横浜こども歌舞伎 初のクラファンに挑戦 公演を継続するため
YCVテレミン商店街(天王町商店街協同組合/安田峰雄理事長)は現在、11月17日(日)に橘樹神社の神楽殿で行われる保土ケ谷こども歌舞伎の開催に向け、クラウドファンディングに挑戦している。
旧東海道五十三次の四次目として栄えた保土ヶ谷宿の一部として、江戸時代から続く神奈川の要所として歴史と文化が色濃く残る天王町地域では、伝統文化を大切にしている。様々な地域行事を行う中で、子どもたちに本物の歌舞伎に触れ、演じる機会を作りたい、との思いで2013年に初公演を行ったのが「保土ケ谷こども歌舞伎」だ。安田理事長によると、初公演以来同商店街の事業主らが協力してボランティア精神の元に開催をしてきたが、コロナ以降は厳しい運営状況になったという。
「子どもたちに伝統文化を体験してもらうためにはゴム製のかつらではなく、子どもの頭に合わせて手仕事で作られる本来歌舞伎で使用されるかつらや飾りに触れてもらいたい。そして、伝統文化に触れた経験をもとに、いつか地域の新たな担い手として活躍してもらいたい」と願う安田理事長。安定した資金を確保して今後も継続して開催をするために、「横浜・保土ケ谷こども歌舞伎実現プロジェクト」を立ち上げ、クラウドファンファングに挑戦することになった。
様々なリターンを用意
目標額に設定したのは35万円。集まった資金は役者たちが劇中に使用する小道具や、舞台を彩る背景幕など大道具の製作費用に充てられる。同クラウドフォンディングに支援した人に対するリターンは「特製エコバッグ」、「特製手ぬぐい」、「名前入り提灯の掲示」、「鑑賞プレミアムシート」、「ステージ出演権」が同商店街から用意されている。また、地元の事業主らから返礼品が提供されており、「老舗喫茶店でのランチセット」(喫茶シーポート)、「ペン立ての制作体験」((株)ワカバヤシ)、「セット予約券/カット・シャンプー・シェービング・マッサージ」(BARBERじゅうごや)、「歌舞伎応援店内サイネージ動画CM配信・出演/15秒」(イオンスタイル天王町)など。
安田理事長は「日本の歴史や伝統文化を大切にして継承していきたいという想いが強いです。商店街の仲間や多くの事業主の皆さんに賛同を頂いて感謝している。今年参加する10人の子どもたちは本番に向け8月から練習を重ねている。当日はぜひ足を運んでいただきたい」と述べた。
今年の演目は「弁天娘女男白波『稲瀬川勢揃いの場』」。1の部午前11時30分から、2の部午後3時30分から。なお、10月3日時点で29万1千円が集まっている。