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伝統の地でバイクを味わい尽くす!「バイクのふるさと浜松2024」

MOTOINFO

10月12日(土)・13日(日)の2日間、浜松オートレース場にて、スズキ株式会社(以下、スズキ)・本田技研工業株式会社(以下、ホンダ)・ヤマハ発動機株式会社(以下、ヤマハ発動機)というバイク3メーカーの創業の地である静岡県浜松市にてビッグなバイクイベント「バイクのふるさと浜松2024」(以下、バイクのふるさと浜松)が開催され、約1万4千人の来場者で大いに盛り上がりました。2日目のイベントを取材してきた模様をレポートします。

バイクのふるさと浜松2024レポート

快晴に恵まれた「バイクのふるさと浜松2024」

浜松ゆかりの新旧バイクが勢揃い

人気の「Vストローム」や「GSX-Sシリーズ」、そしてベストセラーモデルである「Hayabusa」にも触れられた内容充実のスズキブース
ホンダブースでは「カブ」から電動バイクまで幅広いモデルがずらりと並びました
話題の「XSR900 GP」を筆頭に、「MTシリーズ」など豊富なラインアップでお出迎え

今回もっとも活気に溢れていたのが、イベントの顔とも言える浜松ゆかりの3メーカーの展示ブースです。勢揃いした各社の最新モデルに触れて跨がれるこのエリアには老若男女問わず人が集まり、目を輝かせながら気になるモデルに触れて、記念写真を撮られていました。そこには各モデルの未来のオーナーもいたことでしょう。


日本の戦後復興期を支えた名車が並ぶ貴重なシーンが広がっていました
1963年の世界選手権ロードレースの最終戦・日本グランプリに出場したレーサー、ホンダ「CR93」も展示。本日のイベント「異種対抗0-100mレース」で実際に走行する姿がお披露目されました

第3スタンド下の室内には、戦後の復興期から昭和の激動期に活躍した歴史的なバイクが展示されていました。スズキ、ホンダ、ヤマハの創世記モデルや、今は無き戦後のバイクメーカーのモデルが並ぶさまから、この浜松が現代のバイク文化のルーツを生み出した街だと証明しているようでした。参加者は滅多に目にすることがないビンテージバイクの数々を前に、バイクの歴史の深さに感じ入っていました。


世界最高峰のバイクレースMotoGPや鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦する3メーカーのマシンが一堂に介しました

メインスタンドがある施設内には、鈴鹿8時間耐久ロードレース(以下、鈴鹿8耐)参戦マシン 「チームスズキCNチャレンジ GSX-R1000R」、ホンダ「RC213V」、ヤマハ「YZR-M1」というバイクメーカー3社のレース参戦マシンが勢揃い。ビンテージバイクから現代の最高峰モデルまで堪能できるのは、この「バイクのふるさと浜松」だけかもしれません。

バイクと触れ合うイベント盛りだくさん

オーバルコースの競走路ではコンテンツが充実。試乗車も数多くありました

浜松オートレース場ならでは、と言える競輪の競走路を使ったコンテンツが数多く用意されていました。1日目に実施されたコース内のウォーキングをはじめ、競走路での試乗会や交通安全パレードランが催されました。


安全基準を満たした服装とヘルメットを持参すれば参加可能な試乗会には、予約受付に並ぶ長蛇の列ができていました。普段は入れない競走路で最新モデルに試乗できる機会はそうあるものではありません、参加者は左回りのコースを気持ちよく駆け抜けていました。


自転車に乗れる小学生なら参加可能なバイクスクール
プロテクターとヘルメットを装着した未来のライダーが、バイクの扱い方を勉強中です
ギアが2速に固定されたバイクで、発進と停止を繰り返しながら徐々にバイクに慣れていきます

家族で楽しめる体験型カリキュラムで人気が高かったのが、この「親子バイクスクール」です。5人の小学生ライダーで1グループを形成し、準備されたメニューをこなしながらバイク体験していくものです。両親がライダーというご家族もいれば、全員がバイク未体験というご家族もいるなど、参加者の背景はさまざま。


主役である子供たちは誰もが真剣な眼差しでバイクを操り、短時間ながらメキメキと上達していくさまが分かるほどでした。最後は満面の笑みとともにカリキュラムを終了し、バイクの楽しさを存分に堪能してくれていました。


