【使えてる?ChatGPT】上手に使いこなす5つのポイントを専門家に教えてもらいました!
ChatGPTの最新モデル「GPT-4o」は処理能力が向上
米オープンAI社は5月、質問を入力するとAI(対話型人工知能)が答えてくれるChatGPT(チャットGPT)の最新モデル「GPT-4o」を発表しました。処理能力が上がり、幅広い活用が期待されます。
今回は「チャットGPTを効果的に使う質問文の作り方」について、All Aboutの「インターネットサービス」ガイド 、ばんかさんにSBSアナウンサー近江由佳が話を聞きました。
何をしてほしいのか、指示文は具体的に
近江:私もチャットGPTを使っていますが、質問をしてもイマイチ求めていた回答が得られないことがあります。どうしてそうなってしまうんですか?
ばんか:チャットGPTは「プロンプト」と呼ばれる質問文や指示文に対して返事をしてくれるサービスです。相手に対する前提条件や背景などの情報を持っていないために、どうしてもコミュニケーションのズレが生じることはよくあります。
チャットGPTは真っ白いキャンバスのようなものです。人間のように相手の状況に応じて空気を読むという感覚を持っていないので、こちらから1つ1つ状況を設定し、そこに至った経緯や背景、状況説明をして、ロールプレイを促す必要があります。
なので、何をしてほしいのか具体的なアクションを明確に示してあげる必要があります。
ココを押さえれば便利さアップ!5つのポイント
近江:上手に使いこなすポイントはありますか。
ばんか:大きく分けて5つあります。「チャットGPTに担ってもらいたい役割を示す」「具体的なゴールやアクションを明示する」「状況やステータス、背景を設定する」「制約や条件、ルールを設定する」「会話を何度も続ける」の5つです。
例えば、チャットGPTに夕食の献立を考えてほしい場合、単純に「夕飯の献立を考えてください」と言っても、思った通りの欲しい回答は返ってきません。
近江:なるほど。これはやりがちですね!
ばんか:冷蔵庫の中にどんなものがあって、これとこれを使ってほしいというルールや制約を加えたり、あるいは「三ツ星レストランのシェフにお願いするのか、主婦にお願いするのか」など、漠然とした依頼ではなく、より具体的に道筋やロール(役割)をきちんと示すことが大切です。
家族構成や使える食材などさまざまな条件を設定するからこそ、クリエイティブに発想していけるのがチャットGPTの基本です。
まずは担ってもらいたい役割を示す
近江:では、5つのポイントを深掘りしていきます。まずは「チャットGPTに担ってもらいたい役割」について教えてください。
ばんか:これは具体的であることが大事です。例えば記事のアイデアが欲しい時は、僕は執筆業をしているので、「あなたはプロのメディアライターです」と設定します。
夕食の献立を考えてほしい時は、レストランのシェフに設定するのか、街の定食屋のおばちゃんなのか、役割を設定してあげると出てくるアウトプット、引き出せる内容が変わります。まず「あなたは○○ですよ」とこちらから示すことが大事なんです。
近江:人間関係を築く時と同じですね。
回答数、回答法、道筋など具体的に
近江:2つ目のポイントは「具体的なゴールやアクションの明示」です。
ばんか:命令口調で「これをしてほしい」と伝えて、具体的な行動に落とし込んであげる。夕食の献立全部を作ってほしいのか、何か一品添えてほしいのか、きちんと説明してあげる必要があります。
近江:なるほど。
ばんか:回答方法を指示することも大事です。「箇条書きで示してください」とか、「レシピを10個考えてください」とか、「作り方は後で聞くので、まずアイデアを30個出してください」といった具合いです。
近江:3つ目のポイントは「状況やステータス、背景を設定する」です。カレーライスを作るとしても、家族みんなで食べるものなのか、ちょっと偉い人が来るので高級な食材を使ってほしいのか、依頼の仕方で回答が変わってきますね。
ばんか:カレーの作り方で言えば、あらゆるスパイスが手元にあることを前提とした回答は困りますよね。自分の状況をまず設定してあげて、達成可能なゴールへの道筋を示す必要があります。
冷蔵庫にタマネギ、ニンジン、ジャガイモ、ナスなどがあるけれど全部使われると困るので3つを使ってアレンジを加えてとか、賞味期限が近い食材から使ってとか、何かしら指し示すのもありだと思います。
近江:10分で作れるカレーをとか、時間をかけてじっくり作るものをとか、そういう指示もありですか?
ばんか:そうですね。チャットGPTがアウトプットしたものを修正させるような制約を付け加えていくのもいいと思います。
近江:4つ目の「制約、条件やルールの設定」もポイントですね。
ばんか:そうです。可能性は無限大なので、ある程度の制約や条件、ルールを設定しこちらから道筋を示すのがすごく大事です。だからこそ求める回答が得られやすくなります。
どこまでOKで何がNGなのかを示してあげると、うまく誘導できます。
会話を重ねることで自分流にカスタマイズ
近江:最後に5つ目のポイントは「会話を何度も続ける」です。私もチャットGPTを使っていて、すごく大事だなと思いました。どんどん理解してくれている感じがしますよね。
ばんか:今までのインターネット検索とチャットGPTが違うところは、会話を重ねることで情報を蓄積し、それに応じた回答を作り上げてくれるところです。人との会話を楽しんで、会話を膨らませていくイメージで使いこなせると、使っていて楽しいなと思ってもらえるでしょう。
自分の希望と違う回答でもあきらめるのではなく、「こうして欲しかったんだよ」とか「こういう答えを期待していた」と素直に投げかけると、次は違う形で返してくれます。このような会話のキャッチボールは、人間同士がコミュニケーションを取ってすり合わせていくような感覚を得られると思います。
Google検索よりチャットGPTが便利に
近江:ばんかさんがチャットGPTを使う場合、どういう質問をしていますか?
ばんか:最近はGoogle検索よりチャットGPTに聞くケースが増えています。というのは、今の自分の状況に合わせて回答してくれるんです。この前、トイレ汚れの掃除の仕方が分からなかったので、トイレの素材や持っている洗剤を挙げた上で「どうやって掃除をしたら1番いいですか」と聞いてみました。
自分の状況を伝えてから質問したので、それに応じた回答をもらえました。Google検索などで10個出てきた結果を上から順に探すより効率がよく早くていいですよ。
近江:いろいろな場面でチャットGPTが使えそうですね。すごく勉強になりました。
※2024年6月13日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。今回お話をうかがったのは……ばんか さん
企業のマーケティング担当・Web担当として会社員を務めつつ、個人でブログ/メディアライターとして活動するパラレルワーカー。All AboutやYahoo!ニュースを中心に、iPhone・iPad・Mac・ITツールを用いて人々の生活をより豊かにするための活用術を提供しています。