私がiPhoneに見切りをつけて「2つ折りのAndroid端末」に移行した、これだけの理由
2025年2月20日、Appleが新型iPhoneを発表した時、私は「とうとう来たか」と思った。買い替え時が来たのだ、新しい端末「iPhone16e」に買い替える……のではなく! Android端末に乗り換える時が来た!
というのも、iPhone16eは「SEシリーズ」の実質的な後継機と言われているのに、販売価格は9万9800円。SEシリーズは低価格が売りの1つだったはずが、もう10万じゃないか。おまけにそれほどまでに革新的とは思えない上に、デカくなってやがる。
小さくて安いのがSEのメリットだったのに、デカくなって高くなったら、もうそりゃSEじゃない! ってことで、iPhoneに見切りをつけて、2つ折り端末にしました。なぜそうしたのか、理由を述べさせて頂こう。
かねてから2つ折りスマホは気になっていた。2024年9月に出たMotorolaの「razr(レイザー)50」は、3.6インチの外部ディスプレイを備えていて、開かずとも操作できるという。
それいいなあ、ちょっとカッコいいなあ。家電量販店でデモ機を手に取って、その使用感をたしかめる度に、私の心は揺れていたのだった。
ちなみに昨年12月にはその上位モデルの「Motorola razr50 ultra」も発売されている。こちらは外部ディスプレイが4インチで、50よりもさらに大きくて見やすい。
そちらも良さそうだったけど、2つ折りは耐久性の問題があると判断し、壊す可能性も考慮して、買うなら安い方と考えていた。
・SEの実質的な後継機はよりデカく、より高く
iPhone16eが発表される前までは、それほど真剣に乗り換えを考えているわけではなかった。SEの後継機と言われている機種なら、きっと私の期待に応えてくれるはず。そう信じていたからだ……。
SEにこだわるのには理由がある。私は手が小さいのでデカいスマホは持ちづらいのである。iPhone5sや初代SEは理想的なサイズだったのに、第2世代からデカくなってしまって、それでもガマンして今日まで使ってきた。
小さくしろとは言わないけど、せめてこのままで。ギリ手に収まるサイズで言って欲しい。可能なら価格もそんなに高くないと助かる。
そんな風に考えていたのに、期待したサイズではなく6.1インチに拡大。もうこの手では持てん。おまけに価格もほぼ10万。第2世代の販売当時の価格が容量64GBで税別4万4800円。私の使っていた128GBが税別4万9800円だ。倍だよ、倍! 2倍、2倍!!
経済事情が当時と違うのはわかってるけど、2倍払ってそこまで進歩の感じられない端末を買っても、トキメキそうもないのだよ。う~ん、どうしよう……。
・スマホに何を求めているのか?
そこで私は今一度考えてみた。私自身、スマホに何を期待しているのか? と。
そもそも私は、スマホで動画を見ない。YouTubeを見ない、アマプラとかネットフリックスとかも見ない。せいぜいInstagramの動画を多少見る程度。Tiktokはアプリすら入ってない。次に漫画も見ない。ゲームもしない。動画・写真撮影は主にサブ機のPixel7aでやってる。
じゃあ、iPhoneで何をやってるかっていうと、SNSの投稿と閲覧、それからSpotifyやダウンロードした音楽を聞いている。その程度だ。
それならハイスペックでなくても良いよね。最新機種である必要もないし、さらにいうと、SE第2世代が5G回線に対応してなかったから、回線契約は4Gのまま。それでも不便に感じたことがない。なにしろ動画見ないから、回線が遅くてもあんまり苦じゃなかった。
そうするとiPhoneでなくてもいいじゃないか。まわりがみんなiPhoneだから使ってるだけで、Airdropの利便性は捨てがたいけど、それも何とかなる。
あまり惹かれないiPhone16eを買うなら、心が揺れたアレを買うしかない。価格も16eと同等なら、欲しい方を手にするべきだな。ということで、ヨドバシカメラ新宿西口店で、razr50を購入したのであった。
少し余談だが、razr50の店頭価格は13万台だった。しかしヨドバシの販売サイトで価格を確認すると税込で11万6800円だったのである。このことを店頭でスタッフに伝えると、販売サイトの価格で購入することができた。2万円の開きがなんだったのかは確認していない。
