犬が震えている時に考えられる4つの原因 絶対に放置してはいけないケースから対処法まで解説
1.寒い
犬は体を震わせることで体温を上げることができるため、寒さを感じたとき自然に体が細かく震えることがあります。
寒さによる震えは、犬が自分の意志でおこなっているものではなく、命を維持するために自然に発生するものです。
気温が低い冬はもちろん、水に濡れたあとなどは体温が急激に下がってしまうことがあるので、そのようなときに震えている場合は寒さによるものと考えましょう。
寒さによって起こる震えは、体調と命を守るための自然発生的なものなので、過剰な心配は必要ありません。しかし、放っておいていいというわけではなく、体温を上げたり維持したりするためのサポートは必要です。
室温や湿度を調整して快適な状態をつくったり、洋服を着せたりして、震えがおさまるかどうかを確認してください。
特に子犬や老犬、病中病後の犬は、体温調整がうまくできないことが多いため、注意深く観察してこまめなケアをしましょう。
2.疲れている
犬は急激な運動をした直後など、筋肉疲労が起きたときに小刻みに震えてしまうことがあります。
これも寒さと同様に、休憩をして疲労がある程度落ち着けば自然となくなるものですが、震えが頻繁に起こる場合は運動量の調整をおこなうようにしましょう。
また、老犬は筋肉量が落ちたり関節が弱くなったりするため、足腰を支える力がなくなって、少し動いただけで震えるようになってしまうこともあります。
筋肉疲労による震えは、どんな犬にでも起こるものですが、あまり頻繁に起こる場合は運動の仕方や筋力などに問題がある可能性があります。
犬の体力や筋力に見合わない量の運動をさせてしまっていたり、体をしっかりと支えるための筋量が不足していたりすることも考えられるでしょう。
日頃から定期的に運動をさせて、食事やボディケアをしっかりとおこなって健康な体作りをサポートしてあげてください。
3.不安や恐怖によるストレス
犬の体に震えが起こる原因は、寒さや疲れなど身体的なものだけでなく、精神的なものが影響していることもあります。強い不安や恐怖を感じていたり緊張したりすると、自律神経のバランスが乱れて、体が震えることがあるのです。
大きな音を聞いて驚いているときや、動物病院など過去に怖い思いをした場所に行ったときなどに体をガタガタと震わせる犬は多くいます。
日々の生活の中で、犬がストレスを感じることは少なからずあり、それをすべて避けることができません。
しかし、体が震えるほどの強い緊張や恐怖を感じ続けることは、犬にとって非常に大きな負担となります。それほどのストレスにさらされることのない環境づくりをしたり、犬が必要以上に不安を抱え込まないようにコミュニケーションや社会化トレーニングをおこないましょう。
4.怪我の痛みや病気の症状
犬は痛みや苦痛を感じているときに、体を小さく丸めて震えることがあります。
多くの動物は、怪我や病気によって痛みを感じているとき、それがおさまるまでただ静かに体を休めてじっとしています。そのようにして痛みや苦痛に耐えるとき、体が震えてしまうことは少なくありません。
また、震えが大きく、全身がビクビク・ガタガタと動くほどであれば、中毒症状や脳神経疾患の症状である可能性もあります。
毒性のあるものを口にしたときや、てんかん発作が起きたときなどは、けいれんを起こして意識が混濁する様子が見られることがあるので、早急な対処が必要です。
犬が体を震わせているとき、「食欲や元気がない」「動きたがらない」などほかにも気になる症状がある場合は、怪我や病気の可能性を考えましょう。
また、けいれん発作を起こしていたり、震えながら倒れてしまったりした場合は、できるだけ早い処置が必要となることが多いので、すぐに動物病院に連絡をして指示を仰いでください。
まとめ
犬の震えの原因は、寒さや疲れなどによって起こる一時的なものから、病気の症状としてあらわれるものまで様々です。
まずは犬の様子や周囲の状況から原因を考え、できる限りの対処をして震えがおさまるか様子を見てください。
ただし、震えが止まらない場合や、意識がもうろうとしている場合などは緊急性が高いため、すぐに動物病院を受診するようにしてください。
(獣医師監修:寺脇寛子)