コロナ乗り切っても資材価格や人件費高騰に勝てず… “浜松市民の足“が10年ぶり値上げ
■天竜浜名湖鉄道が運賃値上げ 初乗り20円増で220円に
浜松市民の足となっている天竜浜名湖鉄道が10月1日から運賃を値上げする。資材価格や人件費高騰への対応が目的で、初乗り運賃は現在の200円から220円となる。
天竜浜名湖鉄道は今年8月6日付で国土交通省中部運輸局宛に旅客運賃上限変更認可申請を提出し、9月5日に認可を受けた。普通運賃は全区間10%引き上げされ、初乗り運賃は20円増加の220円となる。
定期は通勤が10%、通学が5%引き上げられる。普通運賃を含めた引き上げ率の平均は8.8%となっている。天竜浜名湖鉄道は認可申請の際、運賃を値上げする理由を次のように説明している。
「故障が多発する老朽化した車両の更新が必要なこと、加えて昨今の資材費、人件費の高騰や施設の老朽化に伴う施設設備費の増加、自然災害の増加による保険料の高騰および燃料費の高騰など極めて厳しい経営状況化にあります。収支の改善を図り、今後も当社が地方鉄道としての役割を安全、確実に果たし、また、旅客サービスの維持・向上のため旅客運賃改定の申請に及んだ次第です」
運賃改定は2014年4月1日以来で、収支改善を目的にした運賃値上げはしてこなかったという。天竜浜名湖鉄道は「新型コロナウイルス蔓延期間中も経費削減のための減便もせず、利益確保の取り組みと経費節減努力によって地域の足としての役割を果たしてきた」としている。
(SHIZUOKA Life編集部)