青陵中生徒が起業家に 商品開発、利益化など学習〈多摩市〉
都の起業家事業に参加し、起業について学んできた市立青陵中学校(岩崎紀美子校長)の生徒は11月6日、商品の販売会を体育館で実施した。小中学生の頃から起業を身近に感じ、将来の職業の選択肢を広げるという都が進める取り組みの一環。起業の重要な部分となる販売会で生徒らは学習の成果を発揮していた。
都内15校が参加
同校では今年度、1年生が総合的な学習の時間で起業家教育(アントレプレナー)に取り組んできた。都が進める小中学生起業家教育プログラムを監修する株式会社セルフウイングがサポートした。
今年の夏ごろから起業について学び始めた生徒は、1年生3クラスのうち5、6人一組でグループを組み、特別支援学級の生徒らも含む16グループが挑戦した。仕入れや資金集め、商品開発などを行い、事業計画書を作成して融資を受けるなどの流れを学んだ。
顧客役の2年生と3年生に商品を売るという設定で、商品の開発や価格の設定、CM・店舗の看板(ポスター)制作までを実施、社名や社長役まで決めて販売会を行った。CMを見た2、3年生は1500円分購入できる設定にし、1年生には価格に応じた販売数を決めて、黒字にすることが求められた。
完売する店舗も
カードゲームを500円で販売したグループはすぐに完売。社長役を務めた生徒は「中学生にうけるものは何かと考えた」と思い通りに売れたことに満足気な表情をしていた。永久に溶けない氷「エターナルアイス」を考案し販売していた生徒らは「暑い時に溶けない氷に夢がある」「800円に設定したのが高すぎた」などと話した。
その後、決算まで行ったが、同校では「起業の流れは複雑すぎて中学生にはレベルが高い。ただ、タブレットを使ったCM作りは上手に出来ていた。社会、経済の仕組みを学べたことが一定の成果」と振り返った。
地域の学校で起業家事業「社長になろう」プロジェクトを主催したことのある大槻税務会計事務所の大槻一夫所長は「売上や利益を計算するという日常ではできないことを体験できる良い機会。金銭や仕事の大切さを子どもの頃から学べるのは良いこと」と話した。