「すごくやりたくない」103万円の壁見直し自公の動きを経済の専門家が解説
11月29日(金) 寺島尚正アナウンサーがパーソナリティーを務めるラジオ番組『おはよう寺ちゃん』(文化放送・月曜日~金曜日 午前5時00分~9時00分)が放送。金曜コメンテーターでMCPアセット・マネジメント チーフストラテジストの嶋津洋樹さんと、103万円の壁見直しについて意見を交わした。
寺島アナ「年収103万円の壁の見直しをめぐり、衆議院で過半数割れしている与党は国民民主党との合意に沿って引き上げる方針です。自民、公明、国民民主の3党の税制調査会長らはきのう、103万円の壁の見直しなどを議論する2回目の協議を開きました。国民民主党は、所得税の課税最低限103万円を178万円に引き上げるよう求めています。自民党、公明党は引き上げの目的や上げ幅の参考にする経済指標、財源をどう確保するかといった論点をまとめた資料を示し、国民民主側の考えをただしました。自民党税制調査会の後藤茂之氏は協議後、引き上げの財源については「経済効果による税収は恒久財源ではないと指摘した」と話しました。年収103万円の壁の見直しをめぐる協議ですが、これはどういうふうに嶋津さんはご覧になってますか」
嶋津「すごくやりたくないんだとしか伝わってこない。どうやるのか真剣に考えているというより、どうやって辞めさせてやろうかという意識ばかりが目立つ。そういうことに真剣になってほしくないと感じます」
寺島「自民党の後藤茂之税制調査会長はきのうテレビのニュースに映っていて「経済効果による税収は恒久財源ではないと指摘しました~」ってニコニコしてたんですけど、ニコニコするシーンじゃないと思うんですけどね」
嶋津「最低賃金を大幅に引き上げると言ってるわけだし、インフレになってるから、いつまでも同じ金額を壁にしておくのって違いますよね。当然、その壁をずらして行かなきゃいけないじゃないですか。本当にやる気がないというか、やらないことを一生懸命考えてるっていう印象です」
寺島「103万円の壁の引き上げに関する経済効果による税収は恒久財源ではないという指摘なんですが、これは嶋津さんどう受け止めますか」
嶋津「まず財源が必要ですか? という話です。インフレが起こっているから、それに伴って調整しましょうと言う時は、普通に考えれば財源が必要ないわけです。なのに、なぜかこの話だけ財源なんて言い始める。もっと言えば、減税でやるということで言えば、財源は必要ないですよね。減税するためにどこかからまた増税するんですか? ということになりますよね。だからどういうつもりで言っているのか。本当にやらないつもりで言っているとしか私には思えません」
<出典>
103万円の壁見直し、自公が国民に論点を提示…引き上げ目的や財源など : 読売新聞