ガネーシャの「象の頭」の理由とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々】
象の頭にすげ替えられたガネーシャ
太ったお腹に象の頭をした独特な姿の神はシヴァの息子
知恵と学問を司る神、富と繁栄を司る神、そして、障害を取り除き成功をもたらす神、というように多面的な性格を持つ神が、象の頭をしたガネーシャです。
では、なぜ像の頭をしているのでしょうか。それは父シヴァの仕業なのです。シヴァが勘違いをして息子の頭を切断。よみがえらせようとしたシヴァは、最初に出会った生き物を首につけろ、と部下に命令します。果たして、象が通り、シヴァは象の頭を息子の頭にすげ替えました(諸説あり)。
障害を除去するという性格が一番古い信仰と考えられています。ガネーシャの別名ヴィグネーシュヴァラの意味は、「ヴィグラ=障害」の「イーシュヴァラ=神」。
いまもインドでは、旅行をするときにガネーシャに無事を祈り、新ビジネスを興す際にも、まずガネーシャから祀ります。
一大叙事詩マハーバーラタを口述筆記したのがガネーシャとされることから、知恵と学間の神と見なされています。
そして、事業・商業を見守る富と繁栄の神でもあることから、インドでは入口にガネーシャ像を祀る商店が多くみられます。乗り物は意外なことにネズミ。人々を悩ませた魔人のネズミを退治し、家来にしました。
※マハーバーラタ:ラーマーヤナと並んでインド二大叙事詩に数えられる、ヒンドゥー教の聖典のひとつ。2王族の争いをベースに、神話、宗教哲学道徳、法などが語られている。
ユーモラスな姿の神様ガネーシャ
象の頭をした神様。誤って父シヴァが頭を切り落としたため、最初に出会った象の頭にすげ替えられた。富の神様らしく、ぽってりとした太鼓腹の大食漢。大好物の菓子モーダカ(団子)を手に持っている。仏教では聖天(歓喜天)で、男女2体が抱き合った姿で表現されることが多い。そのため、日本では縁結び・子授けの神になった。
弟は軍神スカンダ
シヴァとパールヴァティの息子とされる戦の神。6つの顔を持ち、クジャクを従えた図像で描かれる。仏教では韋駄天に。
日本では歓喜天に
ガネーシャは日本に伝わり、聖天、歓喜天と呼ばれる(正式名は大聖歓喜天)。奈良・生駒山の宝山寺や東京・浅草の待乳山聖天が有名。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々』監修:鈴木悠介