色移りで“お気に入りの服”が台無しに…。「濃色衣類」の“NGな洗い方”と正しい洗濯知識
洗濯研究家の平島利恵です。濃色の服と白物を分けて洗うのって、正直少し面倒に感じることもありますよね。そんな時、うっかり白い服と一緒に洗ってしまい、色移りでお気に入りの服が台無しになった経験はありませんか? 実は、濃色の服は水に浸けるだけでも染料が溶け出すことがあります。今回は、濃色の服の色落ちの原因と防ぐコツ、正しい洗濯方法について詳しく解説します。
実験:新品の濃色服を水につけるとどうなる?
新品の濃色服を数分間水に浸けてみると、水に染料がしっかりと溶け出しているのが確認できました。
一見すると「こんなに色が落ちて大丈夫?」と思うかもしれませんが、均一に色落ちしていれば見た目にはほとんど気づかないこともあります。とはいえ、同じ洗濯槽に白い服を一緒に入れていたら……。色移りしてしまうリスクが高いのは明らかです。
この実験からも、濃色の新品衣類は単独で洗うのが鉄則であることが分かります。洗剤を使うとさらに染料が溶け出しやすくなるため、注意が必要です。
なぜ濃色の服は色落ちしやすいの?
濃色の衣類には、深い発色を出すために複数の染料が使用されています。例えば黒い服の場合、赤や青で下地を染めてから黒を重ねることが一般的です。そのため、染料が繊維に完全に定着していない場合、水や洗剤で溶け出しやすくなります。
また、色落ちしやすいからといって必ずしも「品質が低い」というわけではありません。高価なブランド服や発色にこだわった衣類は、家庭用洗濯機での洗濯を想定していないこともあるため、より丁寧なケアが必要です。
黒のみならず、青・赤・緑など鮮やかに発色する服を洗濯する際も注意しましょう。
濃色の衣類を長持ちさせる正しい洗濯方法
1. 洗濯表示を確認する
洗濯表示を見て「単独洗い」「30度以下の水温」などの指示がある場合は、色落ちリスクが高い証拠です。
2. 白物や明るい色の服とは分ける
濃色の服は単独で洗濯するか、濃い色同士で分けて洗いましょう。色移りを防ぐ基本ルールです。
3. 濡れたまま放置しない
洗濯後は速やかに干しましょう。濡れたまま放置すると、染料が溶け出しやすくなります。汗や湿気が原因で色移りすることもあるため注意が必要です。
色褪せを防ぐ干し方のポイント
1. 直射日光を避ける
紫外線は色褪せの大敵です。濃色の衣類は日陰で干すのがベストです。
2. 風通しのよい場所を選ぶ
通気性のよい場所で乾かすと、服を傷めずに乾燥させられます。
濃色の衣類を美しく保つためには、日々のちょっとした気配りが大切です。洗濯時の工夫や干し方に気をつけて、お気に入りの服を長持ちさせましょう!
平島利恵/洗濯研究家