイールに付着した泥・ブレーキダストを水で洗い流す中性洗剤をスポンジにふくませ、ホイール全体をゴシゴシと洗う溝やナット周辺など細かい部分は歯ブラシでこする水で洗剤を流し、乾いたタオルで完全に水気を拭き取るパーツクリーナーまたはシリコンオフを全体に吹き付け、油分を除去する表面が乾いたら紙やすりで軽くこする粉を水で流し、再度拭いて完全乾燥させる
この工程で汚れや油膜を取り除いておけば、塗料の密着性が大幅にアップし、耐久性にも差が出ます。
ステップ②マスキングで失敗防止
マスキングは塗装の成功を左右する超重要工程です。
タイヤやボディに塗料が付かないよう、以下のように養生します。
ホイールとタイヤの間にトランプや厚紙を差し込むタイヤ全体はゴミ袋や新聞紙で覆い、マスキングテープで固定するエアバルブ、ナット穴、ブレーキディスクも新聞紙とテープでカバーする車体のフェンダー周辺にも新聞紙やビニールを貼り、養生する
ここで手抜きをすると、仕上がりの美しさに大きく差がでます。
面倒でも、丁寧なマスキングが失敗の防止につながるでしょう。
ステップ③下塗りで塗料の密着性を高める
下塗り材には「ミッチャクロン」や「プラサフ」などを使用します。
スプレー缶をよく振り、しっかり混ぜる(1分以上)ホイール全体に15〜20cm離して軽くスプレー一度に塗りすぎず、うっすら乗せる感覚で1〜2回20~30分程度乾燥させる
この工程を省略すると塗装がはがれやすくなり、色ムラができやすくなります。
※ミッチャクロンとは
塗装がつきにくい素材(プラスチック、ガラス、金属、メッキなど)に対して、塗料の密着力を高めるための下塗り剤(プライマー)です。
※プラサフとは
プライマーサフェイサーの略語で、プライマー(下塗り)サフェイサー(中塗り)の両方の機能を持ったものです。
ステップ④本塗りは「薄く・重ねて」がコツ
本塗りは焦らず、少しずつ塗り重ねると失敗の可能性が低くなります。
スプレーをしっかり振るホイールから15〜20cmほど離して、一吹きさせる5〜10分乾燥させ再度薄く塗布する5〜6回繰り返して色を定着させる
塗る方向を毎回変えて(縦・横・斜め)、凹凸部分にも均等に塗料が届くようにしましょう。
仕上げに1時間以上乾燥させ、塗膜が完全に乾いたのをチェックしてマスキングを剥がしてください。
ホイール塗装の耐久性と費用目安
実際にDIYでホイール塗装した際の耐久性と、費用の目安を紹介します。
材料費目安(1台分・4本)
ラッカースプレー
600〜1,500円程度下塗り材(ミッチャクロンやプラサフ)
1,000~2,000円程度脱脂剤・マスキング用品など
1,000円以内ホイルクリーナー(中性洗剤でも可)
1,000~3,000円程度手袋・マスク
500円前後
すべて買いそろえても5,000〜7,000円前後でそろいます。
業者に依頼すると、1本15,000円程度が相場です。
4本だと60,000円程度かかるため、いかにDIYがお得かがわかりますね。
耐久性の目安
丁寧な下地処理と塗り重ねができていれば、2〜3年はキレイな状態を維持できるでしょう。
ラバースプレーの場合は1〜2年程度が目安です。
ただし、塗装表面に小石が当たると部分的に剥がれることもあるため、定期的なメンテナンスを心がけましょう。
タイヤをつけたままホイール塗装をする場合、いくつかの注意点があります。ホイールとタイヤの脱着を省ける反面、塗装ミスやタイヤへのダメージのリスクがあるため、以下のポイントをしっかり押さえて作業してください。
タイヤをつけたままホイール塗装をする際の注意点
タイヤに塗料がつかないよう、しっかりとマスキングをする
もっとも重要なのは、タイヤ部分への塗料の付着を防ぐことです。ホイールとタイヤの境目には、幅広のマスキングテープや新聞紙、ビニールなどを使って丁寧にマスキングを行いましょう。特にビード部分(ホイールとタイヤの接合部)は、細かくて塗料が入り込みやすいため注意が必要です。
このとき、タイヤの空気を少し抜いて柔らかくしておくと、マスキングがしやすくなります。タイヤが少しへこむことで、リムの際までしっかり保護できるようになります。
塗装前にホイールの汚れや油分を完全に落とす
塗装するホイールが汚れていると、塗料の密着が悪くなり、数日で剥がれてしまうこともあります。必ず事前に中性洗剤や専用のシリコンオフなどを使って、ホイール全体をしっかり脱脂・清掃してください。特にタイヤワックスやブレーキダストの油分は厄介なので、念入りに落とす必要があります。
足付け(表面処理)をして塗料の定着をよくする
塗装前には、サンドペーパー(#600〜800番)でホイール表面を軽く研磨する「足付け」が必要です。表面に細かな傷をつけることで塗料が密着しやすくなり、仕上がりも格段に良くなります。とくにツヤのあるホイールにはこの工程が重要です。
車体やブレーキ周辺をしっかり養生する
スプレー塗装は思った以上に塗料が飛散します。ホイール周辺のフェンダーやブレーキローター、ナットホールの奥などに塗料が入り込まないよう、新聞紙やビニールシート、段ボールなどでしっかり養生してから作業を行いましょう。
塗装は薄く数回に分けて重ね塗りする
塗料は一度に厚く吹き付けず、薄く均一に数回に分けて重ね塗りしていくのが鉄則です。だいたい3〜5回を目安に、10〜15分ほど間隔をあけながら塗り重ねていきましょう。焦って厚塗りすると、垂れやムラの原因になります。
天気も重要です。外気温15〜25℃、湿度60%以下のコンディションが理想的です。特に湿度が高い日は「白化(白っぽくなる現象)」が起こることもあるため、避けた方が無難です。
クリア仕上げとマスキングのタイミングにも注意
最後にクリア塗装を行うと、ツヤと耐久性がアップします。塗装が完了したら、完全に乾く前にマスキングテープを剥がすと、塗料が割れたり剥がれたりするリスクを減らすことができます。完全硬化後に剥がすと、塗膜が一緒に持ち上がってしまう場合があるため注意しましょう。
まとめ
タイヤをつけたまま実施できるホイール塗装は、費用をかけずに愛車の印象を大きく変える手軽な方法です。
工具不要、5,000~7,000円前後の材料費初心者でも失敗の可能性が低い簡単な工程塗り直しや補修も自分で可能
「ホイールの交換は高すぎる……」と感じている方や「人と違うカスタムをしたい」という方にもぴったりなカスタマイズ方法です。
この記事を参考に、ぜひあなただけの特別なホイールを塗装してみてください。
手間暇かけたDIYで、今よりもっとクルマに愛着がわきますよ。