「ヒカルの碁 原画展」東京会場レポート|小畑健先生による美麗な生原画が多数展示! 囲碁ブームの火付け役となった名作を追体験し、思わず涙──
原作・ほったゆみ先生、漫画・小畑健先生による少年漫画『ヒカルの碁』。少年漫画としては珍しい“囲碁”をテーマに、主人公・進藤ヒカルの成長を描いた本作品は、国内外で空前の囲碁ブームを巻き起こしました。
2025年7月4日(金)~2025年8月4日(月)、「ヒカルの碁 原画展」が、アニメイト池袋本店8F「Space Galleria」にて開催中です! 会場には、小畑健先生の圧倒的画力による美麗な生原稿やイラストが、ストーリーに沿って数多く展示されています。
また、会場にはヒカルの部屋を再現したエリアや、佐為のスタンディと一緒に写真を撮ることができるフォトスポットも。本展覧会を記念したグッズの物販もあり、ファンにとってはたまらないイベントとなっています。
本稿では、「ヒカルの碁 原画展」東京会場の模様をお届けします!
【写真】「ヒカルの碁 原画展(ヒカ碁展)」 東京会場レポート
佐為との出会い、そしてライバルの登場
来場者を迎えるのは、入り口に置かれたヒカルと塔矢アキラのスタンディパネル。
2人の間を通って会場へ足を踏み入れると、そこには『ヒカルの碁』の物語の始まりである、ヒカルと佐為の出会いのシーンが再現されています。実際に置かれた碁盤には、出会いのきっかけとなった血の跡も……。
続く“アキラとヒカル編”と銘打たれたエリアでは、ヒカルのライバル・アキラとの初めての対局シーンや、中学校に進学した2人の対局シーンがピックアップ。
生原稿ならではの筆致や修正跡、トーンなどを間近で見ながら、ストーリーを振り返ることができます。
囲碁部の部室やインターネット碁のシーンを再現!
囲碁部の部室が再現されたエリアでは、夕暮れ時の窓を背景に対局中の碁盤が鎮座しています。
ヒカルがいた葉瀬中囲碁部の雰囲気を味わった後は、“囲碁部・インターネット碁編”エリアへ。
ここでは筒井公宏や加賀鉄男といった葉瀬中メンバーが登場。部活動や人との出会いを通して、ヒカルが成長していく様子が描かれています。
さらに、”sai”としてインターネット碁を始めた佐為のシーンとあわせて、インターネット碁の場面を再現したスポットも。エリアの一角に置かれた昔ながらのデスクトップパソコンにはインターネット碁の盤面が映されており、実際に“sai”が囲碁を打っている様子が思い起こされます。
続いては、プロ棋士になったアキラの背中を追い、ヒカルが院生となった“院生編”エリアへ。
アキラとの再戦を目標に、院生として邁進するヒカル。その急成長はアキラをも驚かせ、ヒカルは見事プロ入りを果たします。
さらに歩を進めた先に広がる“プロ棋士編”では、佐為がかねてより対局を望んでいたアキラの父・行洋との対局シーンがピックアップ。
過去と現在の天才棋士の対局を描いたカラー原稿は迫力満点です。
涙なしには見られない“佐為のいなくなった世界”
“プロ棋士編”エリアの最後は、佐為がヒカルの成長を見届けて消えてしまうシーン。壁の両面に飾られた生原稿を読んでいるうちに、思わず目頭が熱くなってきます。
涙を堪えて進んだ先では、本展覧会のために作成された特別映像が上映されていました。これまで振り返ってきた『ヒカルの碁』の物語を、改めて追体験することができる内容です。
映像が終わった後に目に入るのは、ヒカルの部屋の再現スポット。中央に置かれた対局途中の碁盤を目にすると、佐為がいなくなってしまったことが否応なく思い出されます。切なさを感じつつ、次のエリア“佐為のいない世界編”へ。
佐為がいなくなり、囲碁を打たなくなってしまったヒカル。しかし、そんなヒカルが打つ囲碁の中に、アキラは佐為の存在を見出します。
初対面の日から大きく成長した2人の熱い対局は、原画で見ることによってさらに迫力を増していました。
フォトスポットや物販で思い出を残そう!
本展覧会を締めくくるのは、圧巻のカラーイラスト展示。小畑健先生による美しいイラストをじっくりと見ることが出来る、贅沢な空間となっています。
また、佐為のスタンディが置かれた撮影可能なフォトスポットも。さらに物販では、原画を使用したグッズをはじめ、本展覧会の思い出を残せる記念グッズが多数並んでいます。
“囲碁”をテーマに主人公・ヒカルの成長を描き、囲碁ブームの火付け役にもなった漫画『ヒカルの碁』。本作に触れて、囲碁に興味を持った方も多いのではないでしょうか。
本展覧会は、小畑健先生の美麗な生原稿やイラストを通して、あの時の興奮や感動を追体験することが出来る貴重な機会です。
『ヒカルの碁』の魅力が詰まった会場で、今も語り継がれる物語をぜひ体感してみてください!
【取材・文:柴山夕日】