転職を考えている20歳代の約半数が「五月病」を経験、企業が取る退職防止策は マイナビ調査
転職を考えている20歳代の約半数が「五月病」になった経験があることが、マイナビ(東京都千代田区)が5月1日に公表した「中途採用・転職活動の定点調査」の結果からわかった。また、企業の約2割が、ゴールデンウィーク後に懇親会や面談などの退職抑制策を行っていることも明らかになった。
企業からはコミュニケーション機会を取ることや、「長期休暇明けに精神的にも負担を掛け過ぎないようにする」といった工夫が見られた。
全体でも4割近くが「五月病」を経験 若年層ほど「環境変化やプレッシャーに敏感」
調査は4月にインターネットを通じて実施した。対象は従業員数3人以上の企業に所属している全国の20歳代から50歳代の正社員のうち、前の月に転職活動を行った人、今後3か月で転職活動を行う予定の人、直近3か月で中途入社した人で、有効回答数は1370件だった。
調査結果によると、全体の37.0%が五月病になったことがあり、特に20歳代では約半数の49.0%が五月病を経験していた。
年代別で見ると、年代が低いほど五月病の経験割合が高く、マイナビは「環境の変化や仕事のプレッシャーに敏感な可能性がうかがえた」と分析している。
また、転職検討中の転職経験者の19.6%が五月病を原因に転職を経験しており、年代別では20歳代が35.2%と最も多かった。
五月病が原因で転職した理由は「職場の人間関係が上手くいかなかった」「元々、会社の上司とうまくいっておらず、休み明けに行くのがしんどくなった」などの意見が上がった。
半数の企業が「懇親会」「面談」などの退職抑制対策を実施
五月病による退職抑制の対策については、51.5%の企業が対策を取っていた。ゴールデンウィークなどの前後だけでなく、日常的に退職抑制の対策をしている企業が多かった。
具体的な対策例については、「面談」や「懇親会」の実施など、「企業側で社員とのコミュニケーション機会を設ける」といった回答が目立った。
また、ゴールデンウィーク後の対策例として「あまりストレスを掛けないように、ゆっくりと業務に当たらせている」といった回答もあり、長期休暇明けに精神的にも負担を掛け過ぎないようにするなどの対策が上がった。
五月病の仕事への影響は「やる気が出ない」、十分な休息・睡眠で対策を
「五月病が仕事にどのような影響を与えるのか」について、心療内科、精神科クリニックを展開する徳志会(東京都品川区)が全国の社会人400サンプルを対象に実施したアンケート調査によると、約7割が「五月病が仕事の業務遂行に影響を与えた」と回答し、「仕事のやる気が出ない」(37%)「朝起きられない」(24%)といった回答が多かった。
また、「五月病」が仕事に対して影響を与える期間は、約7割の人が1月以上、五月病が仕事へ影響を与えたと回答した。
個人でできることとしては、「休息や睡眠を十分にとること」が五月病の対策として有効そうだ。
オイシックス・ラ・大地(東京都品川区)が4月に15歳から65歳の男女838人を対象に五月病の実態を調査したところ、45%が「五月病を経験したことがある」と回答した。
五月病の解消に効果的な方法を聞いたところ、「休息や睡眠を十分にとること」との回答が66%で最も多く、「運動・趣味などに打ち込む」(49%)、「周囲の人に相談する」(19%)と続いた。
当メディアでも、新人研修などが落ち着き、実際の仕事を始めた6月頃に意欲が低下してしまったり、会社を辞めたくなったりしてしまう「六月病」について解説をしている。
マイナビの発表の詳細は同社の公式プレスリリースで確認できる。
徳志会の発表の詳細は同社のプレスリリースで確認できる。
オイシックス・ラ・大地の発表の詳細は同社のプレスリリースで確認できる。