【リアル給与明細】36歳、警備員。残業代でしのいでいます。基本給を上げてほしいです……【FPが解説】
読者から寄せられたリアルな給与明細を大公開。質問内容から、改善できるポイントがあるのか、ファイナンシャルプランナーが解説します。【36歳、警備業】
【リアル給与明細】36歳、警備業の場合
プロフィール
36歳、男性
警備業
▼現状
10ヶ月経過の1年目。
主な業務は都内ホテルの常設警備。
労働時間は月160時間、残業は月53時間。
ボーナスは年20万円。
【相談内容】基本給の低さを残業で補っています。残業せずに給料を安定させる方法を教えてください。
解説するのは……
◆松田亮太
ファイナンシャル・プランニング技能検定2級
大学卒業後、地方銀行、外資系生命保険会社を経て、現在FP事務所に勤務中。
残業代を除く給料で生活できるのが理想
相談者さんは都内ホテルで警備をされており、現在の年収は約293万円。
国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」における35〜39歳男性の平均年収は約549万円*、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」における男性警備員の平均年収は、約380万円*であるため、相談者さんの年収はかなり少額となっています。
また、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」における時間外手当を除く所定内給与は約24万円*であるのに対し、相談者さんの残業代を除く給与は約15万6千円。
毎月の給与が低いのは、勤続年数が1年未満であることも影響しているでしょう。
*……参考:国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」
*……参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
残業は会社の業況や繁忙期に左右されるため、残業代は毎月変動するものです。
相談者さんの給与は残業代が約3分の1を占めており、収入が不安定といえます。
時間外労働は労働基準法によって上限が定められているため、安定した生活を送るには残業代を含まない給料で支出を賄うのが理想です。
給与規定の確認をしましょう
残業代を除くと、大きなウェイトを占めるのが基本給。
学歴や職歴、年齢、経験などにより決められる給与のベースとなるものです。
基本給が各種手当や残業代、退職金などの算定根拠となるケースもあり、ほとんどの会社では給与規定などで定めています。
毎月一定額が支給される住宅手当や扶養手当などと基本給を合わせて基準内給与といいます。
この基準内給与の範囲内で毎月の支出が賄えられれば、安定した生活を送れる可能性が高いです。
まずは、給与規定で以下の点を確認しましょう。
・基本給はいつ・どの程度上がるのか
・各種手当の種類とその要件・支給額
納得できるものであれば良いのですが、万が一給与規定に記載されている内容では安定的な生活が送れない場合は、別の方法を考えなければなりません。
給与規定に納得がいかなければ転職の検討を
給与規定の内容が納得いかないものであれば、以下の方法などで収入を増やす必要があります。
・転職をする
・副業をする
・ 資産運用による金融所得を得る
相談者さんの場合は残業があるため、副業に割ける余裕がなさそうです。
また、資産運用による金融所得は効果が出るのに時間がかかるため、現在の支出補填には合っていません。
相談者さんの場合は転職がおすすめです。
転職する際は、入社後に「こんな話は聞いていない!」といった事態にならないよう、給与規定や勤務体制などを事前に確認しましょう。
まとめ
・基本給は、給与のベースとなるもので最重要。
・毎月の支出は基準内給与で賄えるのが理想的。
・入社前には給与規定などできる範囲で確認を。
※この記事では媒体で募集した情報を掲載しています。