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防災リュックに入れるものは 「命を守る」装備と「生活をする」道具

TBSラジオ

日々の天気や街のトレンド、おいしいゴハンに大人の悩み、社会の仕組み・・・1日イチ「へぇ~」なトピックスを。新進気鋭のコラムニスト、ジェーン・スーが、生活情報や人生の知恵をナイスなミュージックと共に綴る番組。

9月1日は「防災の日」です。1923年の今日、関東大震災が発生しました。この震災を教訓として、9月1日が「防災の日」と制定されています。

TBSラジオでは1日をとおして、各ワイド番組で、命や暮らしを守るための情報をお伝えしています。「生活は踊る」では、防災グッズ・防災リュックについての生活情報をお送りします。今回は、備え・防災アドバイザーの髙荷智也さんにリモートでお話伺いました。

防災リュックの基本的な考え方「防災リュックへ入れるものは『命を守る』装備と『生活をする』道具」

防災リュックを準備する際に最も重要なのは「命を守るための準備」という意識。髙荷さんは「防災をすることで自分や家族の命を守ることが一番大事なこと」と強調します。

リュックを作る際には、次のポイントを意識しましょう

このリュックで「どのような状況から命を守れるか」を考える
災害時に「助かる確率を高める」ための工夫をする


Q.防災リュックにはどんなものを入れたらいい? 
防災リュックへ入れるものは「命を守る」装備と「生活をする」道具。

「命を守る」装備
1.身に付ける装備品(ヘルメット・レインウェアなど)
自宅を出るときに必要なものをすぐ身につけられるようにリュックと一緒に保管。

2.情報収集、家族の安否確認の準備
乾電池(10年備蓄)と乾電池で動くモバイルバッテリー。
小型のラジオの受信機

3.応急手当の道具や防寒着

「生活をする」道具=衣食住を持っていくということ
1.寝る道具(最低限必要)
空気を入れて膨らますような、エアマットと寝袋、あるいは、アルミのエマージェンシーシート。

2.水と食べ物
避難所の備蓄品だけでは不足する可能性があるため。
大事だが、一番重いので、背負った時に持ち上げられる範囲で入れる。


Q.防災リュックを作る上で、かつて言われていたことと現在とで変わった部分は?

ロウソク、マッチ、ライターは火災の原因につながる恐れがあるので、あまり推奨されていません。
というのも、今あらゆるライトはLEDに変わっています。LEDは、明るくて、丈夫で長持ち。さらには、乾電池の消費も少ないんです。100円ショップの小さなLEDと、小さな乾電池で充分一晩過ごせるくらいになっているので、準備する際は、ぜひLEDライトを準備しましょう。

さらに、食べ物にも変化が!
かつて長期備蓄できる食べ物といえば、乾パン・缶詰でしたが、今はいろんな種類が増えています。「乾パン」といっても、今は硬いビスケットのようなものではなく、焼きたて・ふわふわのパンが詰められている乾パンもありますお肉やお魚などの缶詰も食べ終わった後のゴミの処理が大変なので、リュックに入れるなら、レトルトパウチタイプの長期備蓄食がおすすめとのこと。

防災リュックの選び方は?

防災リュックを選ぶ際は、次の3つのポイントを押さえましょう

1. 背負いやすさ
背負った時に歩きやすいこと
肩ベルトが広く、体に密着させることができるものがおすすめ。

2. サイズ
基本的には「大は小を兼ねる」
目安は体の小さい人でもギリギリ背負える30Lくらいのサイズ

3. デザイン
家の中に置きたくないと思うデザインは収納されがち
普段から目につく場所に置いておけるおしゃれなデザインを選ぶ

防災リュックへの収納のポイント!
登山などをするときに、使われるテクニックと同じだそう。
なんでもかんでもリュックにごちゃっと入れないことが大事!ポーチやインナーバッグを使って種類ごとに分別する。

リュックへの詰め方のポイント
軽いものは下に、重いものは上に入れる。
こうすることで、重心が安定して同じ距離を歩いても疲れにくくなるんだそう。例えば、着替えや備蓄用のトイレ、タオル、寝具など潰れなくて軽いものをリュックの下に入れ、水や乾電池、食べ物など、重いものはリュックの上の方に入れましょう。

防災リュックの置き場所

そもそも、防災リュックを作る目的は、命を守ること。
そのために必要な要素の一つが、周りの状況にもよりますが、素早く自宅を飛び出すこと

一番リュックを取りやすいところに設置するのがおすすめ。
玄関や玄関に近い廊下
ウォークインクローゼットやシューズ入れの中
家を出る時に必ず通過する場所
さまざまな部屋からアクセスしやすい場所

防災リュックを背負って「防災散歩」をしてみよう!

そして、防災リュック作ったら、一度は背負って「防災散歩」をするべし!
リュックの重さが適切かどうか確認できる
避難所での取り出しやすさを事前に確認できる
必要に応じて内容を調整できる


髙荷さんおすすめ!最新防災グッズ「SONAENO クッション型 多機能寝袋」

髙荷さん、防災グッズが大好きということで、災害時に自分が使いたいグッズをメーカーさんと一緒に開発したり作ったりしているそうなんです。その中の一つで、どんなものかというと、見た目は四角いクッションの形をしています。これは、クッションの中身を開くと、寝袋に変形するというもの!
避難所には寝る場所があっても寝る道具って基本的にはないんです。なので、この寝袋的な寝具を持ち込むことが大事!大きさが45cm×45cmなので、普段はカバーなどをかけておいてクッションとして使うことも可能!

チャックを開くと寝袋に変形!長さも2mほどあるので、高身長な方でもOK。

頭をすっぽり覆うことができるフードと枕もついてます!

中を開くと貴重品が入れられるポケットも付いています。

着替えをしたり、体をふいたりするときの目隠しとしても使用可能!
広げて床に敷けば柔らかいシートとして使用可能
カラーはオリーブグリーンとダークグレーの2色
プロイデアというショッピングサイトやAmazonで購入可能(税込み12,800円)

こうした防災リュックを作る際に大変参考になることが載っている髙荷智也さんの最新著書「防災リュックはじめてBOOK」は徳間書店より税込2,090円で発売中です。髙荷さんに教えてもらったことを元に、改めて防災リュックを確認していきましょう!

(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)

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