【今週のアニメ『キングダム』の話題は?】第4話「趙の国門」それぞれの思惑が交わり始める! “趙の国門”をどう攻める?
『キングダム』は、紀元前中国の戦国時代を舞台にした原泰久先生の人気漫画作品です。こちらを原作にしたアニメ 第6期が、この秋からスタートしています。最速となるNHKでは10月5日に第1話が始まり、10月19日には第3話が放送されました。
そして、その続きとなる第4話が10月26日に放送! こちらでは、第4話「趙の国門」のあらすじを、振り返っていきたいと思います。
※第4話のあらすじを含みます。
第4話「趙の国門」あらすじ
秦東部「金安(きんあん)」
金安は、今回の秦vs.趙のための食糧集積地です。第4話は、この城都内、総大将 王翦(おうせん)により将校たちが集められているところから始まります。ここに信もやってくるのですが、どうやら信が最も遅くやってきたもよう。信は「どこが本陣か迷っちまった」といつもどおりです。
そして、王翦からこれから鄴を攻めることが告げられます。黒羊(こくよう)を攻めると思っていた将校たちは驚きの表情。とはいえ、驚きやら愚痴やらをいう間もなく、すぐに出陣です。
一方、趙軍を率いる“李牧”は
趙の東から迫る燕 オルド軍が、青歌(せいか)に向かっていることをつかんだ李牧。青歌の城主は司馬尚(しばしょう)です。彼は趙の中枢を嫌って青歌に籠もっていた人物ですが、オルドを潰すべく動き出したようです。
そこに、趙西部の秦軍を観察していた舜水樹(しゅんすいじゅ)が帰還。李牧に、秦が鄴を目指していることを伝えます。
王翦が時間を掛けて準備してきた李牧を欺く策が、もうばれてしまったのです。
趙「邯鄲(かんたん)」の王宮では……
邯鄲では悼襄王(とうじょうおう)が、優雅に入浴タイム。家臣が秦の動きを伝えても、湯に浸かったままです。
王宮では李牧に対する風当たりが強く、前回敗北したことや王に命令することに非難の声が、王だけでなく重臣たちからも聞かれます。
このような有様ですから、この度の李牧の、趙を守るための献策も、悼襄王に聞き入れられず、邯鄲兵を秦軍の足止めに使うことは不可となります。邯鄲の兵は、王を守る兵だというのです。
秦軍は“趙の国門”「列尾(れつび)」へ
秦軍は金安から南に下り、黄河沿いを東に進んでいきます。金安、黒羊の東には山脈があるので、趙の王都圏に行くには、これを迂回しなければならないのです。
秦軍は早足で秦軍を進めますが、この列に突っ込んでくる趙の一団があります。これに対応したのは桓騎軍。王翦も楊端和もこの戦闘に加わろうとはせず、当然のことのように直進していきます。
河了貂(かりょうてん)によると、これは、3軍が同時にそれぞれの局面に対応できるという強みだそうです。王翦からは、何があっても本命をとりにいくという強い意志が感じられますね。
とうとう王翦を先頭とする秦軍の列は、黄河と山脈に挟まれた城都“列尾”に辿り着きました。この“趙の国門”といわれる城都の攻略を任されたのが、楊端和(ようたんわ)と飛信隊。周囲からは、攻城戦に不慣れな山の民と、飛信隊だけで大丈夫? と不安視する声も。また、攻城戦の場合、攻めより守りの方が、士気が高くなるといいます。信にいきなりの正念場です!
史実でもあった戦い
今回の秦vs.趙の戦い「鄴攻め」は、史実にもある戦いです。
『史記』によると、
「(始皇)十一年、王翦が主将、桓齮が副将、楊端和が末将となり、軍をあわせて鄴(河北・彭城)を攻めたが、なかなかおちいらず、まず九カ城を取った。」(司馬遷『史記1 本紀』筑摩書房、1995)
といった内容の記述があります。
『キングダム』と違って、将軍の順位が「主、副、末」と決まっていますし、作戦や将の具体的な動きはわかりませんが、本当に血と汗が流れたと思うと何ともいえない感情になりますね。
アニメならではの注目ポイント
アニメならでは、アニメだからこそ、のすごい点にもご注目ください。
音
今回の話は、大規模な人と馬の直進していくところが多かったと思います。そこで、注目して欲しいのが、音です。
澤野弘之さんの音楽の上に、馬の足音、砂の舞う音、群れの圧、兵士の話し声、鎧が馬上で揺れる音、とさまざまな音が乗っているのですが、これが不快ではありません。むしろ心地いいくらいで、うるさいといった感じはしないのです。
さりげない気遣いが効いていて、かつ音楽とも合わせてある、プロのお仕事だと思います。
場所のわかりやすさ
今話というよりは、今期始まって以来ずっとそうなのですが、地理がわかりやすく説明されているということも、嬉しい注目ポイントです。
漫画ではページを戻って地図を確認できますが、アニメではそうはいきません。そのためなのか、中国の地形や地名をまったく知らなくても、軍が今どこにいてどこに向かっているのかが、台詞の中でわかりやすく説明されています。地形図の模型がたびたび映るのもいいですよね。
今は東に向かっていて、Aを攻めようと見せかけてBを攻めようとしているというのが、頭の中にありながら観ることができるのは助かります。難しい説明などしなくても、観ている側にわからせてしまう監督の賢さが光るところだと思います。
次回は、第5話「列尾攻城戦」
次回は、第5話「列尾攻城戦」。楊端和率いる山の民連合軍と飛信隊が、どのように城攻めをするのか、不安あり期待ありといったところです。
第4話の最後で楊端和は、列尾を「半日で落とす」と言っています。しかも、「城攻めは、単純だ」「城壁を登って、裏に回って内から門を開け、舞台を突入」とも。
信と河了貂は「えっ」「いやっ、だからっ」とたじたじです。攻城戦の大変さを本当にわかっているのか? と楊端和を見ていましたが、どうなることやら。
また、今期に新たに飛信隊に加わった兵たちには、初めての実戦になります。相当鍛えられたことと思いますので、自信を持って頑張って欲しいですね!