二輪車安全運転指導員の後ろに乗ってタンデム走行を味わう「バイク二人乗り体験」

2日間とも実施された「バイク二人乗り体験」は、インストラクターが操るバイクの後ろに乗る体験型コンテンツで、当日申し込みで先着20名までという設定があっというまに埋まるほどの人気ぶりでした。ライディングスクールで指導する立場であるインストラクターとのタンデム走行は、安全運転に配慮しながらバイクの性能を引き出すテクニックにも長けていることから、日頃バイクに乗る人でも「速くて上手い」と感じずにはいられない走りを味わわせてくれます。バイク本来のスポーツ性や爽快感を体験してほしいという意図から生まれた企画で、参加者は期待以上の体験を手にしていました。


参加者の目を釘付けにするトライアルライダーのデモンストレーションも実施

特設ステージでは、トライアルライダーの日下達也(くさかたつや)さんと鈴木泰亮(すずきたいすけ)さんによるトライアルデモンストレーションが開催されました。急ブレーキから後輪を浮かせて180度ターンといった技から始まり、とてもバイクでは登れそうにないほぼ垂直な坂道を駆け上がるなど、まるで手足のようにバイクを操るさまに観客からは何度も大きな歓声が上がっていました。


メインステージに登壇した浜松市出身のレーシングライダー、渥美 心選手によるトークショー
ヨシムラSERT Motul GSX-R1000R のカラーリングを模したスズキHayabusaで競走路を走る渥美 心選手

2024年の鈴鹿8耐で3位に入賞した浜松市出身のプロレーサーの渥美 心(あつみ・こころ)選手がステージに登壇し、日々の活動やこれから参戦するFIM世界耐久選手権への意気込みを語ってくれました。また、この日の12時30分にプログラムされた「デモ走行」では、鈴鹿8耐に参戦したヨシムラSERT Motul GSX-R1000R のカラーリングを模したスズキHayabusaでの走行を披露し、観客を大いに沸かせてくれました。


モトクロスバイクとエンデューロバイクによる0-100mレースでの一騎打ち。さて勝者は?
こちらはトライアルバイクとエンデューロバイクの勝負。スタートダッシュこそトライアルバイクが制しましたが、一気に追い上げたエンデューロバイクが抜き去りました
クラシックバイクのコーナーに展示されていたホンダCR93がついに実走

競走路を使ったレースコンテンツとして、エンデューロマシン、トライアルバイク、モトクロスバイクによる異種対抗0-100mレースが開催されました。それぞれの競技に特化したバイクがロードで対決したらどんな結果になるか?を実現したもので、誰も予想がつかないレースに注目が集まりました。


また、エキシビションマッチとしてクラシックバイクとして展示されていたホンダCR93がコースイン。今から60年以上も昔に開催された世界選手権ロードレースの日本グランプリで走った伝説のレーサーが実際に目の前を走るさまに、驚きと喜びの声が上がりました。


災害時に欠かせない発電機を被災地までバイクでどう運ぶか、実演を踏まえて解説してくれた浜松市災害バイクボランティア

ブース出展もしていた浜松市災害バイクボランティアからは、被災地に発電機などをバイクで届ける方法を実際に見せてくれ、災害時にバイクが活躍するさまを想像させてくれました。


「バイクのふるさと浜松」主催者に話を聞いた

浜松市 産業部 産業振興課 地域産業・市場創出グループ長 副主幹
鈴木一視氏

「バイクのふるさと浜松」実行委員会事務局を担う鈴木氏(浜松市職員)に、同イベントの魅力についてお話を伺いました。鈴木氏は昨年(2023年)浜松で開催された「バイク・ラブ・フォーラム in 静岡・浜松」でも登壇されています。

「『バイクのふるさと浜松』は、バイクメーカー3社の創業地である浜松から、ライダーはもちろん、より多くの方々にバイクの魅力を知ってもらうためのイベントだと考えています。イベントを通じて浜松のバイク産業やバイクの魅力に触れてもらうとともに、交通安全への意識も高めてもらえればと思います」

バイクの魅力が詰まった最新モデルやレースバイク、試乗会に加えて、正しいバイクの乗り方を学ぶライディングレッスンや白バイと消防バイク、災害時に役立つバイクが勢揃いする「バイクのふるさと浜松」は、そんな実行委員会の思いが形になったものなのです。

バイクのふるさとから発信される安全な楽しみ方

心地よい陽光に恵まれた「バイクのふるさと浜松」は、ライダーから家族連れまで訪れる大賑わいの2日間となりました。22回にわたってバイクの楽しさと安全性を伝え続ける本イベントは来年以降もここ浜松で催され、バイクのふるさととして多くのライダーに愛されていくことでしょう。新たなバイクの楽しみ方を知りたいライダーは、ぜひ来年「バイクのふるさと浜松」を訪れてみてください。


お問い合わせ先:バイクのふるさと浜松2024

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