「ペットは一緒に避難を」というものの避難所にペット用品はなし…飼い主が動物の命を守るためにできること
災害時に、大切なペットを守る準備はできていますか?
愛くるしい表情でこちらを見つめる、ワンちゃんにネコちゃん。
日本では、いまやペットの数は、子どもの数よりも多いとされています。
家族の一員として暮らすペットだからこそ、気になるのが、災害のときの避難。
環境が変わると、動物のストレスも心配です。
いつか起きる災害に向けて、飼い主たちが備えておくことは?
Sitakkeでは、【特集】秋冬の”じぶんごと”防災で、北海道で暮らす私たちの、こころと身体を守るための「防災の知恵」 を考えていきます。
今回は、ペットとの避難について深掘りします。
「ペットがいるから避難所に行かない」
元日に発生した能登半島地震。
避難生活が長期化するなかで課題になったのが、ペットを連れての避難です。
環境省が定めているガイドラインでは、飼い主がペットと一緒に避難する「同行避難」が原則とされています。
しかし…
HBCの記者が訪れた、納屋の焼け跡。
ここから、住人とみられる65歳の男性の遺体が見つかりました。
近くの住人によりますと、男性は「ペットがいるから避難所に行かない」と話していたそうです。
実は、ペットと「同行避難」をして避難所で一緒に過ごせるかどうかは各自治体に任されているのが現状。
ニャン友ねっとわーく北海道の勝田珠美代表によると、実際に同行避難ができる自治体は「全国でもほとんどないに等しい」のだといいます。
札幌市でも、避難所でのペットの受け入れは可能ですが、飼い主とは別のスペースで過ごすことになります。## ケージに入る訓練を
万が一に備えて、飼い主が事前に準備しておくことを勝田代表に聞くと…。
「犬であれば、クレート(箱型ハウス)にふだんから入る訓練をする」ことだといいます。
自分の固有のスペースと、犬が認識できるようにしておくことで、被災したときにストレスが軽減されることにつながります。
複数の動物が集まる避難所では、ケージで過ごすことが増えるため、日ごろからケージに慣れさせて置くことが必要だということです。
こちらのホームセンターでも、能登半島の地震を受けて、売り場に変化がありました。
ペット用品売場に設けられた期間限定の防災コーナーには、賞味期限の長いペットフードや、ニオイの問題を防ぐための消臭剤などが置かれていました。
避難所には、ペット用の備蓄品はないため、飼い主自身で用意する必要があります。
ジョイフルエーケー大曲店の田中啓さんは、「特に犬・猫の用品は散らばって保管されることが多いと思うが、人間の防災用品同様に、いざというときにすぐに持ち出せるように固めて保管をしておいてほしい」と呼びかけています。
自分の飼っているペットの命は自分が守らなければいけない。
いつ来るかわからない災害の、その前に。
今考えておくことが大切です。
同行避難推奨も、ペット用品はなし
札幌市では、ペットを連れての「同行避難」を推奨していますが、避難所にペット用品はありません。
そのため、飼い主はペット用の防災バッグを用意するなどの対策が必要になります。
NPO法人・ニャン友ねっとわーく北海道の勝田珠美代表によりますと、最低でも4日分の備えが必要となるとのことです。
食料や水、首輪などをまとめて準備しておくことが必要で、さらに「防災手帳」を用意することも重要だそうです。
防災手帳とは、ペットの写真、名前や性別、ワクチンや予防注射の接種記録など、ペットの情報を記載したものです。
これらの情報は、災害発生時に獣医師やボランティア団体にペットを預ける際、管理がしやすくなるそうです。
札幌市でも発行していて、日頃からできる備えや、被災した時の行動や支援体制などについて書かれています。
自分の命と、大切なペットの命を守るために、災害時にどう行動するかをふだんから考え、入念な備えをしておくことが重要です。
【特集】秋冬の”じぶんごと”防災
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年3月4日)の情報に基づきます。