麺を通して地元と出合おう!地域の魅力がギュッと詰まった「こだわりの麺」【船橋市・千葉市】
地産地消を目指し、地元に根差した2種類の麺を紹介。
たかが麺、されど麺。一杯に込められたストーリーを追ってみました。
地域貢献へつながる「船橋野菜パスタ」
コロナ禍に考えたSDGsの価値
緑とオレンジの2種類のもちもち生パスタの中に練り込まれているのは、小松菜パウダーと人参パウダー。
小松菜の香りと人参の甘みが引き立ち、ミートソースとよく合うやみつきになるおいしさです。
これを開発したのはパスタ・デ・スマイルのオーナー富樫さん。
コロナ禍で飲食業界がダメージを受けていた頃、「ローカル・コミュニテイー・カルチャー・SDGs」という新しい付加価値を付け、地元船橋の野菜でパスタを作ろうと思い立ったそうです。
規格外の野菜を使いスピード開発
そして思いついたら即行動!
西船橋で規格外の小松菜を生かした小松菜パウダーを作っているひらの農園を訪れます。
富樫さんはパウダーを使って製麺の研究を繰り返し、製粉会社や以前の勤務先の知り合いなどに掛け合い、企画からわずか2、3カ月でオリジナル麺を開発。
市内で規格外の人参を使った人参パウダーを作る勇之焏(ゆうのじょう)農園にも声をかけ人参パスタも開発しました。
鮮やかな緑とオレンジのパスタは食べることで地産地消やフードロス削減につながります。
船橋で生まれた、生産者から消費者まで一貫してつながっている新しい価値観のパスタ。
船橋市ふるさと納税返礼品にも採用、千葉県優良県産品にも認定されています。
パスタ・デ・スマイル
住所/千葉県船橋市本町7-1-1 船橋東武百貨店B1F
営業時間/午前10時半~午後8時(日曜のみ~午後7時)
問い合わせ/047-455-8640
千葉で取れる「まぼろしのそば」
在来品種であることを突き止め
そばの産地といえば北海道や長野県が思い浮かびますが、実は千葉県でも栽培が行われています。
こしが強く、歯応えがあるのにのどごしが良い千葉在来そばは知る人ぞ知る「まぼろしのそば」。
しかも色、味、香りどれをとっても他のそばと比較できないおいしさです。
その始まりは明治時代、千葉市若葉区で土屋徳多郎さんの祖父が埼玉県越谷から種を持ち込んだこと。
以来百数十年にわたって同地で栽培。
千葉県農業研究員の長谷川理成(りせい)さんが偶然その話を聞き、地域の風土や気候などに適応した固有の在来品種になっていることを突き止めました。
そば祭りも開催世の中に広めたい
この貴重な品種を保存し、原種育成を行おうと活動しているのが千葉在来普及協議会です。
毎年新そばが出そろう12月上旬には「千葉在来そば祭り」を開催。
その時に販売するそば粉は希望者が多いそうです。
事務局の栢沼(かやぬま)さんはこの千葉在来そばを使い、そば打ち教室を千葉市内で月6回行っています。
生産者が少なく貴重なため、夏が過ぎると千葉在来そば粉は無くなってしまい、他のそば粉に切り替えることもあるとか。
千葉市で唯一在来そばを出している飲食店「泰庵(やすあん)」のオーナー持木(もちき)さんは「初めて打った時、あまりにいいそばで手が震えた」そう。
そして「自分も世の中に広める手伝いをしたい」と話してくれました。
千葉の風土が培ったまぼろしのそば。一見の価値、ならぬ一食の価値ありです。
千葉在来普及協議会
電話番号/090-2210-1269 栢沼
ホームページ/https://daiwa243.jimdofree.com
千葉在来そばを扱う店 泰庵
住所/千葉市稲毛区作草部1-9-14
電話番号/043-256-2828