オーバーツーリズム問題。アクセルを踏むばかりでいいのか?
大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日13時~15時30分)、7月24日の放送に九州大学アジア・オセアニア研究教育機構准教授の田中俊徳が登場。先月発売された『オーバーツーリズム解決論 – 日本の現状と改善戦略 -』にちなみ、昨今のオーバーツーリズム問題を解説した。
大竹まこと「いま日本はどれぐらいの外国の方がいらしているんですか?」
田中俊徳「かなり増えてきましたね。コロナの間は減りましたけど、また増えてきて今年は3300万人ぐらいいくのでは、となっています」
水谷加奈「この前、京都へ行って。清水寺が『ここ、どこなの?』『崩れ落ちるんじゃないか』というぐらい、すごい人で。ゆっくりできない、どうにかならないの、と私は思っています」
大竹「たくさんの方が日本に来てくれて。お客さんを迎える観光産業に国もずいぶん注目しているみたいですね」
田中「観光産業はいま成長産業で非常に黒字が出ています。世界の人たちに来てもらう、楽しんでファンになってもらう、すごく大事だと思うんです。一方でこのオーバーツーリズムという問題がありますね」
大竹「日本の状況でいうと、いろんな産業が伸びていけばいいけれど、オーバーツーリズムだ、観光産業だ、ということで一気にそこが膨らんでいますよね」
田中「政府も2030年までに6000万人を目指すと言っていますけど、アクセルばっかり踏んで」
大竹「どこへ行っても外国の人がたくさんいるな、と。しかもいま円安だから、マック指数というのがあるけど『日本は何買っても食っても安いな』というか。築地の海鮮丼(インバウン丼)だっけ。特別な外国人料金、というわけではないですよね?」
田中「お店によって最近は二重価格のところも出てきています。あと一部の観光客向けの予約数を少し減らして、残りはもともとひいきにしている方にとっておくお店もあります」
水谷「京都はどうなんですか?」
田中「問題ですよねえ。私も長く住んでいました。いま特に厳しいのはバス。京都に住んでいる方が、税金も補填されているのに乗れない、ということがある。病院へ行きたいのに4、5本見過ごさないといけないとか。観光客は大きなスーツケースを持ち運びがちですよね。通路や入口を防ぐとか」
大竹「外国の人は意外と、デカい荷物を持つのが苦にならないみたいなんだよね。俺らだったらとりあえずこれ、ホテルに預けてそれから……と思うんだけど、そうじゃないみたい」
田中「私も海外へよく行くんですけど、特に中華圏の方はお土産文化があって、お土産を入れるのに(ケースが)重宝するじゃないですか。買い物へ行っていっぱい詰めて。到着した日だけでない、普通の日でも持ち運ぶ、ということがあるんですね」
このあとは高騰するホテル価格、富士山に関する問題などについても話した。詳しくはradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。