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「ルアーでカワムツを狙う!」新感覚の川釣りスタイル『チャビング』を徹底解説

TSURINEWS

カワムツをゲット(提供:週刊つりニュース中部版・杉山陽佑)

カワムツやシラハエをルアーで狙う「チャビング」が注目を集めている。エギングやメバリングに続く新感覚の川釣りスタイルで、初心者でも手軽に始められるのが魅力。今回は話題のチャビングについて、釣り方やおすすめルアーを解説しよう。

チャビングとは

「チャビングに行こう!」と言われても、まだまだ多くの人が「???」状態だと思う。

身近に潜むチャブと遊ぼう(提供:週刊つりニュース中部版 杉山陽佑)

川に住むカワムツやシラハエ、タカハヤなどのいわゆる雑魚を、英語でチャブというのだそうだ。これらの雑魚類をルアーで狙うからチャビング……というわけだ。

チャビングのターゲット

チャビングの主なターゲットとして、カワムツ(ヌマムツ)とシラハエ(オイカワ)の2種類のコイ科の魚がいる。いずれも身近な川に生息するいわゆる雑魚だが、それぞれ生息域が異なるので狙うポイントも異なってくる。

カワムツ

まずはカワムツ。基本的に流れの緩やかな所を好むため、流れが遅くなっている淵やエン堤の下のプールにいることが多い。場合によってはため池のような止水域にも生息していることがある。河川でいうと、中流域より上流に生息していることが多い。

シラハエ(提供:週刊つりニュース中部版 杉山陽佑)

シラハエ

次にシラハエ。カワムツよりも遊泳力があるようで、流れがあるポイントにいることが多いが、カワムツのように止水域にも生息していることもある。

カワムツよりも俊敏な泳ぎをしていて、流芯にいることが多い。カワムツよりも下流域を好み、中流域より下流にいることが多いように思う。

この2魚種は一見よく似ていて、見た目に同じように見える。混同して生息していることもあるが、住み分けをしているように思われる。

両者の生息地域の違い

あくまで私のイメージだが、カワムツはきれいな水が流れる清流を好み、シラハエは多少生活排水が流れ込むような水域でも生息している。流れと淵が自然と流れの中にある河川では、両種ともに生息している所もあり、同じ場所で2種類釣れてくることもある。

小規模河川が舞台(提供:週刊つりニュース中部版 杉山陽佑)

言いきれるわけではないが、里山を流れる河川の上流域ではカワムツ、街中を流れる河川の下流域ではオイカワといった感じで、おおまかな釣り分けもできるように思われる。

その他のターゲット

またカワムツ、シラハエの他にチャビングのターゲットとして、まれに琵琶湖固有種のハス(ケタバス)、ウグイ、タカハヤ、モロコ類なども釣れてくることがあるが、生息域、生息場所に関してはカワムツとよく似た場所を好むようだ。時にはナマズまで釣れてくる。

チャビングのタックル

基本的にトラウトロッドやメバリング、アジング用のライトソルトロッドなどのスピニングロッドが適している。初めてこの釣りをする人には、アタリが分かりやすいアジングロッドがおすすめ。

飛び越えられるような小規模河川や水路がメインフィールドになるため、レングスは短いほど扱いやすく操作もしやすい。5~6ftぐらいがちょうど良いだろう。

チャビングのタックル(提供:週刊つりニュース中部版 杉山陽佑)

リールは1000~2000番クラスのスピニングで良い。渓流用のベイトタックルがあれば、ベイトでもオッケー。

ラインはいろいろ試したが、PEラインがアタリも分かりやすく釣りやすくオススメ。フロロカーボンラインでもナイロンラインでも良いが、使うルアーによっては流れが重なり、ヨレが発生して使いづらい。

トラウト用の短めタックルがおすすめ(提供:週刊つりニュース中部版 杉山陽佑)

PEラインなら0.3~0.6号、フロロカーボンライン、ナイロンラインなら4lb前後が適当だ。ただし、風が強いときにPEラインは扱いにくく、トラブルが急増する。そんなときはフロロカーボンラインかナイロンラインがオススメだ。

私はPEライン0.2号にリーダーフロロカーボンライン1号をよく使っている。

チャビングのルアー

よく使われているのがエリアトラウト用スプーン。あとスピナーの小さめのもの(3gぐらいまで)。ポイントの流れの強さによって使い分けていく。使用頻度が最も高いのが1.5g前後。

スピナーやスプーンがメイン(提供:週刊つりニュース中部版 杉山陽佑)

私が多用しているのがスピナーだ。今ではなかなか見ることがないルアーだが、チャビングでは主戦力といってもいいほど。私は軽いものがほしくて自作もしているが、バランスがなかなか難しい。中古ショップで探せば格安で手に入る。

