みそ汁は1日2杯! 温活ドクターも実践する「冷えも乾燥も改善する7つの習慣」
冷えと乾燥の原因は同じ!血行を促す習慣で同時に改善
この時季に多くの人が悩む「冷え」と「乾燥」。
実はどちらも、毛細血管が消失する「ゴースト化」による血行不良が原因です。
「血液のめぐりが悪くなると体が冷え、基礎代謝が落ち、肌の新陳代謝も衰えます。また、栄養や水分が全身に行き渡らなくなり、肌の乾燥も引き起こします。つまり、ゴースト血管が回復すれば、冷えと乾燥を同時に解消することができるのです」と、温活にも詳しい石原新菜(いしはら・にいな)先生。
そのカギが「Tie2」の活性化です。
「ヒハツ(※)などを摂る他、運動や入浴などが効果的です。また、冷え、乾燥は風邪と感染症の大好物。改善すれば予防にもつながります」
※ ヒハツは「ナガコショウ」とも呼ばれ、スーパーのスパイスコーナーなどでパウダー状のものが販売されています。
冷えと乾燥を放置するとこんな症状が...
<冷え>
□ 内臓機能の低下
□ むくみ
□ 自律神経の乱れ
□ 下痢
□ 便秘
□ 頭痛
□ 肥満
□ 肩こり
□ 不眠...など
<乾燥>
□ 肌の炎症
□ 湿疹
□ かゆみ
□ しわ
□ アトピー性皮膚炎
□ 乾皮症(皮脂欠乏症)
□ 乾燥性皮膚炎
□ 免疫力の低下
□ 感染症の罹患...など
共通の原因はゴースト血管
ゴースト血管とは
血液が流れなくなり、衰えて消えた毛細血管のこと。毛細血管は全身の血管の多くを占め、体のすみずみまで酸素や栄養を届ける重要な役割を担います。ですが、太さ0.01mmの微細な血管なので、年齢を経るごとに衰えて消失し、その状態を「ゴースト化」といいます。
ゴースト血管を回復させる注目の酵素Tie2(タイツー)
「Tie2」は、毛細血管の内側の内皮細胞にある酵素。毛細血管は「内皮細胞」と、それを外から覆う「壁細胞」の二重構造で、加齢などによりこの2つの細胞の結び付きが弱まると、毛細血管に隙間ができ、ゴースト化します。「Tie2」は細胞同士をしっかり結び付けて隙間を埋め、毛細血管を強化させる働きを持ちます。
温活ドクター石原先生も実践中!
冷えも乾燥も改善する7つのキーワード
<まずはこの3つから始めましょう>
(1)ヒハツジンジャールイボスティー
ヒハツ、ルイボスは「Tie2」を活性化させる植物。ルイボスティーにヒハツと、体を温めるしょうがを加えるのがおすすめ。ヒハツと同じ働きを持つシナモンを加えても。「血流を促すヒハツやシナモンは白湯に入れるのも◎」
(2)手足ぽかぽか運動
「手足が冷たい」と思ったら、体の末端の毛細血管まで血液が行き渡っていないサイン。放置するとゴースト化してしまいます。手足をパタパタ10秒ほど動かせば、血流が回復し、酸素や栄養も届いて肌の新陳代謝も促進します。
(3)41℃の塩風呂に10分
湯船に入ると毛細血管が広がり、血液が循環。天然塩をひとつかみ入れると、ミネラル分が体を芯から温め、肌にベールを作って保湿・保温効果も。長風呂や熱いお湯は逆に乾燥を招くので注意を。入浴後はすぐ保湿しましょう。
<他にこんなことも効果的>
(4)24時間365日、腹巻
石原先生は24時間365日、腹巻を愛用。体の最大の免疫器官である腸などの内臓を温めると、血流が促されます。「保温・保湿効果を高めるため、腹巻は地肌に直接着けるのがベスト。肌に優しいシルクなど、天然素材のものを」
(5)1日2杯のみそ汁
発酵食品は腸内環境を改善し、内臓の血流を促進。特にみそは、毛細血管を強くするリノール酸や、肌の保水力を高める「グルコシルセラミド」が豊富。1日2杯を2週間飲み続けると、肌の水分量が1.4倍になったという研究報告も。
(6)暖房は22℃前後、湿度は50~60%
エアコンを使う場合、羽根の向きは下向きにし、暖かい空気を下へ。サーキュレーターで空気を循環させると、部屋全体が均等に暖まります。「部屋が暖まると湿度が下がり、肌が乾燥する原因に。加湿器を併用しましょう」
(7)「三首温め」&「頭寒足熱」
体表近くに動脈・静脈が走る首、手首、足首を温めると、全身が温かく。むやみに厚着をせず、保温グッズなどで温めましょう。服装は「頭寒足熱」を意識。レギンスやひざ掛けなどで下半身を温めると、全身の血流が高まります。
構成・取材・文/岡田知子(ブルーム) イラスト/原田マサミ
※この記事は紙&WEBマガジン『毎日が発見』2025年11月号に掲載の情報です。