ニック・ファジーカス、比江島慎、富樫勇樹、田中大貴など歴代MVPで振り返るBリーグ栄光の歴史!〈その⓵〉 【バスケ】
Bリーグ歴代MVP 〈2016-17~2019‐20〉
開幕9シーズン目を迎えた国内プロバスケットボール・Bリーグ。今やその人気はプロ野球やJリーグといった“メジャースポーツ”にも引けを取らないレベルまで到達し、強豪クラブのチケットは入手困難になるほど。『ラブすぽ』では今回、そんなBリーグの歴史を過去のシーズンMVP受賞選手とともに振り返ります!
【全2回の第1回】
2016‐17シーズンMVP
ニック・ファジーカス(川﨑ブレイブサンダース)
【STATS】
60試合 1試合平均27.1得点、12.7リバウンド、2.4アシスト、0.8ブロック、0.8スティール
記念すべきBリーグ初代MVPに輝いたのは川崎のニック・ファジーカス選手。元NBA選手でもあるファジーカス選手は2012年に来日し、東芝(現川崎)に入団。NBLでもトップ選手として活躍し、Bリーグ開幕シーズンでは初代得点王も獲得。クラブは中地区優勝を果たし、チャンピオンシップでは栃木ブレックス(現宇都宮)に敗れて惜しくも準優勝に終わるも、個人としては圧倒的な存在感を発揮しました。豊富なシュートセレクト、高さを活かしたリバウンドやゴール下でのディフェンス、さらにはゲームメイクもできる「万能型ビッグマン」としてBリーグを席巻。昨シーズン限りで現役を引退するまで、川崎の象徴として多くのファンから愛された選手でもあります。
2017‐18シーズンMVP
比江島慎(シーホース三河)
【STATS】
55試合 1試合平均12.9得点、4.1アシスト、0.6リバウンド、1.2スティール
Bリーグ2代目MVPは現在、宇都宮でプレーする比江島慎選手。当時27歳とバスケ選手としては脂の乗り切っている時期で、「比江島ステップ」と呼ばれる独特のリズムから繰り出される鋭いドライブで得点を量産。クラブを中地区優勝、B1全体最高勝率に大きく貢献しました。ちなみに、昨シーズンはB1で3ポイント成功率1位に輝いた比江島選手ですが、当時は今とプレースタイルがやや異なり、積極的に3ポイントを狙うのではなく、インサイドにガンガン切り込んでいくタイプ。191センチの長身ながら高い身体能力とスキルを兼備する「超攻撃的選手」で、当時から日本代表でもエースとして活躍していました。
2018‐19シーズンMVP
富樫勇樹(千葉ジェッツ)
【STATS】
60試合 1試合平均14.0得点、5.5アシスト、1.9リバウンド、0.8スティール
Bリーグ初年度からリーグの顔として君臨する千葉Jの絶対的司令塔・富樫勇樹選手が3代目MVPを受賞。スタッツを見ても分かるように、得点、アシストともに高水準で千葉Jも52勝8敗、驚異の勝率.867をマークしてB1東地区を制覇。ただ、チャンピオンシップではファイナルでアルバルク東京に敗れて惜しくも準優勝に終わっています。ちなみにこのシーズンオフ、富樫選手はBリーグ史上初となる年俸1億円超えで千葉Jと契約を更新。これはBリーグが「プロスポーツリーグ」として確かな成長を遂げた象徴的な出来事として、大きな話題を呼びました。
2019‐20シーズンMVP
田中大貴(アルバルク東京)
【STATS】
39試合 1試合平均11.1得点、4.8アシスト、1.6スティール、1.8リバウンド
コロナ禍によってレギュラーシーズンが3月で打ち切りとなった2019‐20シーズンのBリーグ。チャンピオンシップは行われず、内きり時点での勝率で各地区の優勝クラブのみが決定しましたが、東地区を32勝9敗、B1最高勝率の.780で制したA東京の日本人エース・田中大貴選手がMVPを受賞。昨シーズンからサンロッカーズ渋谷でプレーする田中選手ですが、トヨタ時代からA東京のエースとしてコンスタントに平均2ケタ得点をマーク。甘いルックスも相まってリーグ屈指の人気選手として現在も活躍しています。
文・花田雪