辻堂まちづくり会議 「地域にもっと若者の声を」 唯一の大学生委員・佐久間さん
市民が主体となり、住みやすいまちの実現に取り組む「郷土づくり推進会議」。市内13地区に設置され、地域の特性を生かした事業を行っている。中高年代以上の委員が大半を占める中、若者ならではの視点をまちづくりに生かすメンバーがいる。「辻堂まちづくり会議(辻堂地区郷土づくり推進会議)」で大学生委員員を務める佐久間紅寧(あかね)さん(18)に話を聞いた。
会議に参加するようになったのは昨年の春。高校の課題で「地域、地元」をテーマに調べ学習を進める中で、郷土づくり推進会議の存在を知った。もともと地域の祭りやイベントが好きで、まちづくりに関心があったという佐久間さん。自身が生まれ育った辻堂を「もっと魅力的にするにはどうしたらいいのか」と興味がわき、辻堂まちづくり会議の公募委員に応募。同地区では唯一の高校生委員として活動を始めた。
ベテランメンバーの中で活動することについて「辻堂を愛するが故に、議論が白熱することもあるけれど、優しい人ばかり」とにこり。周囲の支えを受けながら大学受験を乗り越え、この春からは大学生委員として活動を継続していく。
市民アンケートで寄せられたまちの課題を市民参加型の「全体集会」を通じて深堀りし、各部会が解決に向けて活動するという手法を取っている同会議。佐久間さんは、海岸のごみ拾いイベントや辻堂ゆかりの講師による講演会、ウォークラリー形式のクイズイベントといった郷土愛を育めるような企画の立案を行う「交流部会」に所属し、広報委員も兼任している。昨年はFacebookでの投稿を担うほか、同会議の事業を周知する「回覧板」のデザインを多くの人の目に留まるように一新。また、昨年の全体集会では広報委員として登壇し、集まった市民に活動報告も担当したそうだ。
広報委員長を務める鶴田智博さん(61)も「SNSでの発信の仕方など我々がついていけない世界になってきている」とした上で、「頼りにさせてもらっている」と若者の知見を生かした活躍に信頼を寄せている。
「辻堂は海が近くて癒されるし、陽気で話しやすい人が多い」と明るく話す佐久間さん。まちづくりについては「地元の人とのつながりがモチベーション。頑張ればやりたいことが実現できるのが楽しい」と活動を振り返る。今後の課題は学生や子育て世代など若い人の持続的な参加だとも。「まちづくりに興味があっても活動できる場があることを知らない子も多いと思う。まずは知ってもらうこと。発信の方法を模索していきたい」と前を向いた。