竹芸で魅せる「人間国宝」 しなやかに新しい創造を
大磯町在住の藤塚松星さん(75)=本名・藤塚洋史さん=は国重要無形文化財「竹工芸」の保持者として昨年7月、国の文化審議会文化財分科会で追加認定された。
「人間国宝」とも呼ばれる栄誉に「70歳も超えて、ひっそりとやっていこうかなと思っていたけれど、認定されたからにはもっと頑張らなければ」と笑いながら話す。
23歳から竹工芸作家の馬場松堂氏=本名・助治さん=のもとで腕を磨き続けた。竹を加工して花かごや盛かごを作るなか、大好きな天文をテーマにした『天の河』や『彗星』などの独創的な作品も生み出した。
挑戦が出会いに
自身が生み出した、見る角度によって色が変わる技法「彩変化」が評価され、最近では海外のフラワーアーティストから依頼された複雑な曲線を合わせた花器も制作。「渡された設計図を見た時はびっくりしたけれど、やってみようと決意した」と新たな挑戦にも臆さない。
「長年続けて師匠やいろいろな人と出会えた」と竹工芸を通じた経験をもとに、今後は普及のため「多くの人に竹芸を知ってもらう機会を作りたい」と意気込んだ。