フックはバーブレス推奨

フックは細軸のものがおすすめだ。ターゲットが大きくても20cm程度までなので、フッキングしやすいように細軸の方が良い。

フックはシングルのバーブレス。掛かりにくいときはシングルフックを2~3本重ねて、タンデム仕様で使うのもありだ。トレブルは掛かりは良いが、魚が小さいため与えるダメージも大きくなるので避けたい。ハリ掛かりが悪いときには、小さいハリをアシストフックに付けておくとより釣れやすい。

他にアジやメバル用のジグヘッド+ワームでもOK。それと小さなクランクやミノーでも有効のようだ。私は釣ったことないけど。

シングルバーブレス推奨(提供:週刊つりニュース中部版 杉山陽佑)

注意する点はバーブレスフックを使うこと。リリースするなら、余計な時間はかけず素早くリリースするためにも、バーブレスは必須といっていい。

その他の装備

その他の必須アイテムとして、偏光グラスが挙げられる。この釣りは魚を視認してポイントを決めることも多い。また川底の形状を把握するためにも、偏光は必ず持っていくようにしよう

スゴモロコ(提供:週刊つりニュース中部版 杉山陽佑)

渓流用のランディングネットもある便利。周りがコンクリートやアスファルトの場合、魚を直に置くと大きなダメージを与えてしまう。いったんネットに置いて撮影すると、魚を傷めにくい。

フォーセップはハリを外すときに便利。また熱中症対策として、帽子も必ずかぶっておこう。虫が多い季節なので、なるべく肌の露出は少なくしておくことも大事だ。

チャビングのポイント

ポイントの見つけ方は、渓流でトラウトを狙うときとほぼ同じ。瀬の肩や開き、淵、エン堤下の落ち込みなど。渇水だと魚が1カ所に固まりやすいが、警戒心が倍増して釣りにくくなる。

落ち込みは絶好のポイント(提供:週刊つりニュース中部版 杉山陽佑)

逆に増水していると、広範囲に魚が散るが活性が高いときが多く、比較的ヒットに持ち込みやすい傾向にある。

バイトがなければ、ひたすらランガンだ。この釣りは足で稼ぐ釣りといってもいい。偏光グラスで魚影を探しながら、あるいは気になるポイントを見つけたらひたすらキャスト。そこに魚がいれば、大抵1投か2投で答えが出るはずだ。

チャビングの釣り方

ポイントを見つけたら基本的にアップ、アップクロスで狙う。ダウンやダウンクロスで狙うと、魚から人影、気配を感じられやすく、すぐに逃げてしまう。

魚がいるとルアーを追う姿が確認できると思うが、カワムツもシラハエも臆病な魚で人の気配を感じると、すぐに岩の下などに隠れてしまう。なのでポイントへのアプローチは、足音を立てず気配を消して慎重に行う。キャストも水際から少し離れて行おう。5分くらいすると警戒心が薄れるようで元の場所に戻ってくる。

ひたすらランガン(提供:週刊つりニュース中部版 杉山陽佑)

ポイントにキャストしたら、いったん底まで落としてみよう。フォール中にバイトしてくることもあるため、注意が必要だ。基本的なルアーの動かし方は、スプーンもスピナーもゆっくりただ巻き。アタリがなければ、スプーンであればチョンチョンと誘いを入れても良い。

アップクロスで狙う(提供:週刊つりニュース中部版 杉山陽佑)

軽いルアーは流れに流されてしまうこともあるので、場所によってこまめにルアーのウエイトを変えていくことも必要。狙ったポイントにしっかりアプローチできる重さのルアーを使うようにしたい。

カワムツとシラハエを比べると、カワムツの方がルアーに対する反応も良く釣りやすいように思う。カワムツの方が魚食性が強く、口も大きめだからだろうか。

チャビングの注意点

手軽さでいえばナマズゲームと同じぐらいのチャビングだが、ここで注意してほしいことを述べておく。まず漁業権のある川であれば、入漁券が必要になる。地元の釣具店や近くに漁協があれば、問い合わせて確認して購入してから釣行するようにしよう。

ゴクラクハゼ(提供:週刊つりニュース中部版 杉山陽佑)

また住宅街や工業地帯など、人が多く活動するエリアで釣ることも多い。当然迷惑駐車やゴミのポイ捨ては厳禁だ。これは全ての釣りにいえることなのだが……。

どんな遊びにもルールやマナーは存在する。これらを守って手軽にチャビングを楽しんでいただきたい。

<週刊つりニュース中部版 杉山陽佑/TSURINEWS編>

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