防衛省、相次ぐ不祥事に青木氏「自衛隊という組織の中で、相当腐敗が進んでるんじゃないか」
7月12日(金)、大竹まことがパーソナリティを務めるラジオ番組「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜~金曜13時~15時30分)が放送。「基地の町何を思う防衛省自衛隊今日大量処分」「沖縄米兵の性的暴行、県への連絡ルートが一切機能せず 日米の情報共有にも不備あったのに…改善しぶる政府」という東京新聞の記事を取り上げ、パーソナリティの大竹まこととジャーナリストの青木理がコメントした。
国の安全保障に関わる特定機密の情報や、潜水手当ての受給などをめぐり、違反や不正があったとして事務次官や自衛隊制服組トップを含む、あわせて218人を12日処分した。200人以上が一斉に処分されるのは極めて異例の事態で、最も多くの違反があった海上自衛隊ではトップの海上幕僚長が今月19日付で退職することになった。事実上の更迭とみられる。
参考:防衛省不祥事、12日に大量処分 特定秘密、手当不正受給などで
在沖縄米兵による性的暴行事件が沖縄県に伝えられていなかった問題で、日本政府内の通報経路だけでなく、日米間の情報共有にも不備があったことが判明した。沖縄では1995年に米兵の少女暴行事件で県民の怒りが爆発し、日米両政府は97年に事件・事故の速やかな通報で合意していたが、守られていなかった。日本政府は通報態勢を見直す方針を示すが、運用には曖昧な部分が残り、実効性に疑問符が付く。
沖縄米兵の性的暴行、県への連絡ルートが一切機能せず 日米の情報共有にも不備あったのに…改善しぶる政府
大竹「林さんはこれに答えて「通報経路の実効性の確保に努める」というコメントを出していますけども、問題はいろいろあって、1つは特定秘密。これを巡って資格のない人にも特定秘密が漏れていた。それと潜水の方は潜水手当。この潜水手当は実際に潜水してないのか、潜水したことにして手当てを不正に取っていた。沖縄では沖縄県警まで16歳未満の女性に対する性的暴行を加えたとされる事件で沖縄県警はわかってたんですが、沖縄の県の方にはこの話が行ってなかった。防衛省も知らなかった。外務省は知っていた。よく知ってたのがアメリカ。こういう話になってて、ちょっとこの全部を含めて、お金の問題も特定秘密の問題も、日米地位協定の問題も、全部あります」
青木理「色んな問題があるので、個個別々に見ていかなくちゃいけないところあるんですけれども、特定秘密の杜撰管理ってことに関していうと、そもそも特定秘密保護法が世の中のものすごい反発があって、それを押し切って特定秘密保護法入れたわけですよね。特に防衛関連、防衛省、自衛隊関連では秘密にしておかないと漏れたら困る情報があるから特定秘密保護法を入れて、かつ特定秘密を扱える人はセキュリティクリアンスというか、資格を精査をして、精査の仕方が正しいか正しくないか別として、取り扱える人を限定したはずなんです。ところが、資格のない連中がうじゃうじゃと特定秘密に触っていたってことになってくると、答えは2つしかなくて。1つはそもそも特定秘密なんかで隠すような情報じゃないものまで特定秘密にしてるんじゃないの?というのが1つ。もう1つは本当は特定秘密に値するような秘密であるにもかかわらず、資格を持たないようなやつに触らせた防衛省とかの態度、あるいは資格をちゃんとチェックするような体制が取れていなかったということが考えられる。これが2つ目です。いずれにしても特定秘密保護法を無理やり作った結果がこのずさん運用ってことになってくると、そもそも本当に秘密なのかということも我々がチェックしなくちゃいけないし、特定秘密保護法が正しかったのかということも考えなくちゃいけない」
壇蜜「特定秘密の定義については、我々は知ることってできないんですか?」
青木「できないんです。それは最大の問題で、秘密が何かも秘密なんですよね。当時から言われてたのは、秘密だって言いながら政府に都合の悪い情報を隠したりとかに使われるんじゃないのかとも言われてたわけですよ。だから、今回の事案について何が秘密か秘密じゃないか明らかにしろといっても多分明らかにはされないんですよ。なぜなら特定秘密だから。そんなことを自衛隊や防衛省や行政やなんかに許していいのかということも考えなくちゃいけないし、もう一個だけ言えば、この間の川崎重工から裏金を作って、いろいろ接待をされていた問題もそうだし、今回の潜水の手当てを不正請求してたという問題もそうなんですけれど、どうもこの自衛隊という組織の中で、相当腐敗が進んでるんじゃないかと。腐敗って、普通の行政機関でも怖いんですけど、自衛隊は実力組織なので、ここでそういう腐敗が広がって外から見えなくなってくると、他の行政機関よりもさらに危ないので、ちょっと目を凝らしてきちんと見ておかなくちゃいけないだろうなと思いますよね」