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浦島坂田船 奇跡的なバランスで磨き合い支え合う、最強で最高な4人によるソロフェス・日本武道館公演をレポート

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浦島坂田船

USSS SOLO FESTIVAL 2024 -ソロフェス-


2024.3.3 日本武道館

浦島坂田船のメンバーであるうらたぬき、志麻、あほの坂田。、センラの4人が、それぞれソロアーティストとして出演することとなった『USSS SOLO FESTIVAL 2024 -ソロフェス-』。2024年2月に東京・東京ガーデンシアターにて開催の2デイズ公演の追加公演が、3月3日に日本武道館にて行われた。四傑が“ライブの聖地”に集った華やかな宴の模様をお伝えする。

浦島坂田船

トップバッターは、リーダーであるうらたぬき。2023年8月開催のソロ公演で着用したボルドーカラーのスーツに身を包み、「ソロフェスいこうぜ!」と叫んだ1曲目は「たぬきのぽんぽこ祭り」だ。<俺の名前を呼んでみな>に<うらたぬき〜!>と全力で応え、緑のペンライトを振るこたぬき(うらたぬきファンの呼称)。ダンサーと息ぴったりに足を高く上げるラインダンス、ダンサーにリフトされる姿、伸びのよいハイトーンに大歓声が上がる。

うらたぬき

「初回から意味不明な歌を歌ってよろしくごめん(笑)」と挨拶したのちにタイトルコールした「ハイヒール・プリンセス」では、<おまえは俺がいないとダメだろうけど>と歌詞を俺様アレンジしてみたり。「恋のMAGIC」では生声で<好きだ>と告白して<恋の魔法>をかけたり。アラビアンな「全愛不問コスモスナニカ」、<お前でいいや><お前がいい>と翻弄する「愚かなオルカ」、華麗なターンをきめた「セクトの誅罰」、ジャケットを脱ぎネクタイをほどいて胸元をはだけさせ刺激的な艶っぽさ全開となった「Pink」。歌詞内のルール4を急きょ変更して<俺が守ってやろうか>と持ちかけた「ダンスロボットダンス」にしても然り、さまざまな曲調に合わせ歌い方も表情もダンスもガラリと一変させる変幻自在ぶりは、さすがだ。

うらたぬき

2018年に2日間開催した日本武道館初公演でソロ歌唱した「Life goes on」のサビをアカペラで観客と共に歌い、「ありがと、泣くわ! どうしても届けたい人がいてみんなに協力してもらいました」と目を潤ませたうらたぬき。拳を突き上げ一体となった観客の熱気に包まれた「テオ」で圧巻のロングトーン響かせたその姿は、とても凜々しかった。

うらたぬき

続いての登場は、あほの坂田。だ。2023年6月開催のソロ公演と同じく、目覚めの朝をとらえたオープニングムービーそのまま、ステージに置かれたベッドから手を伸ばしてアラーム音を止め、歌うのは「リビングハート」。もこもこのパジャマにデニムパンツというゆるやかコーデにかわいい“ケンちゃんスリッパ”もよく似合う。軽やかなマイクスタンドさばきも見せた「共鳴Tune!」で蛍光イエローのジャケットに着替えると、「迷図」では荒っぽいがなり声も交えながら、<誰にも真似できない色の道>を悩みながらつまずきながらそれでも進み続ける意志の強さを歌声に託して、どうしたって胸が熱くなるじゃないか。

あほの坂田。

「ラヴィ」ではダンサーとのわちゃわちゃ&キュートなポーズで沸かせ、“ケンちゃんスリッパ”から靴に履き替え<呼ばれて 飛び出し>た「スーパーヒーロー」では、坂田家(あほの坂田。ファンの呼称)が赤のペンライトを振って大きくコール。武道館の大舞台にひとりで堂々と立つあほの坂田。は、<スーパーヒーロー>そのものだ。

あほの坂田。

「無駄≠無駄」では、坂田家の<最高!>コールに思わず「いいですね!」と笑みがこぼれて、「未完成ユートピア」ではダンサーとステッキダンス。心を満たしてくれる時間のおかげで<明日も頑張れる>。

「実は、活動初期に言った「僕が楽しかったらそれが一番」という言葉を後悔していて。みんなが楽しめて俺も楽しめる、そういう関係をこれからも一緒に作っていけたら、という想いを込めて最後に歌います」という言葉が導いたのは、「ゆめのものまね」だ。<君が笑うから 僕も笑える>、彼はそんなヒーローでもある。

あほの坂田。

ギタリスト・Sumによるバンドメンバー&ダンサー紹介のVTRをはさみ、2023年11月開催のソロ公演で着用した赤と黒のナポレオンジャケット風コートでステージに現れたのはセンラ。「Freja」のしなやかなダンスも透明感あるファルセットも隙がなく、<僕にだけ溺れてね>とキラーワードを口にする「Sweet Magic」では瞬く間に彼の虜に。また、「スパイラル」「色恋」といった二番手や一方通行の恋につきもののやるせなさや儚さを生々しくも美しく、繊細に表現するのが彼である、ということをあらためて感じたりもした。

