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土地の贈与には相続時精算課税制度を使おう!手続きや注意点を解説

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土地の贈与には相続時精算課税制度を使おう!手続きや注意点を解説

「親名義の土地を譲り受けて家を建てたい」「孫が家を建てるための土地を贈与したい」といった場合、贈与税はできるだけ抑えたいものです。 「相続時精算課税制度」なら贈与税を減らすことができます。この記事では「相続時精算課税制度」のメリットや利用する条件、手続きの流れについて解説します。

相続時精算課税制度とは?

相続時精算課税制度の概要

「相続時精算課税制度」とは、親や祖父母から子や孫へ土地などの財産を生前贈与するときに活用できる制度です。具体的には、贈与財産の合計額が2500万円までであれば贈与税が非課税になります。ただし、相続時にはこの贈与財産およびその他財産の合計額に対して相続税が課されるため、注意が必要です。 利用条件は大きく以下の3点です。 ・贈与をする人と受ける人が親子または祖父母と孫の関係であること ・贈与する人は、贈与する年の1月1日時点で60歳以上であること ・贈与を受ける人は、贈与を受ける年の1月1日時点で18歳以上であること なお、この制度は現金の贈与の場合でも利用することができます。

相続時精算課税制度で土地を贈与するメリット

この制度の最大のメリットは2500万円までを非課税贈与できることですが、ほかにもメリットがあります。 まず、贈与額が非課税枠の2500万円を超えた場合、その額には一律20%しか課税されません。通常の贈与では、2500万円以上に課される税率が最低でも45%です。これと比較して、有利な税率で贈与が可能になります。 また生前に贈与することで、相続時のトラブルを回避できることもメリットといえるでしょう。

相続時精算課税制度で土地を贈与するデメリット

一方で、この制度にはデメリットもあります。 まず税務署への申告義務が発生します。通常の贈与である暦年贈与は、非課税枠の110万円以内の贈与は申告不要です。この場合と比べると、ひとつ申告の手間が増えます。 また制度を活用した場合には、暦年贈与ができなくなるという点もデメリットです。制度を活用するのか、暦年贈与で毎年110万円以内を贈与していくのか、どちらがよいのか考える必要があります。

相続時精算課税制度を利用するのがおすすめなケース

暦年贈与の額が110万円以上の場合

暦年贈与の額が年間110万円以上の場合は、相続時精算課税制度を利用したほうがよいかもしれません。 暦年贈与の基礎控除額である110万円を超えると贈与税が課されますが、これは累進課税であるため、超過額が大きいほど税負担も増えます。状況に応じて、相続時精算課税制度の利用を検討してみましょう。 ただし、相続時精算課税制度を一度利用すると、暦年贈与は使えなくなるため注意が必要です。

相続する財産総額が相続税の基礎控除内の場合

相続時精算課税制度を利用して贈与を行った財産は、2500万円まで非課税と説明しました。しかし、相続時にはこの贈与財産を含めたすべての財産を合計した額に対し、相続税が課されます。この制度が名前のとおり、贈与財産についても「相続時」に「精算」して「課税」する仕組みであるためです。 ただし、精算する際の全財産額が相続税の基礎控除額内であれば、そもそも相続税は生じません。このような場合には、相続時精算課税制度を利用するのがおすすめです。

相続時のトラブルが予想される場合

相続時精算課税制度を利用すれば、相続させたい人にあらかじめ希望どおりに財産を相続させることができます。このため、相続時に起こりうるトラブルを事前に防ぐことが可能です。

相続時精算課税制度を利用する際の手続きについて

相続時精算課税制度の利用には申告が必要

デメリットでも触れましたが、相続時精算課税制度を利用する場合には税務署への申告が不可欠です。一方で暦年贈与の場合には、基礎控除額内であれば申告義務はありません。この場合と混同しないよう注意しましょう。 なお、手続きは贈与税の確定申告期間内に行います。具体的には、贈与年の翌年2月1日〜3月15日の期間です。

相続時精算課税制度を利用するための手続きの流れ

申告に必要な書類は以下のとおりです。相続時精算課税制度を利用する贈与は繰り返し行うことができますが、そのつど手続きが必要です。 ・贈与税の申告書 ・相続時精算課税選択届出書 ・贈与を受ける人の氏名や生年月日、贈与をする人との関係がわかるもの(戸籍謄本または戸籍抄本) ・贈与を受ける人の18歳に達して以降の住所がわかるもの(戸籍の附票など) ・贈与する人の氏名や生年月日、60歳に達して以降の住所がわかるもの(住民票または戸籍の附票など)

相続時精算課税制度の注意点

税金が高くなる場合もある

相続時精算課税制度を利用したほうが税金が高くなる場合もあるため注意が必要です。具体的に、財産総額が相続税の基礎控除額(最低3600万円)を上回る場合には、この制度を使うべきではありません。 また、この制度で土地の贈与を受ける場合には「登録免許税」や「不動産取得税」といったほかの税が課されます。これらの額も考慮する必要があるでしょう。

利用できなくなる制度や特例がある

相続時精算課税制度を利用することで使えなくなる制度にも注意しましょう。たとえば「小規模宅地等の特例」が代表的です。 小規模宅地等の特例は、一定の条件で相続税評価額を減額することができる制度です。条件を満たせば大きな節税効果が期待できます。 相続時精算課税制度を利用するのか、それともほかの制度を利用するのか、十分な検討が必要といえます。

まとめ:土地の贈与は相続時精算課税制度を使って賢く行おう

相続時精算課税制度は、その名のとおり「相続時」に「精算」して「課税」する制度です。制度そのものに相続税の節税効果があるわけではありませんが、状況に応じて贈与税を抑えて土地を贈与することができます。 相続時精算課税制度やほかの制度も比較しながら、できる限り損をしない方法で贈与を行いましょう。贈与税についてFPに取材したインタビュー記事はこちら >>

 2022年以降に住宅取得資金贈与の特例は変更?FPにインタビュー!

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