プレミアム商品券の当選発表で大混乱 市民は皮肉「静岡市だから…」、「公務員らしい」
■午前中に予定→夕方頃に変更→午後9時に発表
静岡市が発行するプレミアム付きデジタル商品券「しずトク商品券」の2次申込みの当選結果が7月1日、発表された。当初は午前中に結果発表する予定が夕方に変更され、結果的には午後9時頃まで延びる事態となった。市民からは「静岡市だから想定できた」、「遅れた理由が説明になっていない」といった呆れる声が上がっている。
しずトク商品券は静岡市が物価高騰対策の一環として開始した。1口5000円で6250円分の買い物ができる。市は52万口を発行して4月に申し込みをスタート。しかし、申し込みは31万口にとどまり、6月3日から2次募集を開始した。
2次募集は6月23日までで、7月1日が当選結果の発表となっていた。静岡市によると、発行21万口に対して、53万口の応募があった。1日の正午までに結果発表を予定していたが、予想を超える申し込みによって対応が遅れたという。しずトク商品券の専用アプリには正午頃、次のようなメッセージが表示された。
「非常に多くの申し込みを頂戴したこともあり、システム連携にお時間を頂戴しております。全ての対象者さまへの当選通知反映が夕方頃になる見込みです」
このメッセージはアプリのユーザー全てに配信されたため、2次販売に申し込んでいない人にも送信された。また、この時点で専用コールセンターには問い合わせが殺到していたという。
■市民から呆れる声「言い訳になっていない」
当選結果の発表を「夕方頃」と案内してから約7時間後の午後7時前、「続報」として再びメッセージが配信された。さらに時間が遅れる知らせだった。
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「2次販売の当落通知につきまして、本日12時時点でのお知らせにて夕方頃の完了見込みと記載しておりましたが、システム連携の完了見込みが21時頃となっております」
結局、当落通知が届いたのは午後9時頃となった。この日はポップアップで何度もしずトクのメッセージが表示されるなど、混乱を露呈。申し込みが予想を上回ったとはいえ、申し込みの締め切りから結果発表まで1週間の期間があっただけに、市の対応に呆れる市民は多かった。
SNSなどでは「システム連携に時間がかかっているという説明は言い訳になっていない。応募者が多かったことが理由なら、あまりにも仕組みがひどい」、「見通しが甘い静岡市なら、あり得ると思っていた。準備不足なのか、時代に対応できていないのか」、「公務員らしい緩い仕事。民間会社でクライアントに同じようなミスをしたら、二度と仕事する機会はない」と厳しい意見が並んだ。
■当選者は7月21日までに購入 繰り上げ当選の可能性も
しずトク商品券の当選者は7月21日までに購入する必要がある。期限を過ぎても購入せずに商品券が余った場合、繰り上げ当選する可能性もあるという。また、家族が子どもの代理で購入した分の当落発表は7月下旬に予定されている。
しずトク商品券は発表段階から、「なぜ、わざわざアプリにして税金をかけるのか」、「市民に定額で支給しないと不平等」といった声が上がっていた。1次募集では想定を大幅に下回り、2次募集では予想を上回って対応が遅れた。本来は市民に感謝されるはずの物価高騰対策は、静岡市に対する市民の不信感や不満が募る形となった。
(SHIZUOKA Life編集部)