センラ

「去年、Sumとスタッフと代々木を走り回って撮った」というMVが大型ビジョンに映し出されたのは、センラが作詞・作曲を手がけた「スペシャルパフェ」。センラが演じるキャラ濃すぎ&胡散臭すぎな“真実男(しんじつお)” の愛くるしさ(?)が全開の映像もポップ&スウィートな“スキスキダンス”も、中毒性がありすぎる。

黄色のペンライトを振るセンラー(センラファンの呼称)との一体感、<センラくんのちょっとイイとこみてみたい!>が見どころの「脳内シェイカー」では、バスケのユニフォームに着替えゴール目指してシュートするのかと思いきや、突然「1/3の純情な感情」を歌い出して意表を突き(しかもやたらうまい!)、結局ロングシュートにチャレンジ。失敗しつつも「最高!」と胸を張ったセンラに拍手を送りたい。

センラ

惚れ惚れするような美声がよく映えた「ホシアイ」を歌い終わり、「前回の武道館公演よりみんなを近くに感じられるのは、みんながこれまでいろんな景色を見せてくれたから。本当にありがとう」と感謝したセンラ。最後に歌ったのは、2018年の武道館公演でソロ歌唱した「Make a pass」だ。そこには、表現者としての進化と変わらない想いがにじんでいた。

センラ

2023年5月開催のソロ公演で着用したブラック×ホワイトのスポーティーカジュアルな衣装で登場し、「イエスタデイはトゥモローを歌わない」で勢いよくスタートを切ったのは志麻。最初から本気のコール&レスポンスに笑顔を見せて、「かわいい子探しまーす!」とオペラグラスで客席をチェックしつつ、<お尻がプリティ>なダンスに<顔面国宝>なキメ顔に投げキッスに投げ指ハートに、いきなりの大サービスだ。

志麻

キレッキレなダンスでも魅せた「Violet Thunder」、グルーヴィーなうねりに身を任せた「Oxygen」、歌もラップもダンスもウィンクも色気たっぷりな「ダスティピンク」と、かっこいいモードに振りきった志麻に、紫のペンライトを振る志麻リス(志麻ファンの呼称)のテンションも上がるいっぽうだ。

「4番手だからみんな疲れてないですか?」と観客を気遣った志麻だったが、轟くようなコールに「やればできる!」と驚きの笑みを浮かべたのは「ロストワンの号哭」。「もっといこう!」と、求めた以上の観客のリアクションに「最高!」と高揚した表情を見せた「敗北の少年」のあとは、「Magiない♡カリグラフィック」で急にインドあたりにいざなったりして、楽しいにもほどがある。

志麻

「武道館でこんなに長い時間ソロで立たせてもらうのは初めてのことです。ありがとうございます。これからも志麻と浦島坂田船についてきてくれますか?」そう呼びかけて、「CRAZY BUNNY!!」へ。気づけば、あっという間にラストナンバーである。気骨ある精神性、<デッドライン>を軽々と越えてしまうような熱量の高い観客の大合唱。<諦めるはずはないさ 全てをねじ伏せ俺は勝つ>と言い切るたくましさは、最後を飾るに相応しかった。

志麻



ここまででも満足度が尋常じゃなく高いソロフェスだったが、crew(浦島坂田船ファンの呼称)想いの4人は、浦島坂田船として再びステージへ。「Peacock Epoch」でそれぞれが強気に求愛したかと思えば、「おーるでい・おーるにゃいと」では甘えてジャレついてcrewを骨抜きにしたり。春を目前にして思いがけず「Snow melody」を歌ってくれたり。「フレンドシップ」ではうらたぬきとあほの坂田。、志麻とセンラが隣り合ったり背中合わせになったり。歓喜の場面の連続に、とてもじゃないが「おまけの浦島坂田船です」という言葉を額面通りには受け取れない。

浦島坂田船

さらには、「太陽系デスコ」でスタートしたアンコール。

あほの坂田。「もともとソロ活動してた4人だから、すごいグループになったんだろうなって。今日、正直言ってメンバーみんなかっこよくて、一緒にやれてよかった、って思いました」

センラ「この4人に天才はいないけど、集まったからこそこういう大舞台に立たせてもらえてるし、みんなに見せてもらった景色があります。ほんま、奇跡的なバランスでチームになった4人です」

うらたぬき「誰ひとり欠けることなくここまでこられて、嬉しいです。みんなに感謝、(メンバー3人を見つめて)コイツらにめっちゃ感謝。続けてくれてありがとうございます」

志麻「浦島坂田船、すごいでしょ? 今や全国いろんなところに行かせてもらって、こんなに素敵な場所に立たせてもらってます。最強で最高な4人にこれからもついてきてください!」

浦島坂田船

浦島坂田船

そして、この日最後に届けてくれたのは「SAILING!!!!!」だ。奇跡的なバランスでお互いに磨き合い支え合う、まさに最強で最高な4人。その顔は、とても誇らしげだった。足し算ではなく掛け算で夢を広げていく浦島坂田船、ソロフェスの可能性も無限大だ。

浦島坂田船

文=杉江優花
撮影=堀卓朗(ELENORE)、加藤千絵(CAPS)

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