三戸海岸 先祖の霊、わら船で海へ 伝統の「オショロ流し」
三浦市初声町三戸に伝わる盆の伝統行事「三戸のオショロ流し」が8月18日、三戸海岸であった。「セイトッコ」と呼ばれる子どもらが麦わらと竹で編まれた「オショロ船」を沖まで引き、先祖の霊を送った。
江戸時代後期から続くとされ、2011年には国の重要無形民俗文化財に指定されている。毎年上谷戸、北、神田の3地区が実施しているが、少子化による担い手不足で17年からは合同で1隻を送り出している。
この日は早朝から保護者や地域住民らが海岸に集まり、全長5mほどの船を製作。5色旗や花飾り、新盆の家庭で使われた白提灯で飾り付けた。
僧侶が読経を終えると9人が海へ。初声中学校2年生の青木崇真さんは「楽しんで泳げた。先祖にも楽しい気持ちで帰ってもらえたら」と笑顔。三戸区長の澤村吉彦さんは「継承が難しくなりつつあるが、代々続く伝統行事。何とか後世に残していきたい」と語った。