後日、あらためて値段を確認にいくと、店頭価格はやっぱり13万円台。購入予定の人は、販売サイトの価格も確認した上で、お店に行くことをオススメする。いっそ、楽天市場などのサイトで購入した方がいいかもしれない。
・とにかくまず設定
さて、話を戻そう。そんなこんなでずいぶん前から目をつけていた端末を買ってきた。同梱品は本体とカバーしかなく、充電器もケーブルも付いていない。
それでいいのだ、これまでに何本不要なケーブルが貯まったことか。今の時代、大抵みんな持ってるので付けなくていい。
すぐにでもパカパカしたいところだけど、まずは設定。SIMやアプリを移して、少しでも早く使える状態にしなくては。
ってことで、2台の端末をケーブルで接続してあとは放置。待つ以外にとくにやることはない。
最低限の設定を行って、とりあえず使える状態を整えた。細かいところは使いながら調整するとしよう。
・面倒くさいけど困らない
それから数日間razr50 を使っているが、大きく困っていることは、今のところない。少し昔ならAndroid端末は挙動がもっさりしていてOSが頻繁にクラッシュするなんてこともあったけど、少なくともこの端末では全くない。
Airdropを使えない不便はあるものの、SIMを抜いたiPhoneSEを持ち歩き、アプリを使ってAndroid → iPhoneに画像や動画を転送した後に、Airdropすればいいだけの話。面倒くさいだけで困るようなことではない。
ダウンロードした音楽を聞くのに若干苦労した。なぜなら、iTunesで購入した楽曲がスムーズにコピーされなくて、ほとんどのファイルが壊れた状態でAndroid端末に入ってしまったから。
とはいえ、それもパソコン経由で新しくコピーすればいい。これも面倒なだけで困ることでない。むしろ、聞いてない楽曲を整理する良い機会になっている。
これとは別に、余分なひと手間が現在進行形でかかっている。それはXアカウント移行に失敗して、ログインできない状態になっていること。現在アカウントの復旧を試みている状態だ。
でもやっぱりコレも、本当にXは自分にとって必要なのか? と見直す良い機会と捉えている。Xのない生活が数日続いているのだが、それもそれで悪くない。このことについては別途記事でお伝えしよう。
・手に収まり、外部ディスプレイで完結
私にとって、razr50の最大の魅力は手のひらにスッポリ収まることだ。
収まりが良いだけでなく、ちゃんと外部ディスプレイで操作もできる。画面が小さいことを除けば、すべてのアプリをちゃんと操作することができるのだ。たとえばGoogleフォトで撮影画像を確認できて……
画像をタップすると拡大表示。
Instagramで投稿画像を確認。画面サイズに投稿画像・動画が収まり切れらないけど仕方ない。
LINEの閲覧もできるし、返信も問題ない。
ロケットニュース24のアプリもご覧の通り。
ただし、上部の広告が画面に占める割合は大きくなってしまう。
広告をスキップする「×」印はビビるほど小さくなってしまう。とはいえ、当サイトはまだ良い方で、標準的なディスプレイサイズでも「×」の小さい広告の場合は、虫眼鏡でも使わないと押せないほど小さくなってしまう。
使用頻度の高い地図アプリも手のひらで確かめられるのは嬉しい。これなら歩きながら地図を確認しやすいな。
外部ディスプレイを見ながら、外部カメラで撮影できるのも2つ折り端末の強み。
広角でも撮れます。スタンドポジションで端末を置いて、画面に手をかざす「ジェスチャー自撮り」を使用すれば、端末置きっぱなしで手ぶら撮影もOK!
いろいろ可能性を感じさせてくれる端末ではあるけど、2つ折り端末最大の強みにして弱点は、ヒンジ部分かな。
この部分がどれだけの耐久性を備えているか、確認できていない。1年もつか? それとも2年、3年ともってくれるのか? 一般的な形状の端末でないだけに、不安は残る。それでも手のひらに収まるサイズは、その不安を補って余りある。
いずれにしても、新型iPhoneへ寄せた期待はAndroidで解消した。末永く使える端末であることを願っている。
参考リンク:Motorola、Apple、ヨドバシカメラ、楽天市場
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24