YouTubeの再生回数を稼ぐため線路に侵入 自転車やガスボンベを置いて撮影した男が逮捕(印)
SNSで注目を集めるために非常識な行動に出る投稿者が後を絶たないが、このほどインド在住のユーチューバーの男が、列車を利用する何千人もの乗客の命を危険に晒したとして逮捕された。男は線路上に自転車やガスボンベなどを置いて、列車が通過する様子を撮影し公開していた。インドのニュースメディア『Hindustan Times』などが報じた。
【動画】自転車、レンガ、ガスボンベなどを線路上に置き、列車が通過する様子を撮影していた
印ウッタル・プラデーシュ州カンドローリ在住のユーチューバーの男、グルザール・シェイク(Gulzar Sheikh)が現地時間1日、線路上で危険な行為をしたとして逮捕された。グルザールは自身のYouTubeチャンネル「Gulzar Indian Hacker」に動画を公開するため、線路内に侵入してレールの上に自転車やガスボンベなどを置き、列車が通り過ぎる様子を撮影していた。
ウッタル・プラデーシュ州当局は、乗客を危険に晒しているという苦情を受け、グルザールの逮捕に踏み切った。SNSで拡散されているグルザールの動画には、列車が汽笛を鳴らして警告する中、線路に入って自転車、レンガ、ガスボンベ、または生きた鶏などをレールの上に置くグルザールの姿が映っていた。
グルザールのYouTubeチャンネルはすでに閲覧できなくなっているが、インドのニュースメディア『Organiser Weekly』では、グルザールは243本を超える動画を公開しており、チャンネル登録者数が23万5000人以上、動画の総再生回数が1億3700万回以上だったことを伝えている。
グルザールの最初の危険行為と見られる動画は、今年1月に公開したイヤホンをレールの上に置いて撮影したものだ。その後、レールの上に500グラムほどの重りと斧を置く動画をアップしており、彼の行動はどんどんエスカレートしていった。そんなグルザールの危険な行為を知った人たちからは、次のような声が寄せられている。
「こんな動画、面白くもなんともない! この男は刑務所に入れられるべきだ。」
「最近の人は再生回数のためなら何でもするんだよね。恥ずべきことだよ。」
「一体、この男は何を考えているんだ! 線路が自分の遊び場だとでも思っているのか?」
また、一部の人からは「インドの鉄道は天国へ直行する列車を運行している」というコメントも届いており、インドでの列車に対する危険行為による事故が多いことを浮き彫りにしている。『Organiser Weekly』によると、2018年から2022年の5年間で列車への投石や危険行為が334件発生し、その中で少なくとも9件の脱線事故が起こったという。
鉄道防護部隊(RPF)は、グルザールに対して線路への不法侵入、公共での迷惑行為、鉄道施設に損傷を加えた罪で告訴している。
画像は『Trains of India X「This is Mr Gulzar Sheikh from Lalgopalganj」』より
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)