歌舞伎座『錦秋十月大歌舞伎』夜の部『源氏物語』より、六条御息所(坂東玉三郎)と光源氏(市川染五郎)の撮りおろしスチール写真公開
令和6年10月歌舞伎座『錦秋十月大歌舞伎』夜の部で上演される『源氏物語(げんじものがたり)』の撮りおろしスチール写真が公開された。
千年の長きにわたり日本人に愛される『源氏物語』。この度上演する「六条御息所の巻」では、紫式部による五十四帖に及ぶ長大な全篇のうち、光源氏とその妻・葵の上、六条御息所の三者の恋愛模様を新たに描く。玉三郎の六条御息所、染五郎の光源氏をはじめ豪華な顔ぶれで誕生する『源氏物語』の世界に期待が高まる。
この度公開されたのは、坂東玉三郎演じる六条御息所、市川染五郎演じる光源氏の撮りおろしスチール写真。
公演に向けて行われたスチール撮影には、美しい衣裳を身にまとった六条御息所と光源氏が順に登場し、撮影現場が一気に幻想的な雰囲気に包まれた。玉三郎が光の君を演じた際の写真を参考に拵えをしたという染五郎。文武両道の美男子として描かれる光源氏のイメージにぴったりの染五郎の扮装姿に、撮影を見守る玉三郎が「いいわね」と声をかける場面もあったそうだ。
『錦秋十月大歌舞伎』は2024年10月2日(水)~26日(土)歌舞伎座にて上演。
『源氏物語』「御殿」あらすじ
時は平安の世。光源氏との子を身籠る葵の上は、謎の病に臥しています。産み月が近づくにつれ、うわごとを口走り、何者かの恨み声が聞こえることを案じた左大臣と北の方は、物の怪や生霊を疑い、比叡山の僧に修法を行わせます。すると、護摩を焚く僧が煙の中に感じ取ったのは、賤しからざる身分の女の気配。葵の上が幸せに満ち溢れているがゆえに、生霊による祟りを受けていると語ります。一方、光源氏は、生まれながらの気品と美しさを兼ね備え、愛人としている六条御息所のもとを訪れます。花見や連れ舞に興じ、久方ぶりの再会を喜ぶ二人。宮中の忙しさゆえの疎遠を詫びる光源氏でしたが、六条御息所は葵の上やその懐妊を嫉み、なじります。堪えかねた光源氏が屋敷を去ると、六条御息所は悲しみに暮れ、次第に嫉妬に狂って…。