<介護でボロボロ……>軽度の認知症で暴言多い義父。介護と息子の送迎。誰も助けてくれない【まんが】
私は45歳の専業主婦。小学5年生の息子・ユウマがいます。義母は亡くなっており、義父(80歳)は一人暮らしでした。高齢者の一人暮らしが心配で、私たち家族は2年前から義実家で義父と同居しています。義父は足が不自由で、さらに軽度の認知症。家族の見守りがあれば自宅で生活ができているのですが……。
最近デイサービスへの行き渋りが凄まじくなってきて、毎回送り出す際に私に暴言を吐くのです。最低でも30分は私を怒鳴りつけ、ひどいときには小突かれもします。
私も夫もできるだけ早く介護施設を見つけて、義父を入居させたいと思っています。けれども空きがなく順番待ちです。たまに空いている施設が見つかっても高額すぎてわが家ではとても払えず……。とりあえず現状は在宅介護しかなく、私がひたすら頑張るしかなさそうです。
この子は、まだまだこれから未来がある。そんな息子に「夢を諦めて」なんて言えない……。私が力を振り絞り、介護とミニバスの送迎・当番を両立させるしかありません。 (やるしかない、息子のために……!) 私は身体の奥底にぐっと力を込め、覚悟を決めたのでした。
「嫁の仕事に男手を使うな!」義父の言葉に絶望。夫も守ってくれない……
ことの重大さがいまいちわかっていない夫に若干モヤっとしたものの、手伝ってもらえるのはありがたい。さっそくその日の夜から、義父の着替えの手伝いをお願いしました。しかし……。
義父はすっかり激昂してしまい、なだめるまでに時間がかかりました。 (私がひとりでやらなきゃいけないんだ……) 義父の態度や言動に、私はすっかり絶望してしまい言葉も出ませんでした。義父を何とかなだめた後、リビングに戻ると、夫が私に平謝りしてきました。でもそれ以上夫は何も行動してくれない。私を守ってくれない。
(もう、嫌だ……どこかへ逃げたい……) こんなとき実家がある人なら、一時的に帰るのでしょう。でも私はもう両親を亡くしています。ちょっと避難して心と体を休める実家がありません。心配してくれる父や母もいません。 (もしお父さんやお母さんが生きていて、私が義父にこんな扱いを受けているなんて知ったら「いつでも実家に帰っておいで」って言ってくれただろうな……)今となっては、もう誰も私を守ってくれません。つらくて、寂しくて……涙が出ました。そんなある日……。
ミニバスにお休みの連絡入れなくちゃと思い立ち上がり、スマホを手に取ろうとすると……。 「あ……れっ……?」 視界がぐにゃりと曲がり、意識が遠のき、そのまま真っ暗な世界に包まれ、何もわからなくなりました。遠のく意識の中で、息子の声が聞こえたような気がしました。
「入院していれば介護しなくていい」限界の私にようやく気付いた夫……
気が付くと、病室のベッドにいました。 ベッドサイドには夫とユウマが座っていて、目覚めた私を見て安堵の表情を浮かべます。
そう言ってもらって嬉しかった……というよりは、ようやく気付いたのか、という気持ちでした。だけど夫がきっぱりと言ってくれたおかげで、私はほっとして身体中の力が抜けました。側で聞いていた息子は何も言いませんでしたが、とても真剣な表情をしていました。それから夫は、私の入院中にケアマネジャーさんに連絡し、あらためて今後について話し合ってくれました。
今思えば、一人で限界まで介護を背負い込んでしまったのがいけなかったのです。もっと早い段階で、とにかく周囲のいろいろな人に「もう限界です」「これ以上はむりです」とがむしゃらにSOSを出していればよかった。それを「辛抱して現状に耐えるのが美徳」だと思い込み、限界ぎりぎりまで我慢してしまったのです。
介護は心身共にとても負担が大きく、下手すれば介護する側も共倒れしてしまいます。義父だけでなく、いずれ私が夫を介護する日が来るかもしれません。また、私が夫に介護される可能性もあります。そのときはお互い限界を超えてまで我慢しないようにしよう、早い段階で周囲に助けを求めながら介護を進めていこう、と今からしっかり話し合おうと思います。