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【脱・東京】ニワトリ飼育、畑、かまど……、田舎だからこそできる自給自足ライフ!【宮崎県都城市】

田舎暮らしの本

【脱・東京】ニワトリ飼育、畑、かまど……、田舎だからこそできる自給自足ライフ!【宮崎県都城市】

コロナ禍で東京での暮らしに不安を覚えた熊谷さん家族。湧き上がったのは「自然の中で安心して子育てしたい」という思い。宮崎県に移住後は、ニワトリを飼ったり、畑を耕したり、脱・東京したからこそできる自給自足の暮らしを送っている。

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掲載:2025年4・5月合併号

宮崎県都城市(みやこのじょうし)
宮崎県の南西部に位置し、人口約16万人の南九州の拠点都市。都会と豊かな自然がバランスよく調和しているまちだ。広大な都城盆地のほぼ全域を占め、四季がはっきりした気候が特徴。市内には高速道路や高規格道路、JR線が通り、また40km圏内に2つの空港もあり、交通の利便性が高い。宮崎ブーゲンビリア空港からJR利用で約50分。

コロナ禍はチャンス! リモートで出合った移住先

右から、熊谷美樹さん、次女の春希(はるの)ちゃん(5歳)、博人さん、文葉(ふみは)ちゃん(9歳)。すっかり懐いているニワトリは、抱っこもできる。

熊谷博人(ひろと)さん(39歳)、美樹(みき)さん(42歳)博人さんは東京都出身、美樹さんは青森県出身。博人さんは日本神話への興味から神職に就きたいと國學院大學へ進学、卒業後は神社関係の業界紙の会社に勤務。美樹さんは、自給自足が日常の家庭に育ち、東京で絵画教室の講師をしていた。家族4人で都内の戸建てに暮らしていたが、コロナ禍で移住を決意。宮崎県三股町で神職の仕事を見つけ、2022年に移住。翌年、隣の都城市へ住まいを移す。

ニワトリは、子どもたちの希望で飼いはじめた。飼育は、姉妹2人ですべて行っている。

 中心地には市立図書館や文化ホールなどの都市機能が充実し、周囲には豊かな自然が広がっている都城市。そこで自給自足を目指した暮らしを送っているのが熊谷さん家族だ。

 移住のきっかけはコロナ禍。

「人が多い都会ではなく、豊かな自然の中で暮らしたいと思ったんです」と博人さんは話す。

 神職として働きたいという思いがあった博人さん。たまたまハローワークに求人があった宮崎県三股町(みまたちょう)の神社に就職が決まった。青森育ちの美樹さんの「暖かいところ、雪がないところで暮らしたい」という希望とも一致し、2022年、宮崎県へ移住。

 就職面接はリモート、家はネットで見つけた熊谷さん夫妻。コロナ禍だったこともあり、移住前に現地を1回も訪れていない。日本一周や世界を旅して回ったことがある美樹さんは、「日本国内ならどこでも暮らしていけると思って」と笑う。

 以前から自給自足に挑戦したいと思っていた美樹さん。目指す暮らしをしたいと、翌年に都城市の一軒家を購入した。

屋外のかまどで料理し、ニワトリを飼育

 都城市の家では、ガスは契約せず、薪ストーブや庭につくったかまどで調理し、風呂はもともとあった灯油ボイラーを使用。電気は、太陽光パネルを設置して一部を賄っている。「いかにしてお金をかけずに暮らすゲームみたいなものです。いろいろと試すのが楽しい」と美樹さんは笑う。

 野菜は干したり、漬物にしたり、さまざまな保存食をつくっている。庭で飼っているニワトリは卵を産んでくれる。この卵は、物々交換にも役立つ。「ご近所の方から野菜や薪をいただいたら、卵をお返ししています」と美樹さん。

 子どもたちも、ニワトリの世話や畑のお手伝いなど、のびのびと育っている。庭で友達と元気に遊ぶ子どもたちの姿に、「移住して本当によかったと思います」と博人さんは満足そう。

庭にレンガを積み上げてつくった手づくりかまど。調理はここと、薪ストーブで行う。

天気がいい日は井戸水で手洗い洗濯も。「井戸は、友人たちと西田方式水脈探しに挑戦しました」。

綿花も栽培している。このふわふわのワタから糸をつむぎ、機織りにも挑戦したいという。

 今年の3月には、さらなる自給自足ライフの実現のため、都城市内のより田舎にある家に引っ越す。

「今度はガスはもちろん、電気も水道も契約しません。水は井戸水が使え、電気は太陽光パネルで賄います」と博人さん。

 絵画教室の講師やイラストレーターとして働いていた美樹さんは、絵の具や紙、筆などすべて自分でつくって絵を描くことに挑戦したいと話す。

「化学物質を使わない自然素材の絵の具をつくり、紙は自分で漉いて、筆も自分でつくろうと思っています」(美樹さん)

 春からは新しい家で、自給自足という理想のライフスタイルを楽しみたいと話す熊谷さん夫妻。さらには、「ニワトリの卵を使った砂糖・乳不使用のプリンや、育てた米を使った米粉ドーナツ、妻がつくる小物などを販売する小さいお店ができたらいいですね」と夢に向けて胸を膨らませる。

3月から暮らすことになる山間にある家。家と隣接する田んぼ、畑が付いていて、自給自足するには最適だ。

脱・東京してよかったこと

子どもたちがのびのび遊べることです田舎へ移住して子どもたちがのびのび遊べることがいちばんよかったことです。あと、食べ物がおいしい。宮崎県は「畜産王国」といわれるほどで、牛や豚、鶏などお肉は極上です。(博人さん)

自給自足できる環境がうれしいです
こちらの暮らしになじみすぎて都会の暮らしを忘れてしまいましたが、よかったのは自給自足できる環境ですね。森も海もあって、自然も食も豊かなところがいいです。(美樹さん)

都城市移住支援情報


最大500万円の移住応援給付金など、充実の支援体制

 陸・海・空の交通インフラが整っている都城市は、市町村別農業産出額が4年連続日本一となり、食に恵まれたまち。「肉と焼酎」がふるさと納税でも人気を博している。市では、第1子からの保育料、こども医療費、妊産婦の健診費用の「3つの完全無料化」や、全国どこからでも移住をサポートする世帯最大500万円の「移住応援給付金」など、さまざまな支援制度を用意している。

商業施設や医療機関が充実しながらも、「日本の滝100選」に選ばれた「関之尾滝」などがあり、自然も豊かで、都市機能と自然がバランスよく共存。

サポートセンターでの相談風景。都市圏での移住相談会にも出展している。

「気候も人柄も穏やかな都城市。まずは、気軽に相談しっくいやん!(相談してね!)」
都城市PRキャラクター兼PR本部長の「ぼんちくん」

文/水野昌美 写真提供/熊谷博人さん・美樹さん

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