旭警察署市沢交番 4月から左近山に統合 警官不足などを背景に
旭警察署市沢交番が、複数勤務確立に伴う警官不足などを背景に4月から近隣の左近山交番に統合される。統合後は左近山交番やパトカーを用いた「アクティブ交番」が警戒などにあたるが、地域では不安の声も挙がる。
複数勤務確立が急務
旭区内での統合は、2021年の万騎が原交番に続き2例目。旭警察署地域課の担当者によると、交番警察官の殺害事件の発生により、交番での複数勤務体制の確立が必要になっていることが、人員不足につながっているという。統合の動きは県警全体で進んでおり、合計80カ所ほど減らす方針だ。
市沢交番は、比較的近隣に他の交番があることや、地区内の犯罪発生率の低さなどから対象となった。
車両で同様の業務
交番の統合後は、アクティブ交番が配備される。ワゴンタイプのパトカー車両で、警戒を行うとともに、決められた時間・場所で臨時の交番を開設。遺失物の届け出や各種相談への対応など、これまでと同様の業務を行うという。市沢地区内では、神田公園(市沢町1の1)と市沢地区共同臨時駐車場(市沢町704)に開設される。
旭警察署に配備されているアクティブ交番の機能を備えた車両は1台。現在万騎が原地区内の3カ所を巡回しているが、4月以降は市沢地区も合わせて5カ所に開設することになる。同担当者は「一日で回れるのは、午前午後と1カ所ずつが限界」と話すなど、車両不足が懸念される。
県内の警察署へのアクティブ交番配備率は半分以下となっており、交番統合と合わせた対応が求められる。
跡地利用も課題
「地域では交番が無くなることに対する不安の声がある」と話すのは、市沢地区連合町内会の池田和義会長。「どのくらいの頻度でアクティブ交番が来るのか。地区に多くの時間いてほしい」と要望を口にした。
加えて跡地の利活用も課題となっている。地区内の消防団が現在使用している施設は狭く、地域として交番の建物を利用したいという要望もあるというが、「県警や区役所と話し合いをする中で難しいという回答を受けた」(池田会長)。具体的な活用方法は決まっていない状